Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マスキングテープで作ったヴァーチャルCG空間?

渋谷M邸

渋谷の新築高層マンションリフォームの渋谷M邸ですが、お引渡しが終わったとのことで(今回のリフォーム計画はご購入後、お引渡し前から始まっていました)、工事をお願いしてリフォームキューの営業&設計担当の森井さんと一緒に現地を確認に行って参りました。

現場監督のリフォームキューの滝川さんと下請けの造作家具屋テラダの島村さんも一緒です。

早速、4人で造作家具の範疇と設置方法などを打ち合わせさせて貰いました。

この日はお客さまも来てくださったので、主寝室のペンダント照明の個数を確定したかったので、担当の岸本さんが作ってくれた原寸模型を使って、サイズ等を確認して頂きました。

その後2時間ほどの打ち合わせの最中に、リフォームキューが緑色のテープを使って造作家具の大きさを部屋の壁と床にマークしてくれました。

こちらはリビングダイニングのテレビボードです。

上のお子さまの寝室です。床のテープと合わせてみると、まるでヴァーチャルCGのように立体的に見えてくるのが、なんとも不思議です!

これまで何度も打ち合わせをしてきた奥さまは良く分かって下さっていますが、時々打ち合わせに参加しているだけのお子さまたちは、立体的な姿を想像するのが難しいだろうとのことで、リフォームキューが頑張ってくれました。

テレビの位置や、テーブルの大きさなど、実地で確認できたので、お客さまも大喜びでした。

その後は、白金台のカガミ建築計画の事務所に戻っての仕上げ材の打合せです。

リビングダイニングの床を張り替えるべきか、そのまま既存を残すかで、お客さまも随分悩まれていらっしゃいましたが、最終的には僕らがお勧めしていたIOCのオーク20グラファイトで張り替えることになりました。このフローリングは一枚毎に色味が違っているので、それを理解して頂くために、何種類かを取り寄せて並べて確認して頂きました。

テレビボード裏に張る大判大理石超タイルや、造作家具のフレームの色味とも合わせて確認しての最終判断です。

建具と特注金物の色味や、

飾り棚の塗装色といった、細かい部分の色味まで、一気に決めさせて頂きました。

水回りの枠の取付け&建具リストの確認

渋谷区Q邸

現場は佳境に入ってゆく途中で、多くの工事が同時多発的に行われています。こちらは、リビングダイニングから一番遠い場所にあるウォークイン・クローゼット部分ですが、まだ床フローリングの遮音下地が貼られている状態です。

廊下からリビングへの入り口の扉のフロアヒンジのメカも埋め込まれており、モルタルで固定されていました。

奥の寝室群には、一度取り外して工場で塗装された建具枠が戻ってきており…、

枠の固定がされている横では、電気屋の職人さんたちが結線をしてくれています。

電気屋さんは、実はリフォーム&リノベーションの工事現場では、最初から最後まで最も長い期間現場に入ってくれる職人さんなのです。

分電盤が来る部分となると、これだけの数の電線が集まってくるのを、ナンバーリングしながら整理していってくれるのです。

この日は他にも色々な専門の職人さんが入っています。黒くて細い枠を搬入してくれているのはスチール屋さんで、シャワーブースの特注の鉄製枠を取り付けてくれています。

断面を見ると、このような複雑な形のスチールサッシ枠です。デザインだけでなく、枠としての精度や強度を、施工をお願いしている青の現場監督の岡田さんと一緒に考えて作って貰ったものです。

防水処理が終わったシャワーブースの場所に、L字型にスチール枠を立て込んでゆきます。

スチール枠と防水層の取り合いは重要で、また強化ガラスも入ってくるので、カネ(垂直性)の確認も何度もしながらの丁寧な取付け作業でした。因みに、シャワーブースはそれほど広くないので、扉の外にも60センチ分ほど防水エリアを増やしています。

僕らが見ている間には取付けが始まりませんでしたが、浴室のスチールサッシも現場に入っていました。

シャワーブースは黒い塗装枠でしたが、浴室はステンレス鏡面仕上げです。共に搬入や取付け時に傷がつかないようにビニールシートで覆われています。

こちらが鏡面スチール枠の取付けを待っている浴室エリアです。

折り上げ天井の木製下地造作が終わった廊下ホールや、

お客さまからのご要望で、造作家具のグレードがぐんと上がった、リビングのコーナー部分の書斎コーナー等、まだ詳細が詰められていない個所があるので…、

現場に設置された打合せテーブルでは、濃密な打ち合わせが続いています。

造作家具と建具をお願いしている現代製作所の担当の吉岡さんが確認のために書いてくれた建具表です。

サイズ、仕上げ、取っ手、金物とすべてが違っており、標準的な建具がないので、指示間違いが無いかを一枚ずつ確認してゆきます。

通常の現場定例打合せは、大体2時間ほどで終わるのですが、こちらの現場では毎回6時間ほどの濃密な現場打ち合わせが続いています。

マンションリノベ_素材の最終色確認

千代田区M邸

素材とその色味に特別にこだわって、全ての仕上げ材のサンプルを一般的なケースの200%増しで作るお約束をしてここまで進んできた千代田区M邸ですが、最後のサンプルがオーダーキッチンのリネアタラーラからでてきて、すべてが揃いました。

手前右のラフなオーク突板とそれをグレーに塗装したものが、最後に出揃った仕上げサンプル材です。その他は、これまでのお打合せで決まってきた素材サンプル類です。

以前、こちらのリネアタラーラのショールームにあったモデルキッチンの扉材と同じものを使いたいとのことで、残念ながらその扉に使ったフローリング材が無くなってしまったので、幾度かそれに似たものを探してサンプルを作って貰っていたのですが、担当の牧野さんからようやく似たものができたとのことで見せて貰ったのがこちらで、Mさまも奥さまのイメージとぴったり合うと喜んで頂けました。

こちらの四枚は、キッチンの吊戸棚に使う、金属風の塗装サンプルです。一緒にマラッティ社のコンクリート調タイルが見えてくるカ所なので、比較しながら右から2枚目のサンプルで進めることに決まりました。

こちらは、キッチンとは離れて、建築の扉と枠に使う素材のサンプルです。大きな四角い突板は、オーク無着色のクリア塗装です。それに対して、僕各務が手に持っているのは、建具屋さんが時代仕上げと呼んでいる仕上げを施したものです。浮造り加工をして、白の砥の粉を少し塗すような加工をしたイメージの物です。この時代仕上げも奥さまに気に入って頂けました。

こちらの写真は、仕上げ材ではなく、簡単な折り紙模型を使って、アイランドカウンターの仕上げ材が正面とサイドでどのように変わってくるかを前田君が説明してくれています。

一応、全ての項目が決定するたびに、間違えないように前田君が図面に仕上げと仕様を書き込んでいってくれます。

このようにして、約1時間の打ち合わせで、全ての項目の最終仕上げを確認してゆくことができました。これで発注を掛けて進めてゆきますが、念のため、工事中の現場に決まった仕上げ材を持ってゆき、最終の最終確認をすることになりました。

こちらが現地の窓際に決まった仕上げ材サンプルをすべて並べた様子です。

工事をお願いしている施工会社のの現場監督の石坂さんと樋口さん、片岡社長もいる前で、本当の最終の仕上げ材の確認して頂きました。

今回は、仕上げ材のサンプルをご満足が頂けるまで、ご提示しながら仕上げ材を決定してゆくスタイルで、工事費の見積りの中に、サンプル作成費用として、別途項目として30万円を入れて貰いましたが、それをすべて使い果たすほどの枚数のサンプル板を作って貰いました!

最後のこちらは、壁の漆喰と合わせて、玄関扉に張るダイノックシートで選んで頂いたものを並べて見比べた様子です。
これで建具や窓の枠材や扉材、キッチンや造作家具の面材が決定となったので、一気に造作工事が進んでゆくことになります。