Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

モルテーニ壁面収納の組立てプロセス

麹町K邸

麹町K邸の現場では、イタリアのハイブランド家具モルテーニ社製の壁面収納の組立てが始まっています。

モルテーニ壁面収納505の組立て

こちらはほぼ組み上がった段階ですが、、まず最初は…、

モルテーニ壁面収納の部材

このように梱包された部材が室内に搬入され、

Molteni壁面収納505の組立て

開梱荷解きをしながら、材料が分からなくならないように整理して、各所に於いてゆきます。

モルテーニ壁面収納の組立ての様子

ちょっと時間が飛んでしまって、箱がほぼ組み上がってしまっていますが、まずは幾つかの箱に分けて床で組んだものを、墨に沿って組み立ててゆきます。

モルテーニ壁面収納の組立図

こちらがその組立ての設計図(施工図?)になります。今回採用しているのは、モルテーニ社の505シリーズです。

モルテーニ壁面収納の組立て

箱が組み上がった所で、モルテーニ社が金物メーカーと共同で開発したオリジナルな金物を取り付けてゆきます。

モルテーニ壁面収納のフラップダウン金物

フリップダウン扉用の金物や、

モルテーニ壁面収納の組立て_引き出し金物

非常に滑らかな動きをする引き出し金物、

モルテーニ壁面収納の組立てディテール

枠付きガラス扉用の非常にコンパクトな専用金物、

モルテーニ壁面収納の組立てディテール

普通に見える観音開き用の扉の金物も扉側の取り付け方法は特殊な金物となっています。

モルテーニ壁面収納のディテール

間接照明が事前に組み込まれている棚板も、このようにぴったりサイズで作られています。

モルテーニ壁面収納の組立て_背面コンセント穴

テレビやAV機器を組み込む設定となっているので、それらの配線が見えない箇所に隠され、後でAV機器を設置する時に問題なく接続できるような工夫もばっちり組み込まれています。

モルテーニ壁面収納の金物類

細かい金物や接続部材も数多くあり、それらを間違えないように慎重に取り付けてゆきます。

モルテーニ壁面収納の組立て_ガラス扉調整

最後に扉のつり込みや引き出しの設置となってゆきます。ただ、そこからも微妙な調整作業がずっと続き、

Molteni壁面収納の組立て

何度も扉や引き出しを外しては取付けを繰り替えしながら、全体を纏めてゆきます。

モルテーニ壁面収納の組立て

一応一通り組み上がった状態です。パッと見ると扉がガタガタになっているようですが、実は扉の厚みが2種類あるので、このガタガタもデザインなのです。

モルテーニ壁面収納の組立て確認

最後に、弊社担当の小牧さん(アルフレックス社)と一緒に各扉や引き出しの動作性能や傷の確認しました。幾つかの傷の指摘や、フィラー材(造作家具と建築工事の隙間を埋める材料)の問題が見つかりましたが、今後材料を取り寄せて対応してもらう手はずまで整えてくれるとのことでした。

モルテーニの壁面収納の完成後の養生

検査完了後にはすぐに養生されてしまいます。実は今回はモルテーニだけでは組み込めない機能があるので、似たような材料を使って、その左右にルンバの収納や、書斎機能を補助する引き出し類、インターネットのルーター基地などを作っています。

モルテーニの壁面収納の組みあがり

最終的に他の工事が終わって養生も取れて、間接照明をオンにしたのがこちらの様子です!

ハイブランド家具屋巡り-3@代々木上原I邸

代々木上原I邸

代々木上原I邸のお客さまとのハイブランド家具のショールーム行脚が続きます。ここまでは、僕が良く採用させて頂いてきたイタリアの高級家具が中心でしたが、これまでの傾向から、もう少し違った雰囲気の家具もお好きなのではと感じて、すこし趣向を変えております。

最初に伺ったのは銀座のアルマーニ・カーザです。こちらもイタリアの家具ですが、家具主体の家具屋がデザインしたものではなく、ご存じイタリアンアパレル界の重鎮、ジョルジオ・アルマーニ氏が自分用にデザインした家具を販売するスタイルとなっています。

Iさまはアルマーニの洋服も数多く持っていらっしゃるとのこと、ショールームに入った最初からこの世界観がとても好きだと言ってくださいました。

特に、このファブリックのライブラリーは、どの生地にもインスピレーションを感じるととても喜んでくださいました。

一つ一つのファブリックを手に取りながら、どこにどのようなものを使えるか、ここにいるだけで一日中想像していることができると仰ってくださいました。

こちらの椅子やその他の家具についても、どれも素敵なので、幾つかをこの場で購入して、その使い道は後で考えて欲しいとまで言って頂きましたが、まだ家具ショールーム巡りの最初の段階なので、もう少し待って欲しいとこちらからストップを掛けさせて頂きました。

次に伺ったのは、イギリス系のハイブランド家具を集めているオーセンテリア(旧サロン ドゥ ファヴォリ)の青山ショールームです。

こちらには、大理石製のマントルピースのチェズニーや、

スタイリッシュなイタリア製ハイブランド家具のトム・フォークナなどを扱っています。この幾何学的で不思議な脚のテーブルは、多様な金属塗装で仕上げを変えることができるそうです。

このような脚の仕上げのパレット、3つを見せて頂きました。

テーブルの天板も多様な大理石が可能とのことで、まずはショールームに在庫してある天然大理石を見せて頂きました。

こちらは青山のマンションの一室にあるショールームなのですが、レーリング装飾と塗装でとてもシックに纏められており、ショールーム空間の雰囲気もとても好きだとIさまが気にいってくださったようです(この写真はまだファボリの頃の物です…)。

この日の最後は、イタリアの高級家具ではありますが、これまであまり採用の事例がなかったポルトローナフラウでした。

Iさまが大好きな素材でもあるレザーが得意なハイブランド家具で、ショールームに置かれている家具のほとんどにレザーが使われています。

ポルトローナフラウショールーム見学

このアーチボルトという椅子は大振りなイメージなのですが、座ってみると包まれるような座り心地なので、Iさまにも座って体感して頂きました。
ここまでそれなりの数の家具ショールーム巡りをしてきて、なんとなくIさまのテイストが分かってきた気がして参りました。ここまでのお付き合い、どうもありがとうございます。

ペンダント照明&壁掛けテレビの高さ確認@品川N邸

品川N邸

ここまでお客さまをお待たせしてしまいましたが、ようやく品川の高層マンションペントハウスのリフォームプロジェクト品川N邸のお引渡となりました。

まずはお客さまがいらっしゃる1時間ほど前に現場に入って、以前の打ち合わせで決めていた高さに3灯のペンダント照明を電気屋さんに吊るして貰う作業に立ち会いました。

吊るす作業自体は、それほど難易度の高いものではないのですが、フレームにガラスのピースを指紋が付かないように引っ掛けて行き、かつそれらが平行になるようにバランスを取るのが難しいようです。

岸本さんがルミナベッラのショールームで撮影した現物写真を電気屋さんに見せながらの作業となりました。採用したペンダント照明はイタリアの巨匠建築家、アンジェロ・マンジャロッティ氏がビストジ社の為にデザインした世界的ベストセラー照明のジョガリシリーズの照明です。

ジョガリのペンダント照明が3灯並んで吊られた様子です。まだダイニングテーブルが届いていないので、高さの感覚が分かりにくいですね…。

照明の吊り込みが一通り終わった所で、お客さまのNさまご夫妻が現場に入って下さり、支給品のテレビと壁掛け金物の設置が始まりました。

品川N邸_壁掛けテレビの配線

まずは、先行して電気屋さんが下の造作AVボードと壁掛け金物の裏に来るボックスに配線を通してくれています。

品川N邸_壁掛けテレビの配線取付け

現場にいる男手で、テレビを持ち上げて、左手のソファーの位置に座ったポーズのご主人さまに高さを確認して頂きました。

品川N邸_壁掛けテレビの配線

決まった位置にまずは金物固定用の穴をドリルであけてゆきます。壁の石材の後ろにはビス固定用の下地として12ミリ厚のベニヤ板下地が入れてあります。

品川N邸_壁掛けテレビの金物取付

壁掛け金物をビス固定してゆきます。きちんと平行が取れるようにレベル(水平器)を使った丁寧な作業です。

金物が取り付け終わった所で、一旦清掃してホコリを除去します。その間に右奥に見えるキッチンでは、オーダーキッチンのモービリティーポの徳永さんの取り扱い説明が始まりました。

金物にテレビを引っ掛けたところを、ご主人さまに先ほど決めて頂いた高さになっているかを確認して頂きました。

検査事項確認_品川N邸お引渡し

この作業に前後しながら、先日の施主検査で上がっていた補修、未修工事個所を設計施工でお願いしたスタイル・イズ・スティル・リビング(SISL)の齋藤社長と現場監督の中川さんとNさまご夫妻が確認して回ってくださいました。

各収納の中の棚の位置や、追加オーダーを頂いていた棚板の数も確認して頂きました。

品川N邸_オーダーキッチンの取り扱い説明

まだ、キッチンの取り扱い説明に戻ります。

水栓やガスコンロの使い方や換気扇の分解の仕方から始まり…、

品川N邸_オーダーキッチンの取り扱い説明

カウンター材や扉のクリーニング方法、更にはご主人に実践して貰っているような引き出しの取り外し方までレクチャーして貰いました。因みにモービリティーポが使っている引き出しレールシステムは、オーストリアの最高級金物メーカーのブルムモーションの製品で、取り外しがとても簡易ながら頑丈で長持ちする優れモノです。

キッチンの取り扱い説明の最後に、アタッチメント部品の説明と、徳永さんからNさま夫妻への竣工お祝いのプレゼントもありました。

品川N邸お引渡し_記念撮影

ペンダント照明吊り込みから、壁掛けテレビの位置決定、各所補修箇所の確認から、キッチンの取り扱い説明と、長いお引渡し作業が終わって、関係者揃っての記念撮影です。左からキッチンの徳永さん、SISLの齋藤社長と現場監督の中川さん、お客さまのNさま夫妻、弊社設計担当の岸本さんと僕、各務です。
長らくお待たせいたしましたが、ご自宅リフォームの竣工お引渡し、どうもおめでとうございます!