Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

コンセントとスイッチ位置の現場確認

元麻布ヒルズA邸

元麻布ヒルズの高層マンションリノベーションA邸の現場にて、お客さま立ち合いのもと、コンセントと照明スイッチ位置の確認に伺って参りました。

夜暗くなってから、家に戻ってきた想定で玄関の照明スイッチから、LDに行って用事を済ませて、廊下を通ってトイレや水回りに寄ってから寝室に戻るようなルート想定をして、照明をどこで入り切りしてゆくかをシュミレーションしてゆきます。こちらのお宅のように長い廊下がある場合は、スイッチの数ばかりが増えてゆきやすいので、壁の床際に人感センサー付きの壁埋め込み照明なども活用することになりました。

大人だけでなく、お子さまが夜中に起きてトイレに行く動線の照明や、奥さまがキッチンで料理しているうちに段々と外が暗くなってきて、ダイニングでお勉強しているお子さまの照明をどこで点灯するかと、この家でのA家の皆さまの生活を想像しながら確認してゆきます。

リビングや玄関は比較的簡単にスイッチやコンセント位置を考えることができるのですが、今回はキッチンとダイニングが少し離れているので、ダイニングの照明をどう考えるかは皆さまで「あーだ、こーだ」と検討させて頂きました。ダイニングのペンダント照明が未定なこともあって、最終的には当初考えていた想定よりダウンライト数を増やすことになりました。

広いリビングで僕らが良くご提案するのは、床付け埋め込み型コンセントです。ソファを壁や窓から離してレイアウトすることになった場合、座って本を読むときに手許を明るくするスタンド照明のためのコンセントが壁にあると、どうしても長い電気の線がソファエリアまで伸びてしまいます。床付けコンセントがあると、そこにスタンド照明のコンセントをさせるので、壁回りをすっきりさせることができます。
ただし、ソファのレイアウトやラグをどう敷くか、床暖房との位置の取り合いなどもあるので、毎回お客さまとも相談しながら工夫してレイアウトをしています。

元麻布ヒルズA邸では、壁に大理石や色付きの壁紙も使っているので、それらの素材とコンセント&スイッチプレートの色味も見て頂きました。ぴったりの色はありませんが、なるべく色を揃えて目立たせないようにするのか、石張りの箇所は目地位置を合わせてきれいに見せるなど、一緒にご提案させて頂きました。
プレート類は設計施工でお願いしているN社のデザイナーのNさんが用意してくれたものです。

照明器具の色温度のことも、N社のデザイナーのNさんがデモ器を用意して下さったので、お客さまと一緒に確認することができました。大理石やカラーガラスなどを使って華やかでシャープなイメージのリビングダイニングや玄関は色温度3000Kで少し白っぽく、寝室やウォークイン・クローゼットは目も休まってリラックスしやすい電球色に近い2700Kで進めることになりました。

その他の工事も着々と進んでいますので、お客さまご家族がいらっしゃる30分ほど前について、現場をチェックさせて貰っています。

デザイン的に特にクリティカル(重要)なポイントになる、リビングではTV収納とキッチンの扉が一体で見えてくる箇所は、

色々な角度から見ながら、施工側ともポイントとなることを確認させて貰いました。

リビングダイニングの家具レイアウトについてもお客さまからご相談を受けているので、サイズ感を確認しながら飾り棚の位置などをスタッフの岩井さんと一緒に考えてきました。

主寝室奥のウィークインクローゼットでは、通路幅が思っていたより狭く感じたので、現地で寸法を確認してみたところ、袖壁が5センチほど長く作られていたので、N社の施工の方に指摘して、設計図と同じ寸法に是正してもらうよう依頼しています。

来客用トイレなどの水回りの工事も確実に工事が進んでいることをチェック致しました。工事開始時にはまだ決まっていなかった、手洗いボウルや水栓もお客さまとのメールを介しての打合せで決まっており、現場の壁にそれらの器具類のカタログ・コピーが張られていました。

 

LDとキッチンを間仕切る4連引き戸の吊り込み

白金台E邸

お客さま検査後、お引渡しまでの工事が再開している白金台E邸にて、リビングダイニングとキッチンを間仕切る4連引き戸が吊り込まれました。

天井のレールは工事の早い段階から仕込まれているものですが、そこに吊り込み用のローラーを設置してゆきます。

空間の間仕切りの引き戸では、床にレールが取り付かない上吊りのシステムを使いますが、引き戸が4枚となると、引き戸同士がズレてぶつかったりすることが怖いので、床にマグネット式のピンを付けて扉がフラつくのを防ぎます。

そのマグネット式のピンも、手探りで位置を探りながら設置するようないい加減さではいけないので、建具取り付けをお願いしているアルノの鵜飼さんたちは、この写真のようなベニヤ板のガイドを事前に作って、床フローリングにマークしながら取り付けを行ってくれました。

全部で28個(!)のマグネット式ピンを正確な位置に取り付けて貰いました。

こちらが、当初僕らが描いた図面をもとに施工会社のスタイル・イズ・スティル・リビングが描いてくれた施工図で、そこに現場を見ながら細かい変更納まりをチェックした図です。

訂正して戻ってきた図面に、またコンセントや照明スイッチ等位置変更に伴って、変更を指示いたしました。

建具が吊りこまれた後も、扉を動かしながら、ピンの位置を調整してゆきます。

扉4枚を全部引き出した後にも、扉と同じデザインのパネルが壁に乗っているデザインとしているので、実質上5枚の建具を吊り込んで貰ったようなものです。

まだ上レールのストッパーの位置が決まっていないので、建具がずれていますが、4枚の引き戸を閉めた際のリビングダイニング側からの様子がわかってきました。

閉じた状態をキッチン側から見ると、このような様子になります。戸先の壁はには腰壁を設けており、少し段差があるため、引き戸がピタリとは寄らないデザインとなっていますが、そのことについては事前にお客さまと相談済みで、今回のこの引き戸は目線を隠すためのもので、密閉するためのものではないので、この程度の隙間はOKとのお話になっておりました。

引き戸の横の玄関ホールからリビングダイニングへの木製扉もほぼ同じタイミングで吊りこまれています。

上記の図面にも、4連の引き戸とこの扉は違ったデザインのものが隣接しあうので、一緒の図面に描かれていましたが、両袖のガラス入りの袖壁や玄関ホール側の靴収納とも絡んでくるデザインとなっているので、こちらも細かく製作図のチェックを繰り返してきました。

まだガラス養生の紙が貼られていますが、玄関ホール側から見るとこのような様子になっています。重厚でいながら、光を適度に玄関ホールに透過する、イメージ通りの出来となっていました。

建具関連では、廊下に2枚設けた納戸とSICの扉の特注金物取っ手とクロスの納まりがおかしかったので、施工側には申し訳ありませんでしたが、特注金物の作り直しとクロスの貼り換えをお願い致しました。

その他では、先日お客さまに現地で設置高さを確認して頂いたテレビはボードに取り付いて、横のキャビネット内に置くDVD機器との接続のされていました。

玄関ホール横の来客用トイレでは、鏡の取付はまだですが、ペンダント照明の吊り込みも終わり、

家族用浴室内のシャワーや金物類の取付も終わっていました。

検査時には取り付けの歪みを指摘した書斎の本棚は、一度取り外したうえで、壁下地を調整してもらった上で、取り付けを待っています。

 

施主検査→お引渡し→リノベーション販売

青山N邸

リノベーション後に販売するプロジェクトとして始まった青山N邸ですが、ようやく改装工事が終わりお客さまの検査に立ち会って参りました。

検査後に撮影した記念写真からですが、中央にこちらのお部屋のオーナーであるNさまご夫妻、販売のお手伝いをしてくださることになっている大成有楽不動産販売三田営業所の野村さんと藤山所長、工事をお願いしたリフォームキューの岩波さんと現場監督の滝川さん、カガミ建築計画の担当の岸本さんと私、各務です。
日当たり抜群のお部屋で、秋口でも半そでで過ごせる温かさでした。

クッチーナにお願いしたキッチンですが、背面収納のコンセントを追加すべきかをNさまの奥さまに見て頂きました。

タイル壁の隙間に設けた照明のスイッチですが、養生を剥がす際に塗装部分が剥げてしまったようで、補修してもらう部分です。

こちらはキッチンの袖壁のディテールですが、鏡面仕上げのステンレスの見切りと、チークのパネル、そしてクオーツストーンのカウンターがカチッと収まっていました。写真が撮影できておりませんでしたが、幾つかの指摘事項があったので、一週間ほどのスケジュールで補修して、その後のお引渡しへと進んでゆくことになりました。

…と、そうこうしているうちに、補修工事も終わり、お引渡しになりました。

再び検査時とほぼ同じメンバーで、指摘箇所の補修内容を確認してゆきました。

リビングのタイル壁の下の隙間に、目地材がはみ出ている箇所が検査時に見つかっていたので、それが補修されていることをチェックして頂きました。

毎回お目に掛る度に、楽しいお話をしてくださるNさまの話に爆笑している、野村さんと岩波さんの様子です。

全ての工事が終わったので、お引渡しの書類に記名捺印して頂き、工事が完了すると同時に、どのような販売方法と金額で広告を出してゆくかを大成有楽不動産販売の野村さんに提案して頂きました。
現在、大成有楽不動産販売から絶賛販売中とのことですので、このマンションのことや、弊社の仕事にご興味の方は、オープンハウスのタイミングなどで訪問して頂ければ幸いです。