Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

造作家具の組立-2 4つの家具屋さんの使い分け

白金台E邸

先回のブログから造作家具の組み立てが始まっている白金台E邸ですが、実はこちらのお宅には4つの家具屋さんが入って工事を行っています(オーダーキッチンを別にすれば3つですが…)。

書斎造作家具設置

LDと玄関、廊下部分のデザイン性が特に高く、施工精度も必要とされる部分はグレードの高い(ただし費用も高い…)造作家具屋さんにお願いし、奥のプライベートゾーンについては、リーズナブルな造作家具屋さんとシステム収納家具屋さんに入って貰っています。
こちらの書斎は、こちらの下部扉収納付きの本棚、そして背面にくるウォールナット仕様の机とトール収納をリーズナブルな家具屋さんにお願いしています。

造作書斎家具組み立て工事

その後、扉がついて、テーブルも設置された様子です。
因みに、窓際に立てかけてあるのは、組み立て前の洗面カウンター(クオーツストーン)です。

主寝室横のダブルボウルカウンター組み立て中

先ほどのクオーツストーン製のダブルボウルカウンターを載せるのが、こちらの主寝室横の洗面手洗い家具になります。

浴室の手摺り兼用水撥ね防止ガラス

造作家具とは直接関連しませんが、浴槽の水撥ね防止兼手すりとなるガラス製の袖壁のステンレス枠が浴槽脇に設置されています。

手すり兼用水撥ね防止ガラス壁のディテール

押し縁でガラスを固定する予定ですが、そのディテールがこのようになっています。

WICの棚、引き出し、ハンガーバー設置

書斎のちょうど裏側に当たる奥さまのウォークイン・クローゼット内の棚もこちらの家具屋さんにお願いしています。

WICの棚板設置

以前のブログ記事でのご紹介しているIKEAの超リーズナブルなガラスフェイスの引き出しを組み込んだ横の壁持ち出し金物までは大工工事ですが、その棚板や枕棚は、造作家具屋さんにお願いしています。

洗面カウンター&メディスンキャビネット設置

家族用の洗面所の洗面カウンターとメディスンキャビネットも取り付けて貰っています(奥の寝室では、もうシャワー水栓の取付も始まっていますね)。

主寝室の照明器具付きヘッドボード設置

寝室のヘッドボードもこちらの家具屋さんです。ヘッドボードにわざと厚みを持たせて、上端に照明器具とそのスイッチ、そして携帯充電用のコンセントを付けて貰っています。
このベッドボードの反対側の壁には…、

ギャラリー収納_大谷産業の壁面クローゼット家具

ギャラリー収納の大谷産業に作って貰ったTVカウンターとクローゼット家具が取り付きました。

ギャラリー収納_大谷産業の壁面クローゼット家具

大きな壁面一面分と更にそこから折れ曲がった壁の奥にもクローゼット収納が続いています。ギャラリー収納のショールームでのお客さまとのお打合せの様子はこちらのブログ記事をご覧ください。

子ども部屋の収納ギャラリー家具

お子さまたちの部屋のクローゼットや勉強コーナーの家具も大谷産業さんにお願いしています。
今回キッチン含めて4つの造作家具屋さんを使い分けてお願い致しましたが、基本的には以下のように考えて使い分けています。

A:キッチンについては、特殊な引き出し金物やパントリー収納金物、細かい使い勝手をショールームで確認しながらの打ち合わせがが必要になるので、オーダーキッチンのモービリティーポにお願いしました。

B:リビングダイニングと玄関と廊下の家具、更にはこの空間に絡む建具は、Aのオーダーキッチンとほぼ同レベルの仕上げができて、細かい取り合いの打ち合わせや施工が可能なアルノさんでお願いしています。

C:書斎やWIC、洗面の造作家具は、SISLのお付き合いのあるよりリーズナブルな家具屋さんでお願いしています。当初はアルノさんでこちらの家具も見ていましたが、下請け施工業者さんを変更することで、30%程度費用を落とすことができました。ただ、施工レベルや仕上げのクオリティーは多少下がるので、難しいディテールや取り合いが発生しないように、設計側で家具デザインを調整し、更に、このことについてお客さまにはご説明をしております。

D:主寝室の壁面収納やお子さまたちの部屋の造作家具はいわゆるシステム収納屋さんの大谷産業にお願いしました。これは、引き出しのサイズや洋服収納の種類組み合わせなどは、設計の早い段階からショールームでお客さまに実物を見て貰い確認することができるので、設計のスピードアップが図れることが目的でした。費用的にはCの造作家具屋さんと同じですが、基本的な寸法が決まっているので、細かい変更をすると却って費用が高くなってしまうので、間取りを大きく変更しない部屋や壁面で採用しています。

造作家具以外でも、

パッケージエアコン扉設置@白金台E邸

玄関正面のパッケージエア本体を隠す、ルーバー付き建具(ルーバーは既存を取り外して再利用しています)の吊り込みや、

ダイノックシート張り替えの玄関扉

玄関建具のダイノックシート張り直しのためのパテ作業や、

便器据え付け中

便器の取付、

コンセント器具取付

コンセントプレートの取り付けなども同時多発的に進んでいます。

 

 

 

補修&追加工事の合間を縫っての竣工写真撮影

西麻布N邸

5月に玄関の天窓のある吹き抜け上部から、壁に張った石材がはく離して落ちてきてしまった西麻布N邸ですが、その後も補修工事や追加工事の確認の度に伺っています。

大きなトラブルが発生した玄関吹き抜け上部は、石材は完全に撤去して、石膏ボードを張り直して塗装で仕上げて貰っています。石材が落下したのが5月でしたから、今年の猛暑の夏を経過しても、やり直した部分はヒビ等の変化は起こっていませんので、お客さまも安心して下さっています。

お住まいになってからも、2か月に一度程度の頻度で補修工事や追加工事のチェック、新しくご購入くださった家具の納品等で、ご自宅に伺ってきております。この写真では、造作のワインセラー収納の下部に浮きがあったので、その部分を補修屋さんに埋めて貰っている様子です。
因みに正面レンガ壁の前に並んでいるガラス製の2つの棚はモルテーニ45°/VETRINAで、暖炉前に追加で入ったラウンジチェアはフレックスフォルムGUSCIOALTOです。

この写真に写っている正面壁はダークセルベの大理石パネルの間に真鍮目地を通した造りとなっていますが、施工ミスで4枚の大理石パネルを取り寄せて(実際には、一度取り寄せたパネルがサイズミスで、再度取り寄せましたが、これらのロスで3か月の時間が掛かってしまいました…)、ようやく仕上げることができました。

こちらはロフト階で作り直した手すりの塗装がハゲ落ちた部分を補修してもらいました。

お客さまが使おうとしたら外れてしまった床付けコンセントの再固定や、

ご主人のクローゼットの隙間にダボレールと棚板を取り付けて収納化する追加工事や、

来客用トイレの正面カラーガラス壁の上部に追加でピクチャーレールを取り付ける工事などをチェック確認してきました。

補修工事や追加工事の合間を縫って、完成してきたエリアを少しずつ撮影させて貰ってきました。というのは、奥さまの出産と仮住まいの期限のリミットがあったことで、お引越しとリノベーション工事の竣工が逆転してしまい、竣工写真を撮影するタイミングなくお客さまの生活が始まっていたのです。
スタイリッシュな空間がお好きなお客さまも、おもちゃが散らばっていることは今のタイミングでは仕方がなくても、写真ではきれいな状態を記念に撮っておきたいとのことなので、ご了承を得ながら散らばったものを適宜片付けながら竣工写真を撮らせて頂いています。

ワインセラー収納の付近も、上部の大理石パネルが仕上がっていなかったので、出来上がったので撮影させて頂きました。

ワインセラー横のバーコーナーはフリッパー扉(開けた扉を横の隙間に押し込むことができるスタイルの扉)を採用しており、開閉した写真を撮影させて貰いました。因みに、ワインセラーの右横の同じシャム柿の突板の扉はキッチンへの入り口となっています。

まだ寒かった2月に着火式をさせて貰った暖炉回りも家具や小物が揃って落ち着いてきました。

床面に大きく広がっていたお子さまのおもちゃコーナーを片付けてのダイニング&暖炉コーナーの竣工写真です。

ロフトへの階段を挟んで、反対側にはミノッティの大型ソファを入れたリビングがあります。

最初にお見せした玄関ホールとLDは、こちらのシャム柿の両開きの扉で間仕切られています。こちらの建具は鏡面仕上げで、先ほどのワインセラー周りの家具はツヤ無しで仕上げて貰っています。

リビングの階段裏のレザー扉の奥の来客用手洗いです。こちらの壁に使ったのは、全てハンドメイドのガラス製タイルのプリズムリーフ(平田タイル)です。こちらはシルバーですが、トイレ内の壁はゴールドを使っています。

こちらも、これまで写真を撮影できていなかった洗面所です。ダブルシンクにベンチが付いた大型の構成で、クオーツストーンやカラーガラス&ミラーをふんだんに使ったリッチな作りの空間となっています。

これらの写真に、このブログで紹介できていない写真を付け加えて、カガミ建築計画ホームページの事例集にも西麻布N邸のページをアップ致しました。

 

造作家具の組み立て-1 白金台E邸

白金台E邸

オーダーキッチンが組み上がった白金台E邸の現場に、多数の造作家具が運び込まれ取り付けが始まっていました。

まず最初に据え付けられたのが、リビングの作り付け収納です。左右に扉無しと扉付きの収納が交互に並び、中央にはテレビを壁掛けで据え付けるボードが配置されています。向かって右側の扉付きの収納の中に、DVD等のAV機器を入れて、テレビからはパネル裏を通して配線する計画となっています。

右側棚の中段の扉を開けた内部の様子です。配線孔だけでなく、扉と箱の間には通気の工夫もしております。

現場に、ちょうどテレビの壁掛け金物が届いていたので、スタイル・イズ・スティル・リビング(SISL)の齊藤さんと弊社担当の竹田さんが中身をチェックしてくれました。

玄関入ってすぐ左側の靴収納の箱も取り付けが始まっていました。リフォームの場合は、既存の壁同志が直角でなかったり、床と壁の関係も斜めになっていたりするので、実測をしていても、現場での調整が必要になります。

天板に天然大理石を載せるので、どこにフィラー(隙間を埋める材)を入れて逃げるかを、SISLの齊藤さんと現場監督の中川さん、そして造作家具のアルノの鵜飼さんが調整してくれています。

ちょうどこの靴収納の反対側の壁の木製パネルも造作家具屋に設置してもらっています。三枚割のパネルの中央が隠し扉のようになっており、その奥に来客用トイレが隠されています。

来客用トイレ内の手洗いカウンターも設置されていました。

手洗いカウンターの床面からの高さを、E邸の奥さまが気にしていらっしゃったので、ちょうど現場に届いていたハーフヴェッセル型のボウルと水栓を設置して…、

奥さまと背丈がほぼ同じの弊社スタッフの竹田さんに実体験しながら高さをチェックしてもらいました。実際には、お近くに仮住まい中のお客さまが夜に現場に寄ってみて下さり、問題ないことを確認させて頂きました。

廊下途中の壁に埋め込まれた収納も設置されていました。冷蔵庫の隣にウォーターサーバーを置く予定ですが、そのウォーターサーバーの水のストックが入る寸法で計画しております。

こちらは後日の廊下の様子ですが、壁仕上げをクロスパネル張りとしていますが、同じクロスを巻き込んだ扉を作って、収納が壁に溶け込んだように仕上がってきました。