Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

補修&追加工事の合間を縫っての竣工写真撮影

西麻布N邸

5月に玄関の天窓のある吹き抜け上部から、壁に張った石材がはく離して落ちてきてしまった西麻布N邸ですが、その後も補修工事や追加工事の確認の度に伺っています。

大きなトラブルが発生した玄関吹き抜け上部は、石材は完全に撤去して、石膏ボードを張り直して塗装で仕上げて貰っています。石材が落下したのが5月でしたから、今年の猛暑の夏を経過しても、やり直した部分はヒビ等の変化は起こっていませんので、お客さまも安心して下さっています。

お住まいになってからも、2か月に一度程度の頻度で補修工事や追加工事のチェック、新しくご購入くださった家具の納品等で、ご自宅に伺ってきております。この写真では、造作のワインセラー収納の下部に浮きがあったので、その部分を補修屋さんに埋めて貰っている様子です。
因みに正面レンガ壁の前に並んでいるガラス製の2つの棚はモルテーニ45°/VETRINAで、暖炉前に追加で入ったラウンジチェアはフレックスフォルムGUSCIOALTOです。

この写真に写っている正面壁はダークセルベの大理石パネルの間に真鍮目地を通した造りとなっていますが、施工ミスで4枚の大理石パネルを取り寄せて(実際には、一度取り寄せたパネルがサイズミスで、再度取り寄せましたが、これらのロスで3か月の時間が掛かってしまいました…)、ようやく仕上げることができました。

こちらはロフト階で作り直した手すりの塗装がハゲ落ちた部分を補修してもらいました。

お客さまが使おうとしたら外れてしまった床付けコンセントの再固定や、

ご主人のクローゼットの隙間にダボレールと棚板を取り付けて収納化する追加工事や、

来客用トイレの正面カラーガラス壁の上部に追加でピクチャーレールを取り付ける工事などをチェック確認してきました。

補修工事や追加工事の合間を縫って、完成してきたエリアを少しずつ撮影させて貰ってきました。というのは、奥さまの出産と仮住まいの期限のリミットがあったことで、お引越しとリノベーション工事の竣工が逆転してしまい、竣工写真を撮影するタイミングなくお客さまの生活が始まっていたのです。
スタイリッシュな空間がお好きなお客さまも、おもちゃが散らばっていることは今のタイミングでは仕方がなくても、写真ではきれいな状態を記念に撮っておきたいとのことなので、ご了承を得ながら散らばったものを適宜片付けながら竣工写真を撮らせて頂いています。

ワインセラー収納の付近も、上部の大理石パネルが仕上がっていなかったので、出来上がったので撮影させて頂きました。

ワインセラー横のバーコーナーはフリッパー扉(開けた扉を横の隙間に押し込むことができるスタイルの扉)を採用しており、開閉した写真を撮影させて貰いました。因みに、ワインセラーの右横の同じシャム柿の突板の扉はキッチンへの入り口となっています。

まだ寒かった2月に着火式をさせて貰った暖炉回りも家具や小物が揃って落ち着いてきました。

床面に大きく広がっていたお子さまのおもちゃコーナーを片付けてのダイニング&暖炉コーナーの竣工写真です。

ロフトへの階段を挟んで、反対側にはミノッティの大型ソファを入れたリビングがあります。

最初にお見せした玄関ホールとLDは、こちらのシャム柿の両開きの扉で間仕切られています。こちらの建具は鏡面仕上げで、先ほどのワインセラー周りの家具はツヤ無しで仕上げて貰っています。

リビングの階段裏のレザー扉の奥の来客用手洗いです。こちらの壁に使ったのは、全てハンドメイドのガラス製タイルのプリズムリーフ(平田タイル)です。こちらはシルバーですが、トイレ内の壁はゴールドを使っています。

こちらも、これまで写真を撮影できていなかった洗面所です。ダブルシンクにベンチが付いた大型の構成で、クオーツストーンやカラーガラス&ミラーをふんだんに使ったリッチな作りの空間となっています。

これらの写真に、このブログで紹介できていない写真を付け加えて、カガミ建築計画ホームページの事例集にも西麻布N邸のページをアップ致しました。

 

造作家具の組み立て-1 白金台E邸

白金台E邸

オーダーキッチンが組み上がった白金台E邸の現場に、多数の造作家具が運び込まれ取り付けが始まっていました。

まず最初に据え付けられたのが、リビングの作り付け収納です。左右に扉無しと扉付きの収納が交互に並び、中央にはテレビを壁掛けで据え付けるボードが配置されています。向かって右側の扉付きの収納の中に、DVD等のAV機器を入れて、テレビからはパネル裏を通して配線する計画となっています。

右側棚の中段の扉を開けた内部の様子です。配線孔だけでなく、扉と箱の間には通気の工夫もしております。

現場に、ちょうどテレビの壁掛け金物が届いていたので、スタイル・イズ・スティル・リビング(SISL)の齊藤さんと弊社担当の竹田さんが中身をチェックしてくれました。

玄関入ってすぐ左側の靴収納の箱も取り付けが始まっていました。リフォームの場合は、既存の壁同志が直角でなかったり、床と壁の関係も斜めになっていたりするので、実測をしていても、現場での調整が必要になります。

天板に天然大理石を載せるので、どこにフィラー(隙間を埋める材)を入れて逃げるかを、SISLの齊藤さんと現場監督の中川さん、そして造作家具のアルノの鵜飼さんが調整してくれています。

ちょうどこの靴収納の反対側の壁の木製パネルも造作家具屋に設置してもらっています。三枚割のパネルの中央が隠し扉のようになっており、その奥に来客用トイレが隠されています。

来客用トイレ内の手洗いカウンターも設置されていました。

手洗いカウンターの床面からの高さを、E邸の奥さまが気にしていらっしゃったので、ちょうど現場に届いていたハーフヴェッセル型のボウルと水栓を設置して…、

奥さまと背丈がほぼ同じの弊社スタッフの竹田さんに実体験しながら高さをチェックしてもらいました。実際には、お近くに仮住まい中のお客さまが夜に現場に寄ってみて下さり、問題ないことを確認させて頂きました。

廊下途中の壁に埋め込まれた収納も設置されていました。冷蔵庫の隣にウォーターサーバーを置く予定ですが、そのウォーターサーバーの水のストックが入る寸法で計画しております。

こちらは後日の廊下の様子ですが、壁仕上げをクロスパネル張りとしていますが、同じクロスを巻き込んだ扉を作って、収納が壁に溶け込んだように仕上がってきました。

 

 

 

 

造作家具の搬入据付1_青山N邸

青山N邸

青山N邸の現場に、造作家具の第一弾が搬入されてきました。

一つ目はリビングの柱に絡んだTVキャビネットです。孤を描いた大きな窓が特徴の青山N邸のリビングダイニングの間取りですが、こういった高層マンションなどによくある間取りでは、壁にテレビを配置すると景色に対してソファが背を向けることになってしまうことは、常に悩みの一つでした。そこでちょうど一本窓の中心にあった柱型を造作家具でフカしてテレビをはめ込むデザインを考えたのがこちらです。

玄関ホールからリビングに入って正面に見えるTV家具です。

背面板には一部配線孔が開いており、家具の裏側に配線を通せるように考えています。また、右下には奥行40センチの棚があり、そこにDVD等のAV機器をはめ込めるデザインとしています。

背面には、DVDやTVゲーム等のソフトを収納できる棚を作っています。柱型の下部にマルチメディアコンセントを設けているので、そこからAV機器やテレビに露出配線できるようになっています。

こちらは来客用トイレの手洗いカウンター家具です。壁正面のボードとフラットに納まっている鏡の枠も今回の造作家具屋のライフウッド作です。

ちょうどライフウッドの大迫さんと谷山さん、そしてリフォームキューの岩波さんが現場にいるタイミングだったので、うちのプロジェクト担当の岸本さんと、キッチン横のパネル張り壁のデザインについて打ち合わせをして貰いました。因みに、先日の現場ではまだ設置されていなかったキッチンのカウンター材も据え付けられていました。

この正面に見える壁がそれなのですが、差し込まれているキッチン甲板や、2段に下がっている天井のラインから線を取り出して、TV家具と同じチークの柾目のパネル材をランダムに張る予定で考えてきました。

寸法を谷山さんが出してくれたものをスケッチに描いて、木目の方向を考えてゆきます。全面が木目だと重たくなるので、一部にミラーや塗装パネルを入れることを検討しています。

僕らが打ち合わせしている最中も、クロス屋さんがキッチン内部の天井のクロス張りを進めてくれていました。

最後の一枚は、先ほどの張り出しのキッチンカウンター板の固定方法です。甲板が30センチほど張り出しているので、甲板の下地に鉄板を入れて、この写真のようなL字型のアングル金物を下の壁に固定しています。最終的にはこの壁にはカラーガラスが張られて、甲板下からLEDの間接照明で照らされる予定となっています。