Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「都心に住む」 表紙掲載&2号連続掲載

代官山T邸

これまで幾度かお手伝いしたマンションリフォーム事例を掲載して貰ってきた雑誌「都心に住む」(リクルート社)ですが、今回初めて表紙に事例写真を掲載して貰いました!昨年6月に完成していた目白Y邸です。

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それも、都心に住むでは珍しい「新築か中古リノベか」というリフォーム&リノベーションの特集号です。雑誌の広告が新築分譲マンション主体なので、営業的には新築マンションの方が優れていると書きたいところでしょうが、中古マンション購入&リノベーションという流れが大きくなってきているので、無視できなくなっているのではないでしょうか…。

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取材時の様子もブログで紹介しておりますが、編集部の江原さんもライターの長谷井さんもカメラマンの相馬さんも揃って、「気持ちいい!」と褒めてくださった空間でした。築浅で購入した中古マンションをあまり手を入れずにリノベーションした事例の代表として紹介されています。

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こちらはご紹介が遅くなりましたが、先月号の都心に住むです。表紙の左側に小さく「閑静な街に暮らす 欲しかったのは低層マンション」というミニ特集で、代官山T邸が紹介されました。これで2号連続での掲載です。

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都心に住むで2度も取材して頂いていますが、第一回目の取材時第二回目の様子です。巻頭特集ではないので、後ろの方のページで、自分で探しても簡単には見つからない目立たない記事ですが、どうぞ本屋さんで手に取ってお探しください。

 

 

南平台N邸の一年点検&補修

リノベーション

昨年の春に、リノベーション工事の竣工お引渡しをしていた南平台N邸の一年点検に伺ってまいりました。

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いつ伺っても、このようにきれいに暮らしてくださっています。これまでも幾度か雑誌などの取材撮影のためにお邪魔していますが、本当にカッコよいお宅です。お掃除も人を入れず、ほとんどご自身でしていらっしゃるので、点検と事前にお伝えしたところ、最初から使い勝手が悪くなっていた建具や、塗装の傷などをすべてご自身でご案内してくださいました。

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トイレの建具の錠がうまく掛らないのは、建具に歪みが発生していたようです。事前に状況を伺っていたので、建具屋さんに当日同行して貰っていたので、早速建具を取り外して、再調整してもらいました。

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浴室の床にピンク色の汚れ(カビ?)が発生している状況も伺っていたので、有料とはなりますが、クリーニング屋さんにも来てもらい、2時間ほどかけて、丁寧に汚れを落として、ガラス扉のカルキの汚れまでピカピカに磨いてもらいました。

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ウォークイン・クローゼットの天井にある全熱交換機(ロスナイ)のスイッチが赤く光っていることも報告をもらっていたので、電気屋さんにも来てもらい、天井裏をチェックして貰いました。こちらは今回のリノベーション工事で触っていなかった部分ですが、フィルターの交換時期を知らせる警報だったようで、有料でフィルターの交換と機器の洗浄を行うお約束を致しました。

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先日アルフレックスのショールームに別件で伺った際に、こちらのお宅の担当をしてくれた中山さんに会いました。南平台N邸の一年点検に伺うことをお伝えしたところ、リーバのダイニングテーブルのメンテナンスに伺いたいので同行させて欲しいとのことになりました。

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リーバ社の特性のオイルを持参してくれて、早速オイル掛けをしてくれました。ハードに使われているテーブルの場合、まずは汚れを落としてからこのオイルを塗布するそうですが、こちらのテーブルは日常のお手入れがきちんとされているので、軽く汚れ落としをするだけで、すぐにオイルを塗ることができたそうです。家具を大事に使ってくださっていること、中山さんもとても喜んでくれていました。

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ミノッティのソファーも全く他社であるアルフレックスの中山さんが見てくれました。どうしても同じ場所にばかり座ってしまうので、その場所のクッションが歪んでしまうとのご相談に対して、クッションのお手入れの方法を説明してくれました。モルテーニなどの高級イタリアン家具を扱っているので、ミノッティも大体わかるそうです。

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何度も伺っておりますが、これまでにうまく撮影できていなかった箇所を追加で撮影させて頂きました。こちらは造作で作ったリビングの飾り棚です。小物のコーディネートは、お施主のダイレクトのご依頼で、雑誌のモダンリビングにお願いして貰ったものです。

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同じくリビングの窓際のカウンターです。窓台とフラットに続くカウンターで、アートはギャラリークローゼットに依頼して中込靖成さんのアートを入れて貰いました。立体彫刻はベイカー@東京のもので、植栽はモダンリビングさんです。

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ダイニングの扉脇の素敵な鉢に入れられたカポックも、

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ダイニングテーブルの上に飾られた多肉植物の寄せ植えも、モダンリビングのLove Greenというレンタルグリーンサービスでお願いしたものです。モダンリビングのブログでも紹介して貰っていますので、こちらもご覧ください。
通常の一年点検は、点検当日はチェックするだけで、そのあとに当日作ったリストをもとに、また別の補修日程を組んでメンテナンスしてゆくものですが、今回は事前にある程度不具合の箇所のご連絡をいただいていたので、当日中にある程度補修することができました。まだ、ロスナイのフィルター交換や塗装の塗り直し工事が残っていますが、補修を同日に行うスタイルはお施主さまにも便利だと思われますので、これからもなるべくこのスタイルで実行してゆこうと考えています。

 

ライブラリー本棚その他の造作家具設置

六本木N邸

竣工お引渡しまであと少しとなった六本木N邸の現場では、急ピッチで残りの造作家具や建具が取り付けられています。

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最も難しい工事なのが、このライブラリー空間の本棚設置です。天井いっぱいの高さでフィラー(造り付け家具と建築工事の壁や天井との隙間を埋める材料)を最小限にしてもらった上、そこに照明などのスイッチが絡むので、電気の線を通しながら設置してゆくというハードルが高い取付工事です。

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上下二段に分かれている書棚はこのように下段を設置した後、上段を乗せてゆきます。一本で作ってきたものは、折り上げで天井高さが高くなった部分で起こして、平行移動しながら設置してゆきます。

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ライブラリー背面に当たる洗面所のカウンターとメディスン・キャビネットも設置され始めました。メディスン・キャビネットの一番右はここに現場でカラーガラスが貼られるので、下地のままで現場に届いていました。

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ライブラリーと洗面所の間仕切り壁のディテールです。洗面カウンターと背面壁の立ち上がりは同じ厚さの大理石(グリジオ・ビリエミ)を使っているので、このような段差が見えてしまいます。引き込み建具の面に合せて、焼き付け塗装して貰った鉄の板を張って隠してもらう予定です。

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この洗面所の背面には、家具扉で隠した冷蔵庫が付きます。現在日本製では、キャビネットと仕上げを揃えられる冷蔵庫がないので、ドイツ製のリープヘルの冷蔵庫をオーダーしました。キッチンと洗面が離れているので、お風呂上りのビールや栄養ドリンク、美容液などを保存しておくために使いたいとのことでした。

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洗面所はもう一つ奥さま専用のものが寝室隣にあるのですが、そちらのカウンター設置も進んでいます。メディスンキャビネットの下に付けるLED間接照明の電源を電気屋さんが接続中でした。

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こちらにも背面に収納があります。シャワーを浴びる際に脱いだ衣服用の籠や、下着類をしまう引出、リネン等の収納も充実しています。共用の洗面所は灰色ベースのマニッシュなカラーリングなのに対し、こちらは奥さま専用なので、ベージュを基調の優しい雰囲気としています。

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寝室横の家族用トイレにも洗面カウンターが設置されました。壁付けの水栓の取り付け下部部分にはカラーガラスを使っています。DSC_1031_pt

廊下ホールからリビングへのウォールナット張りの特注建具が届いていました。とても立派な作りでしたが、現場側の伝達ミスで、ウォールナットにブラックオイルを二度塗りすべきところを、素地を鏡面に仕上げたものを作ってしまったので、残念ながら持ち帰って、塗装し直して貰うことになってしまいました…。

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大理石張りの廊下ホールの折り上げ天井です。LEDの照明がきれいに回っていることを確認いたしました。

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キッチンにはお施主さま支給の新しい冷蔵庫が届いて、設置されていました。通常のキッチンカウンターの奥行きは65センチで、今回のような大型冷蔵庫の奥行きは73センチでなので、このように揃えるのは難しいのですが、今回は事前にその差分だけ壁を削り取っているので、ほぼフラットに仕上げることができています。

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キッチン入り口の収納家具です。左側部分は鏡を張る予定で、家具のフレームが回っているようなデザインに仕上げるために、このような作りとしてもらいました。

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ダイニング横からみたリビングの工事状況です。天井も折り上げの間接照明も仕上がって、正面のテレビ置き場の造作の打ち合わせの打合せ中でした。冷蔵庫と一緒に施主支給の洗濯乾燥機(ミーレ)も届いていました。

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リビング側からキッチン側を見たアングルの写真です。正面には、左右にある引き戸と高さを合わせた、クロス張りのパネル仕様となっています。折り上げ天井の立ち上がり部分に取り付けた、冷暖房のブリーズライン(吹き出し口)もきれいに隠れています。これだけ広い空間になると、床と天井をきれいな面として表現することがインテリア空間を設計する上での重要なポイントになるので、吹き出し口を上手く隠せたことで空間がすっきり感じられます。

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ダイニングからキッチン入り口の引き込み扉の納まりディテールをチェックしている様子です。表に張ったクロスが灰色で、建具も揃えた灰色なのに、こちらの指示ミスで小壁で白い部分が残ってしまったので、リフォームキューにお願いして手直してもらうようお願いいたしました。

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廊下ホールの大理石壁を照らすアッパーライトの具合を、リフォームキューの岩波さんと確認しました。

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LEDは白熱球やクリプトン球と比べて、輝度が高く、直線に明かりが進む特徴があるので、壁際に立つとまぶしいことが判ったので、上部に置くガラスに半透明のフィルムを張ってもらうこととしました。

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壁に張った大理石・アラベスカートを細く切って、リビングのテレビ下面の幅木に使ってもらっています。白い壁と黒い床を繋ぐ位置にある幅木なので、写真のような白地に黒が混じった色味がマッチしてくれそうです。

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その他、玄関横のシューズイン・クローゼットの靴箱の設置や、

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浴室入り口枠のステンレス付け枠の設置なども進んでいました。設計検査とその後の家具搬入、施主検査が迫っているので、現場の緊張度も最高潮に達していました。