Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

黒いフローリング張り@六本木N邸リフォーム

六本木N邸

六本木N邸では、当初からお施主さまが黒くて幅広でシックなフローリングを使いたいとのことで、色々なメーカー&輸入元から出ている黒いフローリングを調査してきました。

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この写真の左下のフローリング2種類が着工前の仕上げ材決定時に使うことが決まった色味でした。フローリングやのIOCという会社の「サーモオーク40エボニーオイル2度塗り」という材料です。サーモオークとは聞きなれない言葉ですが、特殊な熱処理(燻煙処理)を施すことで、木が炭化され黒くなったオーク(ナラ)材のことです。

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六本木N邸の現場では、ようやくそのフローリング張りが始まっていました。張った個所をどんどん養生していっているのですが、黒でツヤなし塗装なので、どうしても張っている大工さんの足跡がついていってしまいます。

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フローリングが張られた個所の色味を見たかったので、現場監督にお願いして埃を拭き取ってもらった様子です。サンプルで見た以上の迫力で、とても良い具合に張られていました!

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この黒いフローリングが廊下からリビングダイニング、そしてキッチンまで続きます。

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リビングにはマンションの構造の丸柱があるのですが、その丸型に沿ってきれいに張られています。

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大工さんが何度も丸柱にフローリング当てて、型を取りながらテーブルソーで削り出していく、地道な作業です。

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ここでは、廊下正面の大理石壁を下からの照明でテラスための照明ボックス際のフローリングを張ってくれています。アルミのアングル材(直角なL字型の材料)を見切りとして入れて、そこにピッタリとフローリングを寄せて張ってもらっています。

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張る順に養生シートが貼られてしまうので、黒色フローリングの全容を見ることができないのが残念ですが、工事の最終段階で養生を取るときが楽しみです。

 

 

モルテーニの新しいショールーム見学

その他

アルフレックスが扱っているイタリアの高級家具メーカー・モルテーニの新しいショールームが青山に完成したとのこと、オープニングパーティーに伺って参りました。

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根津美術館の並びでB&Bやジャズ・ライブハウスのブルーノートなどが並ぶ通りから少し奥まった個所に新しいショールームがありました。

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モルテーニの家具デザインもしているパトリシア・ウルキオラがデザインした2層吹き抜けになった新しいショールームの空間でした。ハイエンドの家具ですが、ショールームのインテリアは、高級素材ばかりを使った派手な空間では決してなく、素材を上手に使った、モルテーニの家具作りにも通じる丁寧な作りのインテリアとなっていました。

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505という名前のシステム家具シリーズで間仕切られた空間は、シンプルで軽快で家具がとても見やすい構成になっていました。これまではアルフレックスの家具の裏に置かれており、大きさばかりが目立っていましたが、オリジナルなショールームという場所を得たことで、家具自体が生き生きとして見えました。

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スタッフ全員でショールームに伺ったので、担当の小牧さんと記念撮影をさせて頂きました。左からスタッフの竹田さんと前田君、アルフレックスの小牧さんと各務です。
本日は建築&インテリアのプロ向けのオープニングで、あまりゆっくり見学することができなかったので、また日を改めてじっくり見学に伺いたいと思っています。

 

 

高輪の高層マンションプロジェクト-2

高輪P邸

昨日紹介した事例の相方(?)、同じ高輪エリアですぐ横に立つ高層マンションのリフォーム事例です。昨日のプロジェクトはリフォーム後に賃貸に出す予定ですが、こちらは販売することになっているそうです。

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こちらは不思議な間取りで、玄関から斜めの廊下があって、そこから3方向に部屋が展開する構成となっていました。間取り図を見ながらお宅に入っても、自分がどこにいるのか迷子になってしまいそうな空間でした。130平米の広さが活かされていない間取りでした。

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そこで第一に手を付けたのが、その玄関からつながる廊下ホールでした。他の廊下と、この空間の違いを明確にするために、壁と天井、さらには造作家具の扉材あでダークトーンのグレーに張り替えました。暗めのトンネルから、明るい各部屋へと抜けてゆくイメージです。

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眺望という大きな魅力があるリビングにはあまり手を加えていません。ただ、写真の窓際は、以前はテレビ置き場だったようですが、こちらに腰を掛けると斜めに富士山が見えたので、窓際の眺望ベンチ仕立てとしてみました。ウィンドウトリートメントも他の窓のブラインドと種類を変えて、窓枠内に収まるハンターダグラスのシルエットシェードとして、シャープに演出しています。

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眺望のバックグランドとなる背面壁は、従前が壁のガタガタが目立っていたので、濃いベージュ色の壁紙とダイノックシートを使って、一枚の大きな面として見せてみました。
こちらは完成と同時に、不動産仲介会社主催の販売用オープンハウスを開催したところ、購入希望者が見つかり審査もすでに始まっているそうです。ほぼ同じ間取りの部屋が違う階でもは販売されているようで、購入希望者の方は、二つを見比べてこちらを選んでくださったそうです!