Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

床タイル探し@南麻布S邸

南麻布S邸

南麻布の大型マンションリノベーションS邸では、リビング・ダイニグングの床をタイルのボーダー+中央にフローリングを張ることとなっています。

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遮音下地や床暖房との相性、そして床仕上げの全体の厚みなどを考慮して、大理石調のタイルを使うことになり、原宿のアドヴァン・ショールームに伺って参りました。

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アドヴァンには大理石も豊富にそろえているので、タイルと比べて、それぞれのメリット・デメリットをご説明したうえで、大理石調タイルを見比べてさせて貰いました。床フローリングの候補の材料と並べて、そのマッチングも確認しています。

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印刷技術が進んだことで、プロが間近で見ても本物と間違えそうなほど大理石模様のプリント技術が進化しています。ちょっと人気の大理石は、すぐに良い柄が無くなってしまうので、却って大理石調タイルの方が安定した製品が見つかるという設計者もいるそうですが、妙に納得してしまいました。

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アドバンショールームの一角を借りて、お施主さまご夫妻とリフォームキューの石原さん、森井さんと一緒に、まだ決まっていないデザインや材料の使い方などについてのお打合せをさせて頂きました。

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アドヴァンでは一つ良いタイルが見つかりましたが、それだけでは心細いので、他社のショールームも幾つかを廻らせて貰いました。こちらはリクシル系列のダイナワンの大理石調タイルです。

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こちらは、僕らの事務所のご近所にあるコンフォート社の輸入タイルです。実は各社それぞれ、厚みやサイズがマチマチで、ミックスして使うことは難しいのです…。幸いにはそれぞれの建材屋さんで良さそなタイルが見つかったので、サンプルを持ち帰って、次回の打ち合わせで見比べながら、どの色のタイルをどこに使うかを打合せさせて頂くことになりました。

 

 

マンションリフォームの解体手順@広尾Nプロジェクト

広尾N邸

広尾のマンションリフォームNプロジェクトの解体工事が始まりました。

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いつもは、事前に解体範囲を図面で表示したり、現場にて解体するものとしないものをシール張りで示して、解体工事がある程度進んだ所で確認に行くのですが、今回は解体工事の最初から立ち会うことになりました。

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最初に現場に運び込まれた解体道具の数々です。職人さんたちの着替えから、電動道具類、延長コード、バールや金槌などの手動道具類等です。

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まず最初に行われるのが、電気や給排水、ガスなどの設備の切り離しです。その次が、造作家具やキッチンなどの取り外しとなります。設備の切り離しは前日に終わっていたので、この日取り壊しが始まって、約30分でここまで壊されています。

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解体プロセスでとにかく重要なのが、ゴミを混ぜないことです。建設リサイクル法に基づく届出があり、産業廃棄物処理法も厳しいので、解体する手順に合わせて、木くず、石膏ボード類、廃プラスチック類、金属くず、繊維くず、がれき類、ガラスくず・コンクリートなどに分別してゆきます。

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解体が始まってから翌日の状況です。
仕上げ材は、床を剥がしてから、天井のボードを落し、天井下地材を撤去してゆきます。今回は天井下地を吊っているボルトは再利用するので、取っておきます。その後に壁を解体してゆきます。パッと見はゴチャゴチャになっているように見えますが、石膏ボード、木質系ごみ、金属製ゴミ、断熱材は別々に纏められています。

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隣の住戸との境界壁には、なぜか石膏ボードが三重に張られていました。張られた状態では大した量に見得ませんが、剥がすと結構量が嵩むので、廃材代が高くなり、解体業者さんには頭が痛いところなのです…。

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解体しているプロセスで、この部屋のものとは考えられない配管が天井裏を通っていたり、思っていた以上に下地の状況が悪い個所がある事が判りました。ちょうどお施主さまのNさまが来日時でしたので、現地に来て頂き、問題をご説明している様子です。この後、Nさまからマンション管理会社に連絡して貰い、専有部内を貫通している共用設備や、隣の住戸の設備をどのように処理すべきかを相談することとなりました。

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こちらは4つの個室が並んでいた北がの空間です。全ての壁をぶち抜いているので、とても広く感じます。

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玄関入ってすぐの天井裏を通っていた給水・給湯管です(水色の管が給水でオレンジ色が給湯です)。この部分は来客を迎える重要な空間で、なるべく天井高を上げたいので、給水給湯は別ルートを経由することになります。

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キッチンの解体状況です。給水給湯管は無理なルートを通っているので、新しく引き直します。古い配管類が床から立ち上がっているので、これらも処理も考えなくてはなりません。

 

 

 

 

 

 

番町H邸の竣工お引渡し

番町H邸

デザインアドバイススタイルでお手伝いしてきた番町H邸のリフォーム工事が無事終わり、お引渡しとなりました。

これがお引渡し当日の午前中の様子です。造作家具はほぼ組み上がっていますが、床のブルーシートの養生が張られており、まだ完成には程遠い様子のように見えますが…、

養生が取り去られると、ここまで仕上がっていたことが分かります!

本当に広く、伸びやかな空間に仕上がっています!

お客さまご支給のテレビの吊込んで…、

やはりお客さまご支給のミニスピーカを設置した後、アンプやブルーレイなどのAV機器を収納する部分のガラス扉がまさに取り付けられようとしています。

ダイニングからキッチン横へと続く造作収納棚の一部には…、

先回のブログでご紹介したベンチが取り付けられました!

疲れてしばし休憩中の建築家です(笑)…

こちらは仕上がったキッチンです。奥に一直線に伸びる通路があり、それに沿って右側に洗濯機のあるユーティリティーと左側にパントリーが並んでいます。

養生が取れた床には、スカンジナビアンリビングの高級フローリングが伸びやかに張られています。

そのフローリングの上で、梱包を解いたアイスタイラーズのダイニングテーブルを組み立てています。

イロコ材の長さ2.4メートルの大型テーブルです!

やはり先回のブログでご紹介した木製ハンガーバーの取り付けられた玄関周りの収納の様子です。左側の靴入れのトール収納と正面のベンチ&ハンガーバー、そして右側には納戸が組み込まれています。

養生が取られるとこのような玄関周りとなります。靴収納の扉の中央を姿見を兼ねた鏡張りとしています。

玄関横には、このような小物入れがとりついています。ご自宅のカギや自転車や車のカギ、宅急便用のハンコなどをしまうのに便利な収納になってくれるハズです。

左側の黒くモザイクで塗りつぶされている個所が共用廊下ですので、扉を開けて玄関に入ってすぐ左手にこの収納があります。

完成したキッチンの様子です。まだ冷蔵庫が入っていないので、寸法感が分かりにくいですが、奥にパントリー収納とユーティリティーコーナーもある収納力抜群のキッチンです。

因みにこちらがキッチン裏のユーティリティーコーナーです。正面の点検口はテレビ等の配線を後からいじれるようにつけられたもので、その右手に秘密の抜け道があります!

午前中から現場に入って、5時間ほど養生外しや家具組立てのお手伝いをして、ようやくこの段階まで仕上がって、お引渡し手続きへと流れてゆきます。

途中も何度か顔を出してくださったご主人のHさまが頃合いを見計らって取り扱い説明に来てくださいました。

照明スイッチ類のご説明や…、

キッチン壁の造作家具とキッチンパネルの取り合い部分のメンテナンスの注意点の説明や…、

まだ取り付けが終わっていないペンダント照明の位置と、ダイニングテーブルの位置関係などをチェックして頂きました。

夕方になって、カーテンとブラインドの取付けが終わった現場をサッと撮影させて頂きました。

先ほどのお子さま用のベンチです。床のフローリング材を使って作った貰った頑丈な作りになっています。

お引き渡し後ではありますが、僕らが帰る直前にテーブルと椅子を動かして、床フローリングにホワイトソープ掛けをして貰いました。乾燥するのに半日ほどかかるので、明朝に再度リフォームキューの坂本さんに現場に寄って貰い、家具類を元の位置に戻して貰うことになりました。
とても長い一日で、お客さまには大変長らくお待たせしてしまいましたが、とても喜んでくださったことで、リフォームキューも僕らもとても嬉しい一日となりました!