Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

白金N邸の第二期リフォーム計画スタート

白金N邸

昨年末に第一期リフォーム工事を終えていた白金N邸の第二期工事が正式に決まり、設計内容をここまでお施主さまと一緒に詰めて参りました。

130905nakatatei_uchiawase-1

第一期工事では、玄関周りのクロスの張り替えや、寝室のカーペット交換、各居室のカーテン・ブラインド類の取り付けでしたが、今回の計画では、床をフローリングに張り替えて、天井を塗装に変更、壁はパネル仕様とするので、改めて図面を起こすために実測をさせていただきました。

130905nakatatei_uchiawase-2

アルバイトのTさんに測ってもらい、それをスタッフの竹田さんがメモしてゆきます。僕、各務はすべての部屋の写真を撮ってゆきました。

130905nakatatei_uchiawase-8

全体がどうもベタッとした印象だったので、壁をパネル仕様にして、建具や家具の扉と合せてデザインしています。

130905nakatatei_uchiawase-4

工事をお願いすることになっている高級マンションリフォームに強い、品川区のリフォームキューに依頼して作ってもらった壁パネルのサンプルです。左は木目を残したモノで、右は白いペンキで塗りつぶしたモノです。

130905nakatatei_uchiawase-3

お施主様のNさまご夫妻に事務所に来ていただいて、床フローリングと壁パネルを見比べて、確認して頂いています。壁パネルは、部屋ごとに色を変えて塗装することになりそうです。

130905nakatatei_uchiawase-7

リビングの角手前にあるコンクリートの柱は、構造材なのでどうしても撤去できないので、邪魔な柱を設計に取り込んで、小さな読書コーナーを計画することになりました。130905nakatatei_uchiawase-5

色味の打ち合わせは夜の照明の基ではできないので、日程を改めて奥様と打ち合わせをさせていただきました。アメリカにお住まいだった時のご自宅はDIYで壁塗装を楽しんだことがあるNさまは、色を選ぶのがとても楽しいと喜んでくださいました。奥にいるのが、工事の現場監督の岩波さんです。

130905nakatatei_uchiawase-6

玄関ホールは白系統、ラウンジ(前室)は淡いグリーン(ピスタチオ)系統、ダイニングは赤をさしたベージュ色、リビングは黄味をさしたベージュのイメージで、改めて塗装サンプルを作ってもらうこと決まりました。日本のペンキ屋さんの塗装は、あまりにきれい過ぎるので、もう少しアメリカや欧州風に、手で塗った触感が残るように調整してもらうことになっています。
設計内容も詰まってきて、図面も仕上がってきたので、見積りをお願いして、来週には工事契約して、その翌週には着工の予定となっています。

 

 

 

赤坂の高層マンションリフォームY邸の経緯

赤坂Y邸

先月から工事が始まっていた赤坂の高層マンションリフォームプロジェクトY邸を駆け足で紹介いたします。

130904akasakaYtei-01

赤坂と六本木の境界上で、ちょうど尾根筋に沿った高台に建つマンションの21階なので、窓からはアメリカ大使公邸やホテル・オオクラが見下ろせる抜群のロケーションの住宅です。経緯としては、こちらのお施主さまのYさまが、昨年完成した赤坂M邸の Mさまのお友達です。同じマンションをご購入したとのことで、デザインリフォームのお手伝いをすることになりました。
130904akasakaYtei-10

間取り的には大きく変えず、ただ、元が賃貸仕様で少し安っぽく見える個所を手直ししてゆくイメージのリフォームです。赤坂M邸のインテリアを気に入って下さっているので、似たよ うなテイストと素材感で計画しています。

130904akasakaYtei-02

床と正面壁を撤去した、解体時の様子です。築浅マンションは、図面通りに施工されており、また工事もとてもきれいなので、解体工事が始まってからのいわゆる「開けてビックリ」ということが少ない上に、以前下の階の工事をしたことがあるので、安心して解体検査に臨むことができました。

130904akasakaYtei-03

リビングには床暖房を入れるので、下地から撤去していますが、隣のキッチンは床暖に関係なく、仕上げ材のフローリングの張り替えなので、表面を剥がすだけの簡易な解体となっています。

130904akasakaYtei-04

洗面の床を剥がして、床下の配管を現しにした様子です。洗濯機の位置を少しずらし、ビニールタイル張りだった床を大判タイル張りに直します。設備配管はとてもきれいに施工されていました。

130904akasakaYtei-05-2

解体後2週間程経った現場には、荒床(床暖房とフローリングを張る前の床下地)が張られ、壁のライムストーンも張られていました。赤坂M邸では、一面だけの石張りでしたが、こちらでは、3面の壁に石を張っています。

130904akasakaYtei-05

アメリカ大使公邸側に開けた景色が、一つの大きな見せ場なので、その窓を囲むようにライムストーンを張っています。窓上部には梁型をフカして、間接照明を仕込むことになっています。

130904akasakaYtei-08

石と壁紙と梁型の張り分けは簡単そうに見えますが、施工のL社の山碕さんと斉藤さんと綿密にディテールを打ち合わせて、目透しの溝を入れて、違和感なく違った素材が交わるように注意しています。

130904akasakaYtei-06

玄関ホールからリビングへの建具は、物は替えずにダイノックシートの2色張り分けで、デザインをブラッシュアップさせています。この様子を初めてご覧になったYさまとMさまは、建具を作り直したのかと思ってくださったそうです。

130904akasakaYtei-07

玄関ホールの下足入れ、玄関扉もダイノックシートを張って、取手を交換して、見違えるように洗練されてきました。

130904akasakaYtei-09

クライアントのYさまとお友達のMさまが、一緒に現場激励に来てくださいました。未決の項目を確認させて頂きましたが、とても気に入って下さり、もっとこの空間を良くするために、新たなデザイン的な提案をしてくれとのご依頼を受けました。デザイナーとして、とても嬉しいお言葉でした!

3/4検査@広尾I邸

広尾I邸

リフォームアドバイザーとしてお手伝いしている広尾I邸の中間検査に立ち会って参りました。中間と言っても、キッチンのセットアップがほぼ終わり、オーダーのユニットバスも設置されているので、3/4検査といった方がより正確かもしれませ ん。

130830hirooH_chukankensa-1

現在外国に在住中のIさまご夫妻が帰国したタイミングに合わせての現場確認でした。こちらはリビングですが、当初は梁をよけて2箇所は天井を空けて、1スパン分は梁下に合わせてフラットな天井にする予定でしたが、現地を見て頂いた上で、3つのスパン分全てを天井を上げることになり、急遽ボードを撤去して貰いました。

130830hirooH_chukankensa-2

こちらがキッチンの据え付け状況です。お施主さまがご自身で見つけてくださった高級ドイツ製オーダーキッチン屋のキッチンのジーマティック社のショールームの現品処分品だったそうで、格安で手に入れることができたとのことでした。ザッと見たところ、大きな傷もなく、とても良い買い物をなさったことがよく判りました!

130830hirooH_chukankensa-3

かつてはビニールタイル敷きだった玄関は、タイル撤去のあと、シンダーコンクリートを斫ってから、モルタルでフラットに均して貰いました。こちらにはブラウン色の天然大理石を張る予定です。

130830hirooH_chukankensa-4

外国人仕様のヴィンテージマンションなので、浴室が二つありますが、そのうちの一つはオーダーユニットバスの東京バススタイルにお願いしています。タイトな寸法でしたが、きっちり納めてくれていました。

130830hirooH_chukankensa-5

ユニットバスの壁裏で配管されている給水・給湯管です。相当キツキツの寸法で納めて貰っているかがよく判る写真です。もとは在来のタイル張りの浴室でしたが、こちらのタイルを斫ると余分な騒音が発生するので、近隣へのご迷惑も考えて、このような納まりとしています。

130830hirooH_chukankensa-6

主寝室の奥にあるもう一つの浴室は、配管や防水層はやり替えず、既存のタイル上からカチオンタイト(セメント系カチオン性樹脂モルタルの仲介接着用下地調整塗材)を塗って、下地として貰っています。こちらにお施主さまと一緒に選んだユニークなタイルを張る予定です。

130830hirooH_chukankensa-7

主寝室の水廻りは、費用や騒音、そしてスケジュールの事を勘案して、シンダーコンクリートに埋め込まれている排水管は撤去・更新しないことになっています。こちらは浴室手前の洗い場の排水管の錆状況です。赤錆が発生して、水の通路が狭くなっていることが判ります。こちらをワイヤーブラシを使って錆を落とすと、鋳鉄管が傷んで水漏れの原因になる可能性もあるで、お施主様に十分ご説明の上、この状態で新しい洗面カウンターを上に設置し接続することと致しました。非常に難しい判断でしたが、もう一つの洗面と浴室は、排水管を更新しているので、最悪ケースで水が漏った場合でも、そちらを使うことにするとのことで、ご納得して頂くことができました。