Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

AEP塗装下地の作り方

高輪I邸

大工工事がほぼ終わった高輪I邸の現場では、塗装屋さんのAEP塗装用の下地作りが始まっています。

作業はプラスターボード(石膏ボード)の継ぎ目をジョイントテープで押さえ、パテでしごいてゆきます。ボードをLGS下地に留めているビス孔もパテを盛ってゆきます。

パテは乾いた後に紙やすりを掛けてフラットに削り、またそこにパテを乗せて、やするという作業を三度重ねて行い、ようやく塗装の下地が完成しる段取りです。一番上の写真が一度目のパテで、この写真が二度目のパテです。

既に枠の塗装を始めていますが、この天井が三度パテでシゴいた状態です。段々とパテの面積が増えて行くので、最終的には、ほぼ白く塗装したような風合いの下地が完成するのです。

より近寄ってみた塗装下地の様子です。これはまだ二度目のパテです。

水性のAEP(アクリル・エマルジョン)塗料は、日本ペイントのエコフラット60を採用しています。新しいローラーを使っての塗装作業になりますが、因みに水性塗料の場合は、水洗いすることができるので、一日毎にローラーを交換するだけで良いそうです。

同時に、大工工事も最後の工事が進行中です。寝室には、シナ材のヘッドボードが出来てきました。

丁寧な作業でゆっくり進んできた、窓周りの木製フレーム作りも最後の細かい仕上げに入っています。時間が前後しますが、フローリング材の端部をトメ加工にしてもらっている様子です。

こちらが、ほぼ最終的に仕上がってきた木製フレームの全容です。窓際の空間がグッと引き締まってきました。

広尾ガーデンヒルズのリフォーム相談

リフォーム

ヴィンテージマンションで名高い、広尾ガーデンヒルズのマンションを購入なさったお客様より、リフォームの相談があり、夜の現地に伺って参りました。

広尾ガーデンヒルズ 現地調査-1

広尾ガーデンヒルズ(略称:広尾GH)では、これまでも何度かリフォームのご相談がありましたが、スケジュールや費用の問題で具体化してきませんでした。今回は変則的ではありますが、スピード感を高めるため、リフォームが得意な工務店と組んで、急ぎのスケジュールでどこまでご提案できるかにチャレンジしてみることにいたしました。

広尾GH 現調-2

築25年ほど経っているので、一般的に考えると老朽化マンションといわれてしまう古さですが、住人の方々の管理意識の高さに支えられた素晴らしい管理体制と、当初から計画されていた植栽計画が順調に育ち、緑に満ち溢れた快適な環境が、ビン神話的に(?)価値の下がらないビンテージマンションとして名を挙げた理由なのでしょう。

お施主様は具体的なリフォームのイメージを持っていらっしゃるので、すべての空間を一緒にまわりながら、何が可能で何が不可能か、またコストパーフォーマンスも含めてお話しさせていただきました。写真は、既存の床置きエアコンを交換することが可能か、カーペットをはがして、床下地がどのように作られているかをチェックしている様子でです。

広尾ガーデンヒルズ 集中管理センター

こちらは昼に伺った、集中管理センター(いわゆる管理事務所です)。本日伺った棟は、昨年度から今年にかけて、給水と給湯、さらに排水管も一新されているのですが、こちらは、竣工当時の図面から、その水回り改修の図面まできちんと管理されており、きちんとした手続きを踏めば、すべての図面をコンピューターで見て、プリントできるようなシステムが構築されています。これまでも色々な高級マンションのリフォームをお手伝い指摘ましたが、ここまでシステマチックに図面やリフォーム状況が管理されているマンションは見たことがありませんでした。

フラット幅木の納まり

高輪I邸

高輪I邸の工事現場は高速進行中です。無垢のナラ材を白く染色塗装した幅木を、ほぼ全て12.5ミリのプラスターボード(石膏ボード)とフラットに仕上げて貰っています。フラット幅木は面巾木(ツラハバキ)とも言われます。

フラット幅木の納まり

ボードと幅木の間には、プラスチック製塗装用の見切り材を挟んでいます。

見切り材は、創建の34056を使って、3ミリの目透かしを入れています。

先般、壁下地としてのLGSのメリットを書きましたが、今回のように、裏地なしで幅木を取り付けようとすると、LGS下地では頼りない状態なので、写真のように木の下地をLGSに挟んでもらっています。

ほとんどの建具が、枠なしの引き込み扉で、おまけに段差もあって、面倒な幅木の納まりですが、大工さんたちが丁寧に仕上げてくれていました。

ウォークイン・クローゼットに光と取り込む、嵌め殺しの欄間窓の枠も、同じ見切り材を使って、目透かしに収めて貰っています。

この写真は、事前に楢材の幅木を染色して貰っている様子です。余り白くすると、不自然なので、オスモの白を薄めて一度塗りした状態で使うことにしました。

目透かしの部分が後で覗きこめてしまうので、取付け前にすべての幅木を塗装しておく必要があります。今回の工事をお願いしている工務店の駐車場で塗装屋さんに塗って貰っている様子です。