Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

壁の羽目板張り

伊豆OK別荘

伊東にある中古別荘の工事現場の報告です。本日も笠原君が一人で現場を確認してきてくれました。
この別荘リフォームでは、インテリアに羽目板を採用しています。羽目板(ハメイタと読みます)とは、壁面に木の板をつなげて張ったもの、あるいはその材料のことをいいます。縦に張るか、横に張るかで見栄えが異なり、材料の色見やフシのあるなしでも大きく違い、さらに接続部である実(サネ)の形状によっても、見た目がガラリと変わってくるので、張り方の仕様も重要なポイントです。

レッドシダーの羽目板

今回は、羽目板としてウェスタンレッドシダーを採用しています。これまでも、箱根C別荘リフォームでも使ったことがありますが、比較的フシが少なく、色のムラも少なく素直な材料なので気に入っています。今回は特注品で、羽目と羽目の接合部の溝の大きさが最小になるように、面取りの寸法を極小にしてもらっています。
張り方に関しても、普通であればはきちんと枠を廻してその中にレッドシダーを張ってもらうのですが、今回は周囲の枠をなくして、レッドシダーの小口を見せるデザインとしています。

羽目板の小口納まり

この写真をよく見てもらえると、右側表面に張ってあるレッドシダーの小口が見えてくると思います。枠なしなので、開口の上部をどう納めるかも、笠原君に、十分に検討してもらいました。大工さんたちにとっては、逃げのない、大変な納まりだと思いますが、その分シンプルできれいなディティールになってくれるハズです。

ショールーム見学-7 カーテン

白金台S邸

現在工事進行中の、マンションリノベーション、白金台S邸のカーテン・ファブリック類を検討中です。先回のコラムでも書きましたが、部屋のインテリアをしつらえとして捉えると、カーテンやケースメント(レースのカーテン)、それにラグ(床敷物)といったファブリック類は、建築工事の床・壁・天井と同等の重要なアイテムです。

特に寝室やサイズが”コンパクトな部屋”では、直接肌に触る可能性のあるファブリックの重要度は増してきます。色や光沢と言った見た目だけでなく、肌触りや耐久性を確認して、さらに大きな布地で部屋をイメージしてもらうには、ショールームに行くしか方法がありません。

部屋の建築的要素(床材や壁の色サンプル、造作家具の色見)を机に並べ、その上に候補となるカーテンをかざし、図面で部屋の大きさや使い勝手を説明して、お施主様にインテリアの様子をイメージして貰いながら、色々なお話をしました。

カーテンのショールームも沢山ありますが、カガミ建築計画好みで、これまでも幾度か採用したことがある、川島織物セルコンにお邪魔してきました。今回は、カーテン・ケースメントは川島織物で、ブラインド類はハンターダグラスでお願いしようと考えています。

寝室のしつらえ

白金台S邸

本日は、お施主様が久しぶりに工事現場見学に、来てくださいました。写真はご夫婦の主寝室の様子です。ヘッドボードなしのベッドマットだけを購入することになったので、壁にヘッドボードを建築工事でセットすることになりました。

寝室リフォーム

シナベニヤという一般に普及している材料ですが、継ぎ目の目立たない、きれいなシナ材を入れてもらいました。枠の部分も、同じシナで廻して貰っています。同じ材料を下がり天井部分にも貼って、凹んだニッチの部分を、優しい白木で囲んだイメージとしています。

タイトルを「寝室のしつらえ」としましたが、この「しつらえ」とはどういった意味でしょうか?建築的には、「空間や部屋の演出方法」という意味で使われることが多いようです。ここでは、建築の演出方法だけでなく、

  • 朝ベッドで目覚めた時に、どのような”景色”が目に入るのか、
  • 休日に、ベッドでまどろんでいる時の”光の様相”、
  • 夜寝る前に、ベッドで本を読んでいる時の”周りの雰囲気”、

このようなシチュエーションを考えて、「しつらえ」という言葉を使ってみました。

従って、建築工事だけでなく、どのようなベッドを入れて、どのような”リネン”を使い、枕やお布団にまで気を使い、カーテンやブラインドの素材や色は勿論、家具や”照明”、”置かれる小物”や、飾る絵画・調度品まで、お施主様とご相談しながら、考えて行きたいと思っています。とはいえ、計画がガチガチにされた余裕のない空間ではなく、季節や気分に応じて、簡単に”雰囲気”の変えられる、懐の深いインテリアを目指しています。