Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

デザイナーズリフォームEXPO訪問記

見学記

東京ビックサイトで開催されていた「デザイナーズリフォームEXPO」に視察に行って参りました。大手のリフォーム会社や、ライバル(?)に当たるデザイン事務所、施工会社などが沢山展示しており、数多くのパンフレットや資料を貰ってきました。勿論、ライバルだけでなく、今後仕事で一緒に組んで行ける会社や、システムがあるかも知れないと思っての意図があっての見学でした。どの会社もデザインリフォーム、或いはデザイナーズリフォームに力を入れているようで、ライバルひしめく戦場の厳しさを改めて認識してきました。

同時開催中の「スタイルハウジングEXPO」では、昔からの友達に呼び止められました。現在は設計施工会社の代表取締役で、系列会社の不動産部門とと一緒に出展しているとの事でした。

この友達と会うのは十数年ぶりでしたが、お互いの近況や、共通の知り合いの動向を報告しあうことできて、ライバル視察のハズが、最終的には仕事を離れたとても楽しいひと時になってしまいました。

端正な外観と、豊な内部空間

見学記

大先輩の建築家、久保田章敬さんが設計した建物、ビクトリノックス本社ビルが完成したとのことで、見学会に伺ってまいりました。西麻布の丘の上の落ち着いた住宅街の中にひっそりと建つRC造の建物でした。全体に低めに抑えたスケールの外観で、ガラスの皮膜を、白い梁が隠すような構成で、実に端正に佇んでいました。使われている素材も、白い壁とコンクリートに加え、オフィス建築では珍しい大谷石や、乱張りの鉄平石などがあることで、不思議に周囲の住宅街に馴染んでいました。

ヴィクトリノックス本社外観

内部に入ってみると、外部の端正さからは想像が付かないほど、豊な空間が展開していました。ダブルスキンの間を抜けるような、建物横の通路から玄関に至るアプローチがまず意外でした。四角が二つ重なったような平面構成で、ガラスの外にまた、建物があるようで、プランで確認すると、とてもシンプルな建物なのですが、歩いて見ると自分がどこに居るのか迷ってしまうような錯覚を受けました。

階高も微妙に変化し、鏡かと思えばガラスの壁だったりと、多様な景色が展開し、久しぶりに本物の建築を
堪能致しました。普段、住宅建築ばかりを設計しているので、あまりオフィスを見学することがありませんでしたが、とても刺激に満ちた、面白い建築を見ることができました。
設計担当の大野君は、早稲田大学芸術学校での四年前の教え子でしたが、法規や構造の問題やディテールに至るまで、あらゆる質問にもきちんと対応してくれる、頼りがいのある設計担当者に育っていました。久保田さん、大野君、素晴らしい建物の完成どうもおめでとうございます。

建物の品格

見学記

仲良しの建築家須田充洋の設計事務所、SUDA設計室が設計した集合住宅の見学会(オープンハウス)がありました。奥まった住宅地の中の、コンクリート造の四階建て賃貸マンションでした。スッキリとしていて、優しい雰囲気の内部空間と、きちんと構成されたカチッとした外観が印象的な建物でした。

普段は、細かい箇所まで設計の手を緩めない須田さんですが、今回は規模も大きく、大まかに設計しているようでしたが、却ってそのことで空間の骨格が素直に見えて、とても品の良い建築空間になっているように思われました。

自分たちが設計した建物は、お施主様の想いや予算の限度、敷地の条件や法規の問題、構造や設備のルールなど、あまりに色々な条件が重なり、中々客観的な評価をすることが出来ないものです。今回のような友達が設計した建物を見学すると、純粋に建物を使う側の人として、空間の気持ちよさや、使い勝手のよさ、そして大げさにいえば、「建物の品格」まで感じることができます。信頼する仲間であり、刺激を受けているライバル(?)でもある建築家の建物を見学することで、色々なことを考えさせて貰うことができました。