Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新緑のお風呂 軽井沢中古別荘リフォーム-14

軽井沢Y邸

先週末、新緑が美しい軽井沢Y別荘にスタッフの穂坂君と一緒にお邪魔してきました。現在、老舗の別荘雑誌「リゾート物件情報」に連載中の「中古別荘のリフォーム」についての取材・写真撮影のためです。

軽井沢別荘の薪ストーブ

日曜日の夕方に東京を出て、約2時間半ですっかり暗くなった軽井沢に到着しました。暖炉に火をくべて、夜食を用意して迎えてくださったY夫妻と、リフォームの苦労話しに花を咲かせて、すっかり夜が更けるまで話し込んでしまいました。暖炉の火を見ながら、時間を気にせずに話し、すっかり気持ちがリラックスできました。別荘の気持ちよさをご夫妻に感謝され、この別荘リフォームのお手伝いできた事の喜びが、またしみじみと感じられました。

新緑のお風呂@軽井沢

きれいに晴れ渡った翌日は、何より先に新緑が眩しいお風呂に入らせて頂きました。小鳥のさえずりだけが響く緑の中で、窓を全開にして頂くお風呂は、仕事の疲れをサッパリと流してくれ、まさに心の洗濯といった感じです。軽井沢の食材が満載の朝食をご一家と一緒に摂った後、いよいよ写真撮影を開始致しました。Y夫妻とワカちゃん、セイ君が生き生きと別荘を使っている様子の写真は、次回ご紹介致します。

廊下の役割とディテール 高輪M邸-10

高輪M邸

高輪M邸の廊下を紹介いたします。写真を見ていただくと、高級マンションの共用廊下のように見えますが、実はこれが個人邸の内部廊下なのです。マンションも150平米を超える広さになると、間取り的に廊下のあり方が変わってくるようです。
一般にマンションでは、廊下は最も無駄な空間とされています。廊下の分の面積をなるべく少なくコンパクトにして、その分リビングやダイニング、居室を広くするのがマンション・プランナーの腕と考えられています。

廊下の役割

しかし実際は廊下は決して無駄な空間ではありません。プライベートとパブリックを分離する役割を持ち、間取りに奥行き感をもたらすものなのです。特にこの高輪M邸のように、各部屋が違った雰囲気を持ったマンションの場合、廊下の存在がそれぞれを纏め上げているといえるのです。因みに、判りにくいですが、この廊下には防火扉がありますが、扉にも廊下と同じ仕上げをしているので、ほとんど目立たないようになっています。

廊下のディテール

この写真は廊下、玄関に共通で使用しているウォールナット腰壁、建具枠の装飾ディテール(詳細)です。無垢材と突き板を凝ったモールディングで纏め上げています。コンセントも堀金物の金属製プレートを採用し、違和感がないようにしています。廊下の巾が110センチもあるので、このような重厚感のある詳細が生きて来るのでしょう。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。

赤い塗装色と塗装用クロス 高輪M邸-9

高輪M邸

今回のマンションリフォームでは、各部屋毎に特別な性格(キャラクター)を持たせています。そしてこの書斎の特徴は、壁仕上げの赤色となりました。といってもただの赤色ではありません。英国製塗料「Farrow & Ball(フォロー・アンド・ボール)」のピクチャー・ギャラリー・レッドという色を使っています。

赤い書斎

塗料の色番の名前からも判ると思いますが、実はこの赤はクラシカルなギャラリーや美術館で使われる色なのです。照明によって赤にも赤茶にも見え、床のローズウッドのヘリンボーン張りフローリングやチーク製の家具とも良くあっています。そして不思議なのですが、とても落ち着く色なのです。

塗装用クロス

また、この印象的な赤色がベタッと見えないように、塗る前に壁下地用クロスを張っています。日本では、ルナファーザー社の製品が有名ですが、パターンが画一的なので、今回はイギリスのAnaglypta(アナグリプタ社)のStarling RD5002という壁紙を採用しました。写真のような特殊なパターンの凹凸が、微妙な陰影を生んでくれるのです。

書斎の特注オーダーDVDラック

この書斎は所謂普通の書斎ではなく、絵画のギャラリーでもあり、お施主様が趣味でコレクションしているDVDの書庫にもなっています。写真の造作家具は’特注オーダー品で、ウォールナット突板仕上げのDVDラックとなっています。内部に間接照明を入れ込んでいるので、DVDのタイトルが格子戸の外からでも確認できるようになっています。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。