Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

和風住宅リフォームの解体

日本家屋リフォーム

昨夏ご紹介した、かつて和風旅館だった風格のある住宅をリフォームするプロジェクトですが、ゆっくり設計を進め、ようやく工事が始まることになりました。

古民家の床下構造

工事開始と同時に、床の畳を剥し、床下を開けてみたものが、左の写真です。どうですか!この床を支える材料(大引きといいます)の太さ。実測してみた所、太い箇所では32センチ(!)もありました。普通の民家であれば、屋根を支える梁として使っても、全く遜色ない立派さでした。

巨大な大引き

なぜ見えない床下に、こんなに立派な材料を使ったのかは不明ですが…。大引きの立派さには似つかわしくないひ弱な束は補強し、一部腐っている柱はジャッキアップし、新しい柱材で継ぎ。
同時に床のタワミも補正してゆく手筈になっています。
家を支えている基礎ともいえる部分をしっかりと補強した上で、今後の工事を進めやすくするために、床のレベル(平行性)を確保してゆく予定です。

玄関リフォーム 収納の工夫

その他

これまで設計してきた事例の中から、玄関周りの収納、造り付け家具、手摺などの工夫を紹介致します。玄関の収納でよく設計者が苦労する事の一つが、靴とコートをどうやって一緒に収納するかという点です。両者の収納の奥行きが違うので、一緒にデザインするのが難しいのです。ここで紹介している代々木上原N邸リフォームでは、来客用のコート掛けを工夫した事例です。
フラワーアレンジメント教室の玄関としても使うこの空間には、多いときには一度に5〜6人もの来客があります。冬のロングコートを人数分だけ収納するとなると、とても大きな収納が必要になります。かといってコートを必要としない時期や来客がいない普段は、それだけのスペースを収納として確保するとなると、犠牲も大きすぎます。

そこで工夫したのが、写真のようなバーです。左右には靴とスリッパを収納する造作家具を作り、その中間に上下2本の木製のバーを通しています。ロングコートであれば上段のバーに掛けると、約6着が掛けられるだけのスペースが空いています。

玄関リフォームの工夫

コートを掛けると、写真のように出張った形となりますが、一度に沢山のお客様が来ても、混乱はありません。また、雨の日には下段のバーに傘を引っ掛ける事も可能となっているのです。使っていないときは、何かを飾る事もできる、ちょっと不思議な空間になっています。

アートと暮らす BRIO記事

ニュース

先日取材して頂いたた男性生活誌「BRIO(ブリオ)(光文社)」の記事が発売されました。「アートは人を幸せにするか」という特集の中で実際にアートを購入したり、集めたりしている人の一人として証言させてもらっております。僕と妻とで持っているアート、美術作品の数は本当に大した事がありません。それでもアートを鑑賞したり、アートについて話したり、アートを集める事に興味を持っていることは事実ですので、それらの体験からの話をさせてもらいました。

インタビュー記事の中で、一番伝えたかった事は、美術館で他人のものとしてのアートを鑑賞しているのと、自分で購入したアートを、生活の一部に取り込みながら暮らしていることの違いです。身構えてアートと対峙した場合、好悪を表明したり、何らかのコメントをしなくてはならない気持ちになってしまい、どうしても堅苦しい関係になってしまうものです。
それが生活のシーンの中にあると、もっと気軽になるのです。気持ちよい休日の朝に眺めてもよいし、仕事帰りの疲れた状態でチラリと目を配るっても良い…。

アートと暮らすと、自分のその時の気分や考えていることが投影されてゆく気持ちになるのです。

特集には有名人も含む色々な方々が、それぞれの視点でアートについて語っています。読み応えがある特集ですので、どうぞ手にとってご覧下さい。