Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションの折り上げ天井について

白金台S邸

白金台のリノベーションマンション工事は、現在天井の下地を組んでいる最中です。最近の高級マンションの天井は、最大天井高さを数字として示すために、折り上げ天井を多用することが多いようです。

新築マンションの広告で「最大天井高さ2600!」などと謳っているものです。

部屋の中央にそれだけの天井の高さが確保はされているので、数字上はウソはありませんが、体感できる天井の高さはどうでしょうか?間接照明付きの折り上げ天井があると、パッと見は華やかですが、いざ家具をレイアウトしようとすると、部屋の中心が天井と床面でずれてしまい、気持ち悪さを感じてしまいます。

カガミデザインリフォームが提案するシンプルモダンなインテリアは、天井と床をすっきり見せることが重要なポイントだと考えています。天井と床は生活のシーンを映す、バックグラウンドとなって欲しいからです。そこで今回は、全ての折り上げ天井を中止し、さらに間接照明もほぼ中止しています。

その代わりといってはナンですが、埋め込みのダウンライトや、天井とフラットに見える特注の埋め込み照明を設置する予定です。

以上の設計方針に基づいて、現在全ての折り上げ天井をつぶすべく、新しい天井下地を組んで貰っています。折角の天井の高さをつぶすようで、もったいない気もしますが、お客様が望まれるシンプルモダンな空間を実現するためには、必要な工事なのです。

排水管の振り回し

白金台S邸

今回のリノベーションで、水周りの位置は大きくは変わらないのですが、すこしづつ便器や、洗面の位置を変えています。大きく位置が変わる場合は、床を全面剥がして、スケルトン状態にしてから、ほぼ全ての排水の配管経路をやり直せます。ところが、意外と面倒なのが、今回のように、すこしづつ動かすことです。

必要な箇所だけ、床を剥がして工事をするのですが、もう少し、もう少しと剥がしてゆくと、復旧が大変になるので、事前によく現状を把握し、打合せを密にした上で、工事に入ります。本日は、勾配を考えながら、無駄な遠回りをせず、上手く配管できるルートを、水道屋さんと打ち合わせて参りました。

洗面台の下には、大きなヘッダーが隠れていたので、これも床下に押し込みます。この場所は、ウォークイン・クローゼットになるので、床下に押し込んだ上で、床点検口を設け、将来のメンテナンス用に備えています。

現場が同じ白金台の町内と近いので、ほぼ毎日通って、監理できるのはありがたいことです。

リノベーション 電気工事も同時進行中

白金台S邸

白金台のリノベーションプロジェクトは、大工工事と同時に、電気工事も進行中です。新築工事でも、リフォーム工事でも、一番長い時間現場に関わる職方は、大工ではなく、電気屋だと言われています。

今回のリノベーション工事でも、まず解体前に電気の接続を切るところから始まり、照明やコンセントの配線振り回しと、一番頻繁に現場に顔を出してくれています。そして恐らく最後の照明取り付けや、各種設備の接続と、最後まで電気工事は続くことになりますので、やはり一番長時間現場に関わって貰うのは、電気屋さんになりそうです。

 

現在進行中の電気工事は、照明用の配線やり直し工事です。写真の通り、既存の照明器具を取り外した天井の穴から、配線を取り出し、新たに照明を設置する箇所へ”延長”したり、スイッチの位置との関係で結びなおしたりといった、複雑なパズルを結ぶような作業となっています。

既存の配線を全て撤去して、新たに配線をやり直した方が、作業的には楽なのでしょうが、使えるものはなるべく使い、なるべく廃材を少なくするという設計方針なので、面倒な作業をお願いすることになりました。

現場に珍しい物が置いてあったので、写真に撮らせて貰いました。カラフルな収納ボックスの中に入っていたのは、各種接続用のジャックでした。