Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

大工の腕の見せ所 お茶室リフォーム-4 

お茶室リフォーム

床柱を据付がぶじ終わり、入口部分の框や隅柱の加工中です。手刻みで、柱の丸い型に合せて柱を加工している所は、最も神経を使う工事です。失敗してしまうと、高価な柱が無駄になってしまうという緊張感の中、大工の伊藤さんの腕は見事でした。

現場でこのような道具を見つけましたので紹介します。不整形な形の型をとる道具なのですが、このような道具を使いながら、少しずつ削り合わせながら調整して組み立ててゆくのです。

入口部分、踏み込みの上に掛かる庇ができてきました。今回のリフォームでは、洋館の中のお茶室と言う事で、洋風扉の内側に庇が作り出す雰囲気は最も気を使って設計した箇所です。室内なのに、一度外に出たうえで、再度お茶室に上がるような印象を与えたいのです。

柱、軒桁、垂木は杉の磨き丸太を使用しますが、丸材ばかりの木組みは定規が使えず、とても難しい大工の腕の見せ所です。

別荘と普通の住宅の違い 箱根別荘リフォーム

箱根S別荘

別荘と普通の住宅の違いは、その絶対的な必要性にあると思いますが、いかがでしょうか?つまり別荘がなくても日常生活には支障がありませんが、あることで生活が大変豊かになるものと考えています。老朽化して使いにくくなった別荘をリフォームするなら、都会の住宅と似たようなリフォームをするより、別荘の特徴を思いっきり伸ばす事が出来れば、精神的な豊かさを更に活かしてゆくことができると思いませんか?
週末や休みの期間だけ特別な気持ちで使う別荘のリフォームで、耐震や水廻り(お風呂は別として!)、バリアフリー化等にお金を掛けることが少ないのは、上記の理由によるのでしょう。S様の場合、つい最近キッチンや浴室にこだわった住宅を都心に新築したばかりだったので、箱根の別荘のリフォームでの特徴は顕著になりました。

つまり、庭と室内の繋がりにほとんど全ての予算をつぎ込み、あとは老朽化して使えなくなっていた設備配管の刷新に費用を掛けたくらいです。この思い切った割り切りで、期間も短く、リーズナブルな費用でのリフォームが可能になりました。

箱根別荘でのBBQパーティー

昨年夏にリフォームが完成しましたが、そのお祝いは、関係者を呼んでのバーベキュー・パーティーでした。僕らの事務所のスタッフ全員も招待していただき、時間を(締め切りも?!)忘れて、子供たちと庭で遊びながら、BBQを楽しませていただきました。

別荘ライフの醍醐味

これこそ別荘ライフの醍醐味ですね。

床柱登場 お茶室リフォーム-3 

お茶室リフォーム

お茶室リフォーム工事も開始早々に、早くも主役級の役者が登場してきました。

お茶室の床柱設置

既存のゲストルームの壁と床の上に、新しい壁や床を作る為の下地を組んでゆきます。現場にはこれから取り付けられる、杉の面皮柱が出番を待っています。他の材料たちも銘木屋から納入されて来ています。使う木の種類や仕上げによって、お茶室の格や使われ方が変わってくるので、ここからの工事は細心の注意が必要です。今後僕らの設計を、大工の伊藤さんがどのように組み立ててゆくのか楽しみなところです。

赤松皮付き床柱

そして、いよいよ真打、床の間の床柱が登場です。床柱は特別な役割を持ち、室内で最も目立つ位置に立ち、茶室の雰囲気を左右する最も重要な要素です。写真は珍しい赤松皮付き丸太床柱の底面です。長年大事に育てられた銘木だけあって、とてもきれいな年輪をしています。バウムクーヘンというお菓子がありますが、余った材を輪切りにして見るとすごく似ていて、よく命名したものだと比較しながら、大いに感心いたしました。