Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リフォームコンクール優秀賞受賞! お茶室リフォーム-17

お茶室リフォーム

ずっとこのシリーズで掲載してきた高輪・S邸茶室のリフォームが、財団法人リフォーム・紛争処理支援センター主宰の第23回すまいのリフォームコンクールで優秀賞(居室部門)を受賞いたしました。お施主さまのS夫妻、そして施工を担当した小宮工務店の伊藤さん、どうもありがとうございました。

リフォームコンクール優秀賞受賞

これまで、住宅やリフォームの設計は、お施主様が満足してくだされば、それ以上何も必要ないと思っていました。しかし、日本のリフォームの現状を知れば知るほど、まだ日本にはリフォームという文化が根付いていないことが実感できました。床や壁紙を貼り替えたりする模様替え的なリフォームと、間取りや使い勝手にまで踏み込んだデザインリフォームが、同じ土俵で語られている現状には、問題があると思っています。

このコンクールに毎年応募する事で、自分達なりのリフォームの考え方を世に訴えかけてきた積りですので、この受賞は何よりの励みになります。これからも「建築士が真剣に取り組むリフォーム」をモットーに頑張ってゆきたいと思いますので、応援の程、どうぞ宜しくお願い致します。

スケルトンリフォーム 軽井沢中古別荘リフォーム-05

軽井沢Y邸

 

軽井沢のY山荘もようやく工務店が決定し、解体工事も始まりようやく一段落してきました。僕らも久しぶりの現場でしたが、山荘に入って、構造だけが純粋に残された、骨組みだけの清々しい姿にしばし絶句です。以前は壁や床、天井を剥しながら確認した構造を担う骨組みが、ここまで露になっていると、屋根の荷重(かじゅう)が各部材をどのように伝わりながら基礎に伝わってゆくかが、目に見えるようです。デッキからの光が奥まで入り込み、窓を開けると風が通り抜ける空間は素晴らしいもので、お寺の内部空間を想像させますね。

この古びた、こじんまりした姿をお施主様が気に入って、リフォーム後も保存して再使用することになっているトイレの扉がポツンと残されてます。ただ、この素晴らしさは、冬になると寒さに、地震があると弱さに繋がりますので、今回の工事では壁の中に、空気の流れを損なわないように断熱材を入れ、その上から構造用合板でしっかりと留め付け、構造補強の役割を持たせます。

スケルトン状態の中古別荘

古い別荘をリフォームするには、これくらいまで構造を露出させ、建物の根本から手を入れてゆく必要があるのです。

広いリビング-キッチンとデッキを取り込んで

戸建住宅リフォーム

光文社の女性誌「STORY」の11月号に戸建リフォームの事例が2つ掲載されました。特集のタイトルは「部屋を増やすリフォーム、減らすリフォーム」、副題が「家族のあり方とともに家も変わっていいんです」というインテリアの特集に事例が掲載されました。まず一つ目が、新宿区のS邸です。記事の内容は本屋で確認して頂くとして、雑誌で紹介できなかったエピソードをここでは書きます。

実はこちらのお宅のリフォームのお手伝いは2度目なのです。5年前のリフォーム時には、二つに分かれていたお宅を渡り廊下で繋ぎ、お風呂を移設し、部屋の用途を将来を見込んでシャッフルいたしました。造作家具も作りましたが、こちらも将来の事を考えて、移動できるような取付方としておきました。そして今回のリフォームですが、5年前に考えていたことの延長としてのリフォームなのです。手を付けていなかったキッチンや子ども部屋を、家族のあり方に合せて、手を入れて行ったのです。

無駄を嫌うお施主様にあわせ、使える物は徹底的に再利用し、工務店からも「ここまで頭を使ったリフォームは始めてだ」と褒められて、嬉しかった記憶がよみがえって参りました。