Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

玄関リフォームの小さな工夫-2

その他

R邸リフォームでは、2階寝室から外に出られる物干しを玄関アプローチの上部に作りました。物干しに降った雨水をどう処理するか悩んでいたころ、お施主様からは雨水を何とか庭の水遣りに使いたいとのご要望がありました。そこで二つの問題を合体させて、雨水を流す樋下に受鉢を設置し、溜まった水を庭の水遣りに使うように考えました。アプローチの壁も、受鉢の置く位置に合わせて欠き込んで、ちょうど嵌った形になっています。ボウフラが沸くのを防ぐために、金魚を飼って、視覚的にも遊びがあり、機能的にも無駄のないデザインができました。

元々外部と1階床の高さの差が大きく、これを何とか解消したいという事も、リフォームの一因でした。そこで玄関を外に拡張した事にあわせて、中段にもう一枚床を挟んで、2段の玄関框としています。わざと段違いが目立つように、違う色のフローリングを貼って、視認性を高めてみました。

先週お呼ばれで、R邸に伺って参りましたが、他の来客の方々からも「客としても招かれ勝手が良くなった」との不思議なお褒めの言葉を頂きました。

天井仕上げと扁額 お茶室リフォーム-9 

お茶室リフォーム

先日貼り始めた杉杢目板の天井板が張り上がり、竿縁の晒竹(さらしたけ)が取り付けられました。通常であれば、天井板は屋根裏から釘で留めるので、釘が見えなくなるのですが、今回の場合、屋根裏が無いので、室内側から釘を見えないように天井板を貼るのが大変な作業だったそうです。

室内茶室の天井張り

大工の伊藤さんが持っているのが、お茶室の席名を記す扁額(へんがく)です。タモの皮付き材で、工務店からのプレゼントです。

扁額

これからお施主様が、知り合いのさる書道家の先生にお願いして、茶室席名を筆して頂くことになっています。

玄関リフォームの小さな工夫-1

その他

R邸の玄関と外構のリフォームで、工夫した幾つかのポイントを紹介します。由緒正しいR家では、代々ご先祖さまから使われていたステンドグラスの丸窓がありました。引越し以来しばらくしまってあったこの丸窓を、拡張した玄関ホールに飾ることにしました。

といってもステンドグラスは後ろから光が当たって、初めて見えてくるものです。ちょうど隣家との間にある玄関には、模様を映し出すほどの光は差し込みません。そこで考えたのが、外部からステンドグラスに照明を当てて、室内の明かりとして利用することでした。訪ねてきたお客様には見えにくいのですが、お帰りの際は正面にステンドグラスが見えてくる仕掛けとなりました。

お客様が多いR邸では、いつもお客様の傘立てに悩んでいました。普段は目立たなく、いざと言う時には役立つデザインの工夫をということで考えたのが、ステンドグラスの下の小さな棚です。玄関に文字通り花を添える花飾りと印鑑をしまう小棚を兼ねたこの造作家具に、手摺状のバーを取り付けました。これが雨の日には傘掛けとして役立つ仕掛けになっています。目立たないのに、意外と多くの傘が掛けられるとR様も喜んでくださいました。