Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

床柱登場 お茶室リフォーム-3 

お茶室リフォーム

お茶室リフォーム工事も開始早々に、早くも主役級の役者が登場してきました。

お茶室の床柱設置

既存のゲストルームの壁と床の上に、新しい壁や床を作る為の下地を組んでゆきます。現場にはこれから取り付けられる、杉の面皮柱が出番を待っています。他の材料たちも銘木屋から納入されて来ています。使う木の種類や仕上げによって、お茶室の格や使われ方が変わってくるので、ここからの工事は細心の注意が必要です。今後僕らの設計を、大工の伊藤さんがどのように組み立ててゆくのか楽しみなところです。

赤松皮付き床柱

そして、いよいよ真打、床の間の床柱が登場です。床柱は特別な役割を持ち、室内で最も目立つ位置に立ち、茶室の雰囲気を左右する最も重要な要素です。写真は珍しい赤松皮付き丸太床柱の底面です。長年大事に育てられた銘木だけあって、とてもきれいな年輪をしています。バウムクーヘンというお菓子がありますが、余った材を輪切りにして見るとすごく似ていて、よく命名したものだと比較しながら、大いに感心いたしました。

古くなった別荘 建替えかリフォームか?

箱根S別荘

別荘は昔から持っているのに、最近はあまり使っていないという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?以下、お祖父様が建てた箱根の別荘をリフォームして、大いに活用しているS様のケースを紹介します。
昔は良くこの別荘で遊びんでいたS様も、最近は面倒で使っていなかったとのことでした。雨戸は開けるのだけで大奮闘、水はチョロチョロ、お風呂は入れるのに1時間、楽しみで行っているのか、或いは年老いた別荘のお世話(!)に通っているのか判からないような状態だったそうです。
子供たちが遊び盛りになった事で、建替えも含めて、何とか上手く活用できないかとの相談が始まりでした。建て替えとリフォームの費用を試算したところ、

  • 新築では3倍ほど費用が掛ることと、
  • 子供の頃の思い出を自分の子供にも伝えたい

という2つの基準からリフォームへと判断していただきました。

ウッドデッキのある別荘

まずは大きな庭との繋がりが重要だと判断し、腐りにくく、足触りの良いデッキ材を探し、大きなデッキを作り直すこととしました。手摺を片側だけにして、同じウッドデッキ材でベンチを作ったところが、デザインのミソです。手摺がないことで、視界が開け、部屋と庭がデッキを介して繋がるようになりました。開け閉めが不調だった木製サッシは、重みで床がたるんで敷居を下から支え直して全体を調整しました。

こちらがリフォーム前のデッキの様子です。外と内を繋ぐ窓サッシュはとても重要で、強引に開けていたサッシュが、指一本で軽く動くようになった事で、ウッドデッキの活用度合いが大幅に広がったそうです。朝起きて、サッと窓を開けて、素足のまま外のデッキに出られる感覚。使い勝手や素材のちょっとの違いが、大きな違いになったと喜んで貰っています。

銘木ツアー お茶室リフォーム-2 

お茶室リフォーム

お茶室設計の細かい図面が仕上がり、設計者がリフォームの際もっとも注意をする見積り段階です。お施主様と打合せを重ねて、実施設計図面を作成し、三社の工務店に”見積り”を依頼しました。全く同じ条件なのに、見積り金額は変わるもので、一番高い所と安い所店では100万円以上の差が付きました。

詳しく見積り内容を調べると、お茶室の経験がない工務店では、未経験の部分を高めに見積もっていることが、一番リーズナブルな価格の工務店では、お茶室を作った事があるベテランの大工が現場監督を兼ねることで、経費を削減している事が判りました。

K工務店が、工事内容の理解も深かったので、更に交渉を重ね、始めに僕らが概算で見積っていた価格の範囲で、何とか諸々の工事を含めて纏めてもらうことになりました。

いよいよ、ゲストルームをお茶室にリフォームする工事が始まりました。まずは実際に柱や壁の位置出しをする墨出しからスタートです。K工務店の大工兼現場監督の伊藤さんと慎重に打ち合わせつつ、位置を決めている写真です。

事前に事務所の秘密兵器のレーザー測量器で綿密に測量してあるので、大きな誤差はありませんでした。

銘木ツアー

K工務店に紹介してもらった川崎の銘木屋「湯川銘木店」にお施主様と銘木ツアーです。材木倉庫のような外観からは想像できない銘木の森に彷徨い込んだようで、とても不思議な体験でした。一応、図面上では材料を指定していましたが、あらかじめ銘木店で選んでおいてくれた材料は、どれも美しく、特に赤松皮付きの床柱は、素晴らしいものを見繕ってもらいました。