Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

アートコレクターのためのマンションリフォーム

白金台K邸

港区白金台の現代美術コレクターのためのマンションリフォームの事例を紹介いたします。間取りの変更ポイントは、使われなくなった子ども部屋をリビングと合わせて大きな空間を作るというリフォームでした。
デザイン上、一番難しい問題は現代美術・アート作品の飾り方でした。昔の絵画と違って、新しい美術作品は、彫刻と絵画の中間のようなものあり、ただ白い壁を用意すれば良い訳ではありません。

現在アートのあるマンションリフォーム_白金台K邸

そこで参考にしたのが日本古来の住宅にあった床の間です。床の間には掛け軸も飾れば、床板にはお茶碗や季節のものを置きます。こんな便利な装飾用のスペースのアイデアですから、今回のリフォームに取り入れてみました。普通の床の間では、狭く、日本風インテリアになってしまいますので、ここでは思いっきり幅を広くし、奥の壁も周りと同じと総仕上げとしました。ただ、床の間を意識させるように、床板と天井に少しを段差を付けて、枠取り(フレーミング)したような形になりました。

現在アートのあるマンションリフォーム_白金台K邸

ちょうど便利な事に、このマンションは普通のコンクリートラーメン造(柱と梁で構成される構造)だったので、柱を枠と見立てて見ると、それまでは大きく存在していた柱型が、上手くインテリアの中に消えてゆきました。お客さまはこの現代版床の間がいたく気に入ってくださったようで、「普通の住宅では飾れないようなアートが、いろいろなスタイルで飾れる」と喜んでくださっています。

白金台K邸工事前

因みに、こちらが工事前の同じリビングの様子です(というか工事で解体中ですね…)。
訪ねる度に飾っているアートが変わっているので、遊びに伺うのがいつも楽しみです。改装前を知っているお客さんがいらした時に、「壁を凹ませたの?」と聞かれたこともあったそうです!詳しくは…白金台K邸をご覧下さい。

ペントハウス(屋上住宅)のリフォーム

リフォーム

ペントハウスとは建物の一番上の階にある住宅の事です。文京区のマンションの最上階に住んでいらっしゃるお施主様のペントハウス住宅のリフォーム事例を紹介します。ペントハウスの特徴は以下の通りです。

  1. 高い階にあるので、眺望をコントロールしやすこと
  2. 二面以上が外に面していること
  3. 普通下の階より小さく作るので、屋上テラスがタップリと取れること

があります。

ペントハウス

このリフォームデザインは、その特徴を最大限に生かすことを心掛けました。南にある大きなル−フバルコニから、北にある中庭へと風が吹き抜けるように、風の流れをブロックしていた和室を取り去って、代わりにリビングの横に小さな書斎を作りました。

ルーフバルコニーリフォーム

ルーフバルコニーは、全面ウッドデッキ貼りとして、上には西日を遮るパーゴラ(藤棚)を作りました。直ぐ目の前にあるビルから覗かれない程度に、テラスに植栽(屋上緑化)を植えたことで、まるリビングの延長として使えるようになりました。お施主様は、テラスで食べる休日のブランチが、何より贅沢だと喜んでくださっています。詳しくは小石川S邸をご覧下さい。

和風バリアフリーリフォーム

戸建住宅リフォーム

バリアフリーのリフォームと言うと、安全にだけ配慮していて、一般に何かつまらない空間をイメージしてしまいがちですね。一般にバリアフリーというと、

  • 至る箇所に手摺が付いて、
  • 全ての角が丸くなって、
  • 診療所くさい感じがして
  • 等々…。

ここで紹介したリフォームでは、もっとさり気なく和風のデザインにあうバリアフリー・リフォームを考えてみました。大工の棟梁の娘さんだったお施主様なので、中途半端なデザインや材料は使えませんでした。材料の良し悪しだけでなく大工の腕前の判断も出来るのですから、こちらも相当な覚悟が必要でした。

和風バリアフリーリフォーム

水廻りの集約や、引き戸の採用というオーソドックスなバリアフリーの設計に、姿勢を変える場所に要注意をという方針を加えました。「姿勢を変える場所」と言うのは、例えば靴を脱ぐ場所やトイレに座る時を考えれば判りやすいと思います。

リフォーム前の住宅を、お施主様と一緒になって生活の動線を歩いてみると、壁や家具の一部が汚れていることに気付きました。それらがちょうど姿勢を変える場所だったのです。手を頻繁につく事で、汚れが生じているワケです。そんな場所全てにリフォームの手を加えました。手摺の位置も汚れの高さに合せ、竪棒を使ったり、箱を壁に取り付けたり、その材質にまで細心の注意をしたので、全体の和室調の雰囲気から浮き出ない事に成功したのではないでしょうか。

リフォームは新築ではありませんから、限度は勿論あります。でも今までの住み慣れた家だからこそ、危険な場所も判り、その手当てもしやすいのです。設計者の注意深い観察が、バリアフリーの鍵となる場所を教えてくれるのです。より詳しくは…
市川Y邸をご覧下さい。