Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

古くなった別荘 建替えかリフォームか?

箱根S別荘

別荘は昔から持っているのに、最近はあまり使っていないという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?以下、お祖父様が建てた箱根の別荘をリフォームして、大いに活用しているS様のケースを紹介します。
昔は良くこの別荘で遊びんでいたS様も、最近は面倒で使っていなかったとのことでした。雨戸は開けるのだけで大奮闘、水はチョロチョロ、お風呂は入れるのに1時間、楽しみで行っているのか、或いは年老いた別荘のお世話(!)に通っているのか判からないような状態だったそうです。
子供たちが遊び盛りになった事で、建替えも含めて、何とか上手く活用できないかとの相談が始まりでした。建て替えとリフォームの費用を試算したところ、

  • 新築では3倍ほど費用が掛ることと、
  • 子供の頃の思い出を自分の子供にも伝えたい

という2つの基準からリフォームへと判断していただきました。

ウッドデッキのある別荘

まずは大きな庭との繋がりが重要だと判断し、腐りにくく、足触りの良いデッキ材を探し、大きなデッキを作り直すこととしました。手摺を片側だけにして、同じウッドデッキ材でベンチを作ったところが、デザインのミソです。手摺がないことで、視界が開け、部屋と庭がデッキを介して繋がるようになりました。開け閉めが不調だった木製サッシは、重みで床がたるんで敷居を下から支え直して全体を調整しました。

こちらがリフォーム前のデッキの様子です。外と内を繋ぐ窓サッシュはとても重要で、強引に開けていたサッシュが、指一本で軽く動くようになった事で、ウッドデッキの活用度合いが大幅に広がったそうです。朝起きて、サッと窓を開けて、素足のまま外のデッキに出られる感覚。使い勝手や素材のちょっとの違いが、大きな違いになったと喜んで貰っています。

銘木ツアー お茶室リフォーム-2 

お茶室リフォーム

お茶室設計の細かい図面が仕上がり、設計者がリフォームの際もっとも注意をする見積り段階です。お施主様と打合せを重ねて、実施設計図面を作成し、三社の工務店に”見積り”を依頼しました。全く同じ条件なのに、見積り金額は変わるもので、一番高い所と安い所店では100万円以上の差が付きました。

詳しく見積り内容を調べると、お茶室の経験がない工務店では、未経験の部分を高めに見積もっていることが、一番リーズナブルな価格の工務店では、お茶室を作った事があるベテランの大工が現場監督を兼ねることで、経費を削減している事が判りました。

K工務店が、工事内容の理解も深かったので、更に交渉を重ね、始めに僕らが概算で見積っていた価格の範囲で、何とか諸々の工事を含めて纏めてもらうことになりました。

いよいよ、ゲストルームをお茶室にリフォームする工事が始まりました。まずは実際に柱や壁の位置出しをする墨出しからスタートです。K工務店の大工兼現場監督の伊藤さんと慎重に打ち合わせつつ、位置を決めている写真です。

事前に事務所の秘密兵器のレーザー測量器で綿密に測量してあるので、大きな誤差はありませんでした。

銘木ツアー

K工務店に紹介してもらった川崎の銘木屋「湯川銘木店」にお施主様と銘木ツアーです。材木倉庫のような外観からは想像できない銘木の森に彷徨い込んだようで、とても不思議な体験でした。一応、図面上では材料を指定していましたが、あらかじめ銘木店で選んでおいてくれた材料は、どれも美しく、特に赤松皮付きの床柱は、素晴らしいものを見繕ってもらいました。

洋館内にお茶室をつくることになった事の次第 お茶室リフォーム-1 

お茶室リフォーム

港区高輪で洋館(大使館に見まごう程立派な洋館です!)のゲストルームをお茶室にリフォームした顛末記を、これからシリーズで順にご紹介いたします。

お施主様であるアメリカ人男性のSさまとお茶の先生でもあるS先生、そもそもお茶を通して知合ったそうです。文化に憧れて日本にいらしたご主人は、紹介されたお茶の先生に一目惚れだったそうです。

それから熱心に先生のお茶レッスンに通い、色々と教えてもらう中でSさまが購入した洋館に、お茶室を作ることになったそうです。自宅でお茶のレッスンが出来れば、日本の文化にへの造詣が深くなり、先生のプライベートレッスンも受けられるからでしょうか。

私も学生の頃からお茶室には興味があったので、

  • 山崎の待庵、
  • 京都・裏千家の今日庵、
  • 愛知・犬山の如庵

等を見学してきましたが、いざ実際に自分に設計が任せられると、あまりに判らないことばかりで、勉強のし直しでした。

色々な本を読んで、インターネットで調べて、幾つかの素案を作ってみました。ゲストルーム内の全ての造作を撤去して、本格的な六畳の茶室を作る案、既存の家具を残して、小さな畳の六畳を作る案、四畳半で入口に小屋根を掛ける案など、5つほどの素案を作って、先生とお話しました。スケッチは完成したものとほぼ同じスタイルのもので、提案した当初のものです。

完成写真・図面等の情報はお茶室リフォーム_高輪S邸をご覧下さい。