Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

お茶室の詳細(ディテール) お茶室リフォーム-7 

お茶室リフォーム

お茶室リフォームには、細かい取り決めがあります。お茶室には、床の間に掛軸を吊るしたり、花入れを掛けたりするために特別に名前のついた金物が幾つもあります。
それぞれ取付ける位置について約束事があり、茶道の流派やお茶室の間取りによっても寸法や比率が変わってきます。

お茶室の金物類

本日はお茶の先生であるお施主様に立ち会っていただき、実際取付ける金物を見ながら、取付け位置を現場で決めてきました。因みに金物類は、全てオーダーメイドで、お施主様が昔から付き合いのある茶道具屋さんに作ってもらいました。

お茶室の畳縁

色々なお茶室の写真を見ながら左官材の色見本や、畳表と畳の縁のサンプルを確認し、これから内部の仕上げ材をイメージしてゆきます。縁のデザインによって、その場所の格が決まってしまうので、色々な習い事を教えて頂きながらの慎重な作業です。

お茶室の寸法(スケール) お茶室リフォーム-6 

お茶室リフォーム

お茶室に新しく入れる炉縁(ろぶち)が搬入されました。お茶室リフォームには、寸法の決め事が
沢山あるので、それらの幾つかを紹介いたします。

炉縁

お茶室の炉の寸法は桃山時代から決まっており、外寸1尺4寸(424ミリ)角という寸法が本日まで守らてきたそうです。お茶室にはこのような昔から守られてきた寸法や比率があり、この機会にそういったものを作りながら学べるのは、難しくもありますが、日本文化の底深い奥を見ているようで、とても感慨深いものがあります。
全体の進捗状況としては、入口脇と床の間の下地窓も据え付けられ、大分お茶室の骨格が見えて参りました。

畳の採寸

大工工事で枠が決まってきたので、建具屋さんと畳屋さんが寸法を測りに来ました。建具は、測った寸法を元に工場で障子・襖を作り、また現場に持ってきたときに削り合わせて調整する事ができますが、畳はそうは行きません。寸法の取り方も建具屋さんとは違って、竹尺とレーザーを使って、何度も何度も確かめながら測っている姿が印象的でした。

そして床の間へ お茶室リフォーム-5 

お茶室リフォーム

今回のお茶室リフォームで設計者として一番拘っているポイントの入り口の庇を紹介します。

小屋根に杉板を葺くのみを残して、入口庇がほぼ完成した状態です。立派な杉の磨き丸太で組まれた庇は、室内に足を踏み入れると思わず目を奪われてしまいます。こんな大きな材を、大工(兼現場監督)の伊藤さんは一人で持ち上げて狂いなく据え付けているのですから、やはり経験のある大工さんは凄いものです。
同時に床の間、床脇の天井が張られ始めています。


床の間は杉板目鏡板張り天井、床脇は杉柾網代張り天井です。床の間の落し掛け、床脇の無目鴨居も据え付けられ、大分床の間の雰囲気が出てきたのが判るでしょうか?
ここまで着工から2週間、大工の伊藤さんがこつこつ作業してきた木工事が大分落ち着いてきました。いよいよ来週から建具屋と畳屋が現場採寸となります。