Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

加工大理石サルバトーリの新ショールームオープン@インテリアズ

ニュース

僕らが愛用している加工大理石のイタリアブランド、サルバトーリの新ショールームが南青山インテリアズの4階に完成したとのこと、事務所スタッフ全員で見学に伺ってきました。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

大理石は何億年もの時間を掛けての自然活動で作られたものです。それを利用する人間が、切り出されてきた際に偶然見えた面に変な模様が見えたり、シミのようなものがあっただけで価値がないかのように扱われてしまう理不尽さを解決すべく、イタリアの一石材屋だったサルバトーリの三代目が一念発起して作ったのがこのサルバトーリの素材群なのです。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

今では10種類にもなる加工を大理石に施していますが、刻み目や凹凸模様などを付けて、石の柄や斑よりも石材の素材感そのものが際立つような工夫をした素材として提示してくれているのです。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

円弧状の壁には、ピエトラ・ダーヴォラという黒い大理石にスパゲッティ加工を施した素材を張り込んでいます。天井から吊るされたのは、天然石で光を透過するオニキスをくりぬいたシャンデリアです。これまでは日本のPSEとサルバトーリ本国側との問題で日本では使えなかったのですが、改めての交渉で日本でも使えるようになるそうです。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

こちらは打って変わって白い大理石のビアンコカラーラを色々な形で加工した素材で作られた水回りのイメージ展示スペースです。昨年4月に見学してきたイタリア・ミラノのサルバトーリショールームに近いイメージの空間となっています。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

壁に使われているのは、僕らが良く採用しているビアンコカラーラのトラッティという加工素材で作られた浴室展示です。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

アップで見ると判るのですが、磨けばきれいに輝く白い大理石の表面を、ラフに荒らすことで生まれてくる素材感に黒い金属を差し込んで作られた壁素材なのです。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

床は、フローリングのヘリンボーンのように加工されたストーン・パーケット仕上げです。まるでローマ時代から使われ続けてきたかのような不思議な風合いを帯びた素材感です。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

洗面ボウルと洗面カウンターもサルバトーリの製品です。洗面ボウルは塊のビアンコカラーラをくり抜いて作られたものです。SDG’sにも対応したサルバトーリの考え方からすると、ちょっと矛盾を感じるボウルですが、硬い大理石がゴムのように歪んだ形に成型されていることで生まれる柔らかさには魅力を感じます。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

カウンターは天板も引き出しの面材もビアンコカラーラです。ゆるくカーブするような加工を施された引き出しの面材も魅力的なのです…。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

先ほどと同じトラッティという加工でも、素材をグレー調のグリス・ド・マレに変えて目地の金属が金色になると、全く違った様相になりますね。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

こちらはスタッフ全員で、ゼネラルマネジャーの青木さんからの説明を聞いている様子です。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

サルバトーリの説明ビデオも皆で拝聴させて頂きました。ちょっと映画の取調室のようですね(笑)!

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

先日、雑誌モダンリビングの誌上で対談させて頂いた、インテリアズの國分社長と、サルバトーリ担当営業の佐々木さんとの記念写真です。

サルバトーリ新ショールームオープン@インテリアズ

あまり知られていませんが、サルバトーリはこのような石材を加工したオブジェも得意なのです。これらは即金で購入可能です。
これまでは小さなコーナーでの展示だけで、サルバトーリの魅力をお客さまにお伝えすることに苦労しておりましたが、この新ショールームができたことで、益々ご提案する機会が増えそうです!

見積りご提示と同時の減額調整@元麻布J邸

元麻布J邸

ちょっと変わったスタイルで進めている元麻布J邸ですが、リフォームキューが作ってくれた見積りのご提示と同時に、弊社とキューで一緒に作った減額案も見て頂きました。

通常であれば、まずはお見積りをお見せして、内容をご説明して、ご自宅に持ち帰って頂き内容を見て、質疑から金額調整という流れになります。ただ、今回は既に工事着工日程ありきのスケジュールでしたし、金額的にも超えたくない額がハッキリとしていたので、悠長なプロセスでは間に合わなくなってしまうので、当初からオーバーするであろう項目を設計側でピックアップしておき、それをどのような仕様に落とせばどのくらいの額が削れるのかの概算も、平面図に書き込んでご判断しやすいようにさせて頂きました。

基本的に床には木製フローリングは禁止なマンションなので、リビングダイニングは敷き込みカーペットで考えてきました。フォオベルク(アーテリア)の艶やかなカーペットをとても気に入って下さっていたのですが…、

減額候補としてファブリカのシェ・シリーズ(コンフォート社)をお見せした所、肌触りはフォアベルクほどではないが、カラーのバリエーションも豊かなのでこちらで減額したいとのお話しになりました。

色々な色味がありましたが、最終的に決まったのはやはりグリーンでした。

洗面カウンターは当初からクオーツストーンではありますが、お見積りで選んでいたフィオレストーンよりもリーズナブルな価格帯のカルチャードクオーツ(中外交易)の中から選ぶこととなりました。

こちらのウィスターリアとアランネロの大判のサンプルを取り寄せて、そのどちらかで選ぶこととなりました。

大きな部分から細かいところまで、見積りの内容を解説すると共に、どのようにすればどの程度の減額ができるかをご説明させて頂きました。

この打ち合わせで、ほぼ減額方針を決めて、新たなサンプルを取り寄せたうえで、次回の現地打合せで全てを並べて最終決定したうえで工事契約を結ぶという流れで動いているので、Jさまご夫妻も真剣に(これまでも全て真剣でしたが…)図面と見積りを見比べて下さっています。

元麻布J邸_工事見積と減額調整

こちらは洗面廊下の背面の収納の改造案です。左側は下部は扉付き収納で上部はオープン棚としていました。更にそれぞれの棚とトイレへの扉を大きな三方枠で纏めるデザインでしたが、これを右のように三方枠を注視して、扉付きの収納に変えることで、40万円近くの減額ができるとお伝えした際は、すぐに「採用!」と喜んで下さいました(笑)。

大きな浴室変更(オーダーユニットバスから、フリーサイズのユニットバス)といった大項目以外で新たに上がってきた減額要素、それと本日の打合せで減らした代わりにこれくらいはグレードアップもなさりたいとのことで、追加することになった項目を纏めたシートがこちらです。

Jさまご夫妻、リフォームキューの坂本さんと大久保さん、弊社の松藤さんと各務、全員の頭を絞っての大奮闘で、当初4800万円(消費税前、設計料抜き)の工事費を4400万円(同左)まで下げることができました!

最後は、お子さまたちのお部屋の壁紙選びで、頭をクールダウンさせることができました。

オーダーキッチンのリネアタラーラ

三田S邸

三田S邸では、僕らがお手伝いを始める前から、お客さまがオーダーキッチンはリネアタラーラでお願いしたいとのことで、既にお打合せを開始していらっしゃいました。他の部分の間取りとの関係で、キッチンの当初案はL字型の調理カウンターとダイニングを兼ねた大きなアイランドカウンターで構成されていました。

オーダーキッチンのリネアタラーラショールーム

ダイニングテーブルは不要で、キッチンに隣接したカウンターでお食事をなさりたいとのお考えでしたので、その案を発展させる形で、L字キッチンにイートインできるペニンシュラカウンターを設ける形でここまで設計を進めてきました。キッチンのレイアウトの大枠はほぼ決まってきたので、改めて僕ら設計も一緒に用賀のリネアタラーラ・ショールームに伺うことになりました。

これまでのお打合せでは、ご夫妻揃ってのお打合せでしたが、この日はご主人さまはお仕事の都合があったので、奥さまだけとのお打合せとなりました。

何度か担当の原本さんとショールームでお打合せをなさったことがあるので、展示キッチンのことは良くご存じでしたので、効率よくお打合せを進めることができました。

まず最初は、弊社担当スタッフの竹田さんと一緒にハイスツールに座って、ハイカウンターでうまく食事ができるかを再確認なさっていました。

大まかな方針については、基本的にはご理解くださっているので、細かい部分についてのお打合せを重ねていきました。こちらではゴミ箱の収納方法のメリットデメリット、ごみの量などを確認にして頂きました。

仕上げ材については、全面的に見直すことになったので、現時点のフローリング材の候補と見比べながら、カウンター材や面材の候補、バックスプラッシュの大判大理石調タイルなどをチェックして頂きました。

この日は、弊社の自動車でご一緒に動いていたので、用賀から赤坂への帰り道上に輸入セラミック大判タイル、フィアンドレの展示をしているアークテックのショールームがあることを思い出したので、車中から内覧予約の電話をして、スタトゥアーリオ柄のタイルをご一緒に拝見させて貰いました。

キッチンの仕上げ材候補については、奥さま一人で考えるには責任が重いとのことで、改めてご主人さまの都合がつく日程で、リネアタラーラショールームを2週間後に再訪致しました。

キッチンカウンターについては当初考えていたクオーツストーンのカンブリアにするか、先回展示を拝見したフィアンドレの大判セラミックで考えるか、はたまたSさまの軽井沢の別荘で使ったような天然御影石にするかをもう少し検討してゆくことになりました。

床材からキッチンキャビネットの扉材候補、バックスプラッシュの大理石調セラミック、そして吊り戸の扉材候補のメタリック塗装を遠目で確認できるようにしながら、それぞれの要素を交換しながらどれが一番しっくりくるかをご一緒に考えていきました。
ここまでの打合せの内容を、まずは原本さんに取り纏めて貰うことになりました。