Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

お客さまと一緒に大理石を選ぶ意味-2_関ケ原の石工場見学

ザ・ライブラリー

TAGKENとの共同リノベブランドのザ・ライブラリーブログの広告です。
岐阜県大垣市から始まったお客さまと一緒の大理石の倉庫&工場見学、次に訪問したのが、大本山の関ケ原石材となります。

関ケ原石材は単なる倉庫ではなく、加工工場も併せた巨大施設となっています。大きな丸鋸(マルノコ)で石を切る機械や磨く機会、ブロックで持っている石材を置いている倉庫、、無造作に(笑)スラブ材が置かれた倉庫などを案内してもらいました。

ブロック材もそれなりに何度か見せて貰ったことがありましたが、中にはこんな珍しい柄の石種もありました。

スラブにカットされた(ブロック材を20~30ミリの厚みにカットするとスラブ材になります)同じ石種も見かけましたが、すごい迫力の石材でした。
因みに、関ケ原石材には、イタリアの希少石種を扱うアントリーニと提携したアントリーニギャラリー、関ケ原石材自身が持っている貴重な石種を集めたキセキギャラリー、そして一般の石材を保管している通常倉庫があります。こちらの石材は、その通常倉庫内に保管された石材でした。

こちらのアラベスカートも普通になられべラれていましたが、うっとりするほど美しい石材でした。ちょっと色味の差が激しいことと、何より枚数が足りないことで今回の横浜H邸の石材の候補にすることができませんでしたが…。

次に拝見させて貰ったのが、キセキ(KSK)ストーンギャラリー(別名STRAD)です。こちらもかなりインパクトがある石材が沢山あったのですが、その後に拝見したアントリーニの迫力に押し消されてしまいました…。

最後に、本丸の関ケ原石材・アントリーニギャラリーの見学です。前列左から、ザ・ライブラリーの現場監督の栗原、設計の岸本、Hさま、石材加工アジアグラニットの池田さん、田口、後ろが各務とキダマーブルの齊藤さんです。

僕らはこのアントリーニギャラリーに年に2~3回ほど伺っていますが、それでも毎回扉を開けて中に入るたびに、何億年もの時間を掛け作られた大理石から発せられる「地球の奥底からの震え」のようなものを感じて、身震いしてしまいます!

初めてご覧になったHさまも興奮しながら大理石の由来を読みながら一つ一つの石を見てくださいました。

素晴らしいスタトゥアーリオが何枚か並んでいました。こちらもかなり気に入ってくださっていたようですが、アラベスカートの上質なものと比べても、倍以上の価格がするので、要注意ですよとお伝えさえて頂きました。
以下、まだまだ色々な石材を見て、加工場などを見学させて貰った様子は、こちらのブログをご覧ください。

新宿区T邸のビフォーアフター

新宿区T邸

今年の春にお引き渡しを終えていた、ペントハウスマンションリノベーションの新宿区T邸の工事前後の写真を比較したビフォーアフターがようやく整理できました。高層マンション最上階のリノベーション事例です。
専有面積は約190㎡とゆとりのある広さがありながら、既存のプランでは廊下が多く、各部屋が分断されていたため、全体として広がりが感じにくい間取りとなっていました。お客さまのご要望をもとに、間取りを再構成し、3LDKから2LDKへと変更。廊下部分を取り込むことで、LDKを中心とした空間の一体感を高め、暮らしやすい住まいへと整えていきました。

広さが190平米、天井高さも折り上げ上で3メートルあり、3方向に窓がある開放的なお宅なのですが、改修前は、LDKと個室が明確に分かれ、中央に廊下が伸びる構成でした。LDKは南面の開口に面しているものの、横長で奥行きが感じにくく、天井が高いにもかかわらず、その印象が十分に活かされていませんでした。リノベーションで、3LKDから2LDKと洋室を一つ減らして、廊下を居室に取り込んだうえでキッチンの位置を変えて、大きなLDKを実現することができました。

ビフォーアフターの平面図の比較です。
・リビングダイニングの広さが約1.7倍になっています。扉の開け閉めで開放することができるキッチンまで含めたLDKとして考えると、約2倍の広さになっています。
・キッチンの位置が大きく変わりました。勝手口との連携やランドリールームと直接つながって、更にはキッチン背面には奥さまのワークコーナーができて、使い勝手が格段に良くなりました。
・黄色くマークしたエリアが玄関と廊下ですが、廊下がほぼ無くなってリビングダイニングがその分広くなっています。

以前はほぼ正方形のリビングダイニングで、玄関からLDに入ってダイニングに行こうとすると、テレビの前を通り抜けるアプローチになっていましたが、リノベーション後は堂々としたテレビボードの前に大型の「くの字型」のソファが置かれていますが、人が前を通ることが無いレイアウトになったので、空間に落ち着きが生まれています。

天井カセット式エアコンの位置を変えて折り上げ天井(間接照明付き)のサイズを大きくし、フローリング材の色味を明るくすることで、部屋の明るさと解放感を高めることができました。

左側がビフォーで右がアフターですが、廊下だった個所が見事にリビングダイニングキッチンに取り込まれていることが判りますね。

同じ廊下を逆方向から見返したビフォーアフターです。窓が無い廊下空間の狭さと暗さが消えて、大きくのびのびとした空間になりました。ダイニングの壁面にはビルトインのワインセラーを入れています。

かつての洋室2だった個所が、キッチン背面の奥さまのワークスペースとランドリー(下の写真の左側の引き戸の奥)に変わりました。二つの窓を開けると、風が爽やかに通り抜けるようになりました。

玄関のビフォーアフターです。以前は玄関扉を開けた正面の壁に、キッチンへの扉があり、空間としての落ち着きがありませんでした。リノベーションで正面壁には大理石を貼り、右側には来客用トイレと収納、左側には大きめのシューズインクローゼットを設けることで、壁面が多い落ち着いた空間になりました。

先ほどのビフォーアフター平面図では割愛した家族用の水回りスペースですが、以前は空間がガタガタして洗濯の動線と洗面、トイレと浴室の動線がクロスしていましたが、すっきりと動線が整理され、収納量も増えたとお客さまに喜んで頂いています。

リノベーションの効用が一番分かりやす写真がこちらでしょうか…。以前の様子を知っているお客さまがいらっしゃると、「何この変わりようは!」と驚いてくれるのが嬉しいとのお話を伺っております。

お客さまと一緒に大理石を選ぶ意味-1_岐阜県大垣市の石工場見学

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトのご紹介ブログです。
最初のご相談時から大理石素材に対して強いこだわりを持っていらっしゃったHさま。キッチンショールームでは大理石をキッチン全面に使われた迫力にとても喜んで頂けましたが、自分で多様な選択肢の中から好みの大理石を選ぶような体験はまだでしたので、一度研究のためにもザ・ライブラリーのメンバーとHさまで岐阜県の関ケ原市と大垣市エリアに広がるの大理石工場と倉庫を見学して回ることになりました。

洗面+浴室+トイレ部分の大理石をお願いする予定のキダ・マーブルの齊藤さんにお願いして、Hさまとザ・ライブラリーから田口さん、岸本さんと現場監督の栗原さん、そして各務の総勢4名で新幹線の岐阜羽島から車に乗って大垣から関ケ原エリアを案内してもらいました。最初に訪問したミナミ石材が用意してくださっていたのがこちらのアラベスカートですが、しょっぱなから美しいアラベスカート見て、Hさまのテンションもかなり上がって、この大理石の枚数が揃うのなら、これで決めても良いとのお話もありました!
因みに、アラベスカートという名前は、白地にグレーのアラベスク模様(波のような模様)が入ることから、この名前で呼ばれています。

ただ、アラベスカートはここのところずーっと人気で、枚数が揃うものがほとんどないとのことで、最初のスラブももう1枚しか残っていないとのことでした。それでも、後ろの山に無造作に並べられているアラベスカートはどれも美しく、Hさまはうっとり(笑)なさっていました。

立てかけられていたものから、一枚を取り出してみてみたいとのことでしたので、ミナミのスタッフの方に、それを吊り出して、前面に持ってきてもらいました。

こちらもとてもきれいな模様が入っているものでしたが、左側は肌理の細かい泡状の模様があるのですが、右側が大きな白い部分があり、採用するには難がありそうでした。ただ、白っぽい部分を日塗工のカラーチャートで見ると、どのくらい白いのかを田口さんが見比べてくれております。

次に伺ったのはコスモマーブルです。こちらでも、齊藤さんが事前にHさまの好みをお伝えしておいてくれたので、倉庫の前面にアラベスカートとスタトゥアーリオ系の白い大理石を並べてくれていました。

ここでも素晴らしい出会いがありました。こちらのアラベスカート・カルペーボラ(Arabescato Calpepola)です!右側が緑色掛かっていますが、それでも美しい!とHさまには喜んで頂いたのですが、残念ながら枚数の問題がクリアすることができませんでした…。
因みに、アラベスカート(Arabescato)には幾つかの石柄があるとされており、一番有名なのが灰色と白のコントラストが美しいコルキア(Arabescato Corchia)、アラベスカートとカルカッタの中間体のようなカルペーボラ、そして、もう少し柔らかな模様のファニエッロ(Arabescato Faniello)やもっと温かい雰囲気のヴァッリ(Arabescato Vagli)などがあります。それぞれ、イタリア・トスカーナ州でアラベスカートが取れる採掘場の名前だそうです。
以下アラベスカート各種を比較した表やそれらの実例写真などは以下のブログ記事をご覧ください。