Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

スケルトン現場での施工会社紹介

千代田区M邸

スケルトン状態からのリノベーションプロジェクト、千代田区M邸ですが、設計も煮詰まってきており、図面の揃って参りました。お客さまのMさまご夫妻に現場に来て頂くタイミングで、特命でお願いする予定の施工会社のの片岡さんにも来てもらい、ご紹介させて頂きました。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

と言っても、堅苦しいお見合いのような(笑)紹介ではなく、最初にご紹介した後は、すぐにスケルトン状態の現場を見ながら具体的な打ち合わせに入らせて貰いました。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

最初にMさまご夫妻と片岡さんに説明したのは、断熱の考え方です。段々状になっており、外壁も天井も外部に面している部分が多いので、断熱を新たに吹く範囲を担当スタッフで副所長の前田君が説明してくれています。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

青いシートで巻かれているのは、このお部屋の前のオーナーの残置物の大型冷蔵庫です。まだキッチンの構成が決まっていないので、この冷蔵庫を使うのか、或いは捨てるのかが決まっていないので、しばらくは置いておくことになりそうです。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

室内の外周部には床にトレンチ状の溝が設けられており、そこを使って大きなテラスまで給水やガス管を引き込んでいることを確認しました。天井高さにあまり余裕がないので、このトレンチは助かりますとの片岡さんコメントがありました。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

前田君がMさまご夫妻にリビングダイニングの展開図の説明をしてくれています。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

理科系の技術者で図面を見ることに慣れていらっしゃるご主人さまは良いのですが、そのような経験が乏しい奥さまには、展開図やディテール図にイメージ写真を添えて、どのような空間に仕上がるかが想像し易い図面になるように工夫しています。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

このお部屋の特徴であるリビングダイニングに面した開放的なテラスをどうすべきかも相談させて頂きました。

スケルトン状態からのリフォーム_千代田区M邸

真面目で細かいことにまで誠実に考えてくれそうだと、Mさまご夫妻は片岡さんの青のことをすっかり気に入ってくださいました。まだ見積りの前ではありますが、施工会社として決定として良いとのご判断を頂きました。皆揃っての工事前の記念撮影です。
どうぞ今後とも宜しく

新規プロジェクト渋谷M邸がスタート

渋谷M邸

コロナ禍の中、新しいお問い合わせで渋谷に新しく建つタワーマンションの高層階のお部屋のリフォームプロジェクト、渋谷M邸が始まりました。

渋谷M邸_新規プロジェクト

新築マンションで、まだ建物が出来上がる前にご購入が決まっていたので、いわゆる新築オプション(新築のお部屋をカスタマイズする不動産会社のサービス)でグレードアップを図ろうとなさったそうですが、思い通りのインテリアデザインを実現することが難しいことから、完成後に改めてリフォームをなさりたいとのことで、弊社にご相談がありました。

渋谷M邸_新規プロジェクト

最初の3回ほどのお打合せは、間取り図と仕様書を見ながら、どこをどのようにリフォームできるかを平面図上で検討しておりましたが、今回のお打合せをショールームを予約して、ほぼ似た広さのお部屋を見ながらのお打合せをさせて頂きました。ご購入なさったお部屋も高層階なので、迫力の景色が広がりそうです。

渋谷M邸_新規プロジェクト

ショールームのこちらのお部屋は広さと全体の形はとても似ているのですが、1LDKに間取り変更をしているので、広さ的にはもう少し手狭になりそうです。

渋谷M邸_新規プロジェクト

LDKと主寝室は余裕があるので、Mさまがテーマとして挙げて下さっているラグジュアリーモダンなインテリアを目指してこれから設計してゆく予定です。

渋谷M邸_新規プロジェクト

ちょうど似た間取りのお部屋の模型がショールームに置いてありました。

渋谷M邸_新規プロジェクト

実は、LDに置く家具はイタリアのハイブランド家具のミノッティがお好みとのことで、事前に青山のミノッティーショールームに行って、ご提案も受けているとのことでした。図面上は窮屈なのではと思っておりましたが、もう少し窓際に寄せることが出来そうなことと、リビングダイニングにいる時はほとんどがソファに座っているとのことでしたので、通常よりは広目のソファでも良さそうだと考えております。

渋谷M邸_新規プロジェクト

ショールーム見学後は、壁や造作家具に使うことを検討している、大理石柄の大判タイルを目黒にあるイタリアからの輸入家印材商社のアークテック・ショールームにご一緒して頂きました。

渋谷M邸_新規プロジェクト

新しく届いたフィアンドレのタイルのサンプルも含めて、候補に挙がったタイルを3種類ほど貰って、インテリアが分かる展開図に落とし込んで検討してゆくことになりました。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

渋谷区Q邸

渋谷区Q邸の解体工事の一つの大きな山場に取り掛かっています。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

水回りの床下に打設されていたシンダーコンクリートを撤去するための第一段階として、コア抜きをする作業が始まっています。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

コア抜きとは、このような機械を使って、建物のコンクリート部分に穴を開ける作業のことです。青山の某不良施工マンションで有名になったように、配線、配管を増設するためにコンクリート躯体に穴をあける作業や、耐震診断のテストピース採取のために使ったりと、色々な形で利用されています。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

こちらでは、床下のシンダーコンクリート層を破壊撤去するための準備作業として、壁際にコアを抜いて、後で使うパッカー工法の圧力を逃がすようにしています。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

このようにコア抜きの穴を連続させて抜いていきます。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

因みにこちらが抜き取られたコアです。シンダーコンクリートと言いながら、骨材がふんだんに入った硬いコンクリートが打設されていました。下から嵩上げのシンダーコンクリート、黒い帯がアスファルトの防水層、その上に防水層を守るための嵩上げしんーだこん、白い帯は断熱層で、その上に浴室洗い場の水を流すための勾配を取るための最後の嵩上げシンダーコンとなっています。よく見ると、一番上の層にはオレンジ色の断面が見えていますが、これは浴室洗い場に仕込まれていた電熱線の床暖房です。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

コア抜き作業にも乾式や湿式などの方法があるようですが、今回は湿式穿孔を採用しています。水を使いながら粉塵を抑えながらスピーディーな作業が可能な方法です。ただ、防水層を破っての作業なので、作業時に発生する水が、下の階に行かないように、水を吸い取る掃除機を使いながらの作業となります。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

二つ並んでいるのは水抜き用の掃除機で、左の黒いものが乾湿両用の掃除機本体で、右の赤い容器に白い蓋がかぶさっているのは貯水タンクとなります。コア抜き作業をしながら、時々手を止めて下に溜まった水を吸い取ってゆきます。ちなみに、35センチほどのコアを抜く作業で40分程度(準備時間も含めて)の作業となるそうです。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

抜かれたコアが溜まってきた様子です。防水層や断熱層の部分で分解されてしまうので、細かくして積み上げられています。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

パッカー(セリ矢)を使うと、200トンほどもの圧力が加わるので、コア抜きによって縁切りされていないと、コンクリート躯体壁や構造柱にヒビが入ってしまう恐れがあるので、現場監督の岡田さんや弊社の設計担当の竹田さんが、きちんと計画通りにコア抜きされているかを確認してくれています。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

今回のシンダーコンクリートの撤去については、こちらにPS部分に空いている空隙内の様子からも、シンダーコンクリート内に配管が埋まっていることが分かっていました。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

こちらがその様子です。断熱材で巻かれて縦に通っているのがマンション共用の排水竪管で、そこから二本床に対して平行に分岐されているのが当該マンションの排水管となっています。シンダーコンクリート内に埋設された状態では、水回りのレイアウトを変更することが難しいこと、そしてそれ以上に今後の配管材料の経年劣化や地震等で配管が割れたりずれた場合に水漏れを補修することが現状ではできないので、今回の大規模リノベーションの際に交換することをご提案しておりました。

シンダーコンクリートの撤去-1_コア抜き

まずはここまでのコア抜き作業で、マンション内の住人の方々からの工事騒音にたいする注文が無く、下階等からの水漏れの連絡もなかったので、この次のパッカー工事に向けての準備を進めてゆくことになりました。
施工会社のとは、同じような施工手順でヴィンテージマンションのシンダコンクリートの撤去をこれまで数回してきたので、一つのチームとして色々な懸念材料を相談しながら進めることができるので、何より助かります。