Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

施工会社を変更してのリフォーム計画再スタート

元麻布ヒルズA邸

しばらくブログの更新が途絶えていた高層マンションの元麻布ヒルズのリフォームプロジェクトですが、この期間色々なことがありましたが、施工会社を変えて計画が進むことになりました。

建物の管理会社から紹介され、ほぼ特命(相見積もりではなく、工事業者を早い段階で絞ってリフォーム計画を進めてゆくスタイル)でここまで進んできたM社でしたが、工事契約直前の最終的な金額調整段階で条件のすり合わせができず契約が流れてしまいました。当初はスケジュール優先で特命で進めてきましたが、スケジュールの枠を取り外すことで、他社の話も聞きたいとのことで、Aさまが探してくださったN社に見積り図面を渡して見積りを取ったところ、ご希望の金額内での工事が可能とのことが分かり、M社に断りを入れて、改めてN社と打ち合わせをして計画を進めることになりました。

元麻布A邸_素材最終確認_現地打ち合わせ

M社の見積り用スケッチ図や打ち合わせメモを元に見積をしていたので、現地にて新しく施工会社として決まったN社の担当者とデザイナーさんと確認のための打ち合わせを行いました。

主寝室の最終仕上げ材確認@元麻布A邸

しばらく金額やスケジュールの打ち合わせばかりで、デザインのことから遠さがっていたので、一部屋ずつ回りながらここまで決まっていた仕上げ材を見ながら、これで問題ないかを確認してゆきました。

主寝室のテレビ位置確認

主寝室では、壁掛けテレビの収まりを検討致しました。

建具のオレフィンシート色味確認@元麻布A邸

当初のM社では既存建具と枠にダイノックシートを張る予定でしたが、新しく決まったN社では、オレフィンシート巻きで枠と建具を作ったほうが安くできるとのことで、オレフィンのサンプルを見ながら建具の色を決めている様子です。

元麻布A邸_仕上げ最終確認

玄関ホールの色味は当初想定していたものとほぼ同じ素材で進めることになりました。ただ、石張りの壁の目地については、N社のデザイナーさんからアドバイスがあり、眠り目地(目地なし)ではなく、少し色味の違う目地材を入れてより石の質感を出す方向でデザインを再調整してはとのことで、もう少し検討することになりました。

大理石とタイルと目地の関係写真_カガミ建築計画

こちらはこれまでにカガミ建築計画でお手伝いしてきた大理石やタイル張りの壁の実例写真です。目地を取ったり、眠りにしたり、色違いの目地を入れたりしてきた色々な事例をお見せしながら、どの事例の写真がお客さまのイメージに近いかを確認して頂きました。

元麻布A邸_仕上げ最終確認

リビングダイニングについても当初と同じイメージですが、細かいディテールの検討が始まっています。

リビングの折り上げ天井_立ち上がり部仕上げ確認

折り上げ天井の立ち上がり部分を金属ルーバーで仕上げるか、木製ルーバーを使うかなど、具体的な作り方の打ち合わせに入ってゆきます。幾つかの選択肢に対して、それぞれの見積りを作って比較検討しながら最終判断をしてゆくことになっています。

元麻布A邸_玄関回り仕上げ最終確認

玄関のタタキの仕上げも、既存の大理石を磨くか、全て撤去して作り直すか等の選択肢がありましたが、タイルを上張りすることで、解体範囲を最小限にして、横に繋がっているSIC部分まで一体にできそうなことが判り、金額的にも明らかにそれが安価で出来ることが判ったので、そちらの方針で進めることが決まりました。

元麻布A邸_仕上げ最終確認

洗面脱衣と浴室はベージュトーンをベースに、洗面カンターや扉などをアクセントにすることで、またイメージ写真をこちらで集めて、お客さまに確認して頂いた上で、決めてゆくことになりました。

施工会社の再選定や金額の交渉で、随分時間が掛かってしまいました。ここまで粘り強く頑張ってくれたM社には感謝ですが、最後の締めのところですれ違いが起きてしまったことは残念でした…。
改めて施工会社が変ってもデザインアドバイスのスタイルでお手伝いしてゆくことも決まり、気持ちも新たに再スタートすることになりました!

 

大工造作後の塗装&クロス張り工事@白金台E邸

白金台E邸

白金台E邸の工事は、そろそろ大工工事が終わるとのことで、やり残しなどがないかを担当スタッフの岩井さんと竹田さんと各務の三人で現場に行って参りました。

施工をお願いしているスタイル・イズ・スティル・リビングの齊藤社長と現場監督の中川さんと一室ずつ回ってチェックをして行きました。

リビングはボードまできれいに張られており、ダイニング部分のカーテンボックスのサイズの修正をお願い致しました。

ダイニング側の壁にはモールディングと腰壁が取り付けられ、テレビ収納の下地も作られていました。

白金台E邸自体が歴史あるヴィンテージマンションですが、歴史感を感じさせるようなクラシカルな中に、モダンが同居するイメージでデザインを進めたので、凹凸感があまりないフラットな装飾を壁に付け加えています。

チェストも置かれてしまうので、その隙間から少し装飾が見えてくるイメージとなります。

玄関ホールとの間仕切り扉のサイドパネルにはガラスも入ってきました。

オーダーキッチンのモービリティーポにお願いしているキッチン部分に関連して、一枚だけサイドパネルを先行して取り付けて貰っています。写真のベニヤ板部分がそれですが、この部分の壁をなるべく薄く仕上げると共に、建築工事の壁からつなぎ目なしで見せたいので、特殊な作りをお願いしています。

プライベート部分の家族用浴室にはステンレスサッシが取り付けられています。まだ白いビニールのカバーが掛かっていますが…。

書斎と奥さまのウォークイン・クローゼット部分です。まだ造作家具が取り付いていないので、スカスカの状態で、奥のIKEAの引き出しが良く見えています。

IKEAのクローゼットを組み込んだことはありましたが、今回は部品としての引き出しと金物のコンプレメントシリーズを施工会社に購入してもらい、ピッタリサイズで造作家具のように作って貰っています。

初めての経験なので、細かい収まりやディテールを齊藤さんたちに説明してもらいました。

正面がガラス張りで、簡易ながら引き出し金物もついて、1本5000円は破格ですね…。

大工工事の最終確認の翌週からは塗装屋さんとクロス屋さんが入ってきました。

モールディングと装飾腰壁の入った壁が塗装されています。

天井は施工スピードをアップするために、塗装調のクロス張りとしています。広いお宅なので、塗装中は奥のプライベートルームのクロスを張って貰らい、塗装が乾いたところでリビングダイニングにクロスが入る工程を組んで貰っています。

さすがにビニールクロスは早いですね!塗装の1/3のハイスピードで仕上がってゆきます。

ダイニングとキッチンの間には4連の間仕切り扉が入るのですが、その吊り戸のレール部分もきれいに仕上げていってくれています。

その間に塗装屋さんや細かく建具枠などの塗装を進めてくれています。こちらは来客用トイレの入り口の隠し枠です。タイルの色に合わせて塗って貰っています。

廊下からキッチンへの勝手口の引き戸枠はパネル張りするビニールクロスに合わせてちょっと濃いめのシックな色の塗装仕上げになっています。

先ほどステンレス枠が取り付いた家族用浴室では、内側に重ね張り施工可能な3.5ミリ厚の薄型タイルが張られ始めていました。

 

 

デザインスケッチで考えるディテール@青山N邸

青山N邸

青山N邸の大工造作工事が着々と進行中です。

大工造作壁ができてきた青山N邸キッチン回り

既存キッチンが撤去されてガランドウになっていた空間にに壁下地がが立ち上がってきたことで、キッチンの形が見えてきました。右側の窓横からの袖壁が角度をもってキッチンにぶつかってくるのですが…、

斜め壁とキッチン壁のシャープエッジ大工造作

このような鋭角なエッジになっていましす。

斜め壁とキッチン壁のシャープエッジ大工造作

担当の大工さんの上野さんが苦労して作ってくれたシャープエッジの壁下地端部です。

斜め壁とキッチン壁のシャープエッジ大工造作

横から見ると、このような作りになっています。少し三角形の中に隙間が出てしまうのですが、ちょうどその隙間を電気の配線スペースに使ってくれています。最終的にはボードやパネル等が張られて、端部も金物で抑えるので、このようなシャープな収まりは出てこないのですが、大工さんの腕とプライドを感じる下地造作です!

リノベーション時のキッチン先行配管

キッチン設置に向けて、床下からは給水給湯、排水管などが顔を出していました。

青山N邸_TV家具設置予定位置

LD反対側の窓の間にある柱型は、仕上げの石膏ボードが一枚分剥がされていました。

柱型に合わせたTV造作家具スケッチ

こちらには、このスケッチのような木製のテレビ収納が収まる予定です。

柱型に合わせたTV造作家具の製作図

こちらのラフスケッチを元に施工会社のリフォームキュー側で書いてくれた施工図がこちらです。そこにまた設計担当スタッフの岸本さんが赤チェックをして、幾度かやり取りをしていきながらデザイン精度を上げてゆきます。(因みに、通常の設計監理であれば、最初からこちら側でキチンとした図面を用意しますが、今回のこのプロジェクトではより簡易的なデザインアドバイス契約なので、こちらからはまずはスケッチでの提案となっています)

廊下壁のタイル下地

玄関から続く廊下空間です。正面右側のシューズインクローゼット側は扉も含めてカラーガラス張りに、そして左側の壁はここからリビング壁までずっと大理石調のボーダータイルが続いてゆきます。タイル張り用のベニヤ板の下地造作が進んでいます。

青山N邸大工造作工事中

玄関ホールからの壁が、リビングに入ってから鈍角で曲がってくるのですが、そのコーナーのタイル納まりをどうすべきか指示して欲しいとの依頼がリフォームキューの岩波さんからありました。

コーナー壁のタイル割り付けモックアップ模型

弊社担当の岸本さんが作ってくれたタイルのコーナー収まりのモックアップ模型です。

コーナー壁のタイル割り付けスケッチ

小口面を磨いたボーダータイルを互い違いに入り組ませる納まりを施工側に投げたところ、タイル業者から「やってみましょう!」との力強い返答があったそうです。

タイル割に合わせた照明スイッチ位置

このタイル壁にはリビングダイニングの照明スイッチもレイアウトされますが、タイル上にスイッチを載せるのはどうにもスタイリッシュではないので、こちらもタイル割に合わせてうまく収める工夫を考えています。

浴槽とエプロンパネルが撤去されたオーダーユニットバスの壁へのタイル張り

その他では、既存のユニットバスの部分解体とお化粧直しが始まっていました。こちらのマンション全体が日ポリ化工のオーダーユニットバスだったようで、リフォームキューから問い合わせをしたところ、浴槽とエプロン部分だけを交換することが可能とのことが分かり、そのようにして貰うことになりました。
既に浴槽とエプロンが撤去されたユニットバスの内壁に重ね張り可能な薄型タイル(厚さ3.5ミリ!)のブクシースリムが張られ始めていました。

オーダーユニットバスから取り外した浴槽とエプロンパネル

こちらが撤去された浴槽です。浴槽を塗り直す技術もありますが、エプロン部分との収まりなどでタイルの重ね張りではうまくお化粧直しできない部分があったので、浴槽交換ができることは本当に助かりました。

来客用トイレの下地製作

来客用トイレの下地工事も進んでいます。

玄関廊下の天井ダウンライト照明位置図

ちょうど現場に入っていた電気屋の望月さんから、廊下天井裏の梁位置とダウンライトが重なっていて、取り付け不可能な部分があることを聞いたので、梁位置を正確に出してもらった上で、この図面のようにダウンライドを再レイアウトして貰うことになりました。

青山N邸大工造作工事中

リフォームキューの現場監督の滝川さん、大工の上野さん、電気屋の望月さん親子が、軽口を叩きあいながら、効率よく工事が進んでいました。