Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

薄型タイルのメリット&デメリット@二番町I邸

二番町I邸

二番町I邸の現場から、3.5ミリ厚の薄型タイル張りが始まるとの連絡があり、担当の神崎さんと一緒に張る様子を見てきました。

二番町I邸工事現場

薄型タイルのメリットは、

  • 何よりも軽くて施工が楽なこと、
  • 浴室などでは既存タイルの上にタイルを重ね張りしても良いこと(厚手のタイルはタイル上には張れません)、
  • また、クロスや塗装の壁とフラットに仕上げる際にも、タイルの厚みが薄いので、壁厚そのものを薄くすることができること

等が挙げられます。

デメリットとしては、

  • 種類が極端に少ないので選択肢が少ないこと、
  • 薄い割には安くないことなど

でしょうか。

薄型タイル_プクシースリム張り

今回は、洗面所の床タイルの上に増し張りしたかったことや、こちらの壁のように下部をタイルとして上部をクロスにして、両者がフラットに仕上がるようにした飼ったことから、共通してアドヴァンのプクシースリムというタイルを採用しております。

薄型タイル_プクシースリム張り

タイル職人さんに色々とメリットやデメリットを聞きましたが、寸法精度が高く、かつ軽いので作業が早くなること、マンション現場での資材搬入が何より楽なことは良かったとのことでした。背面には樹脂で補強されていますが、カットした場合に端部が欠けないかがちょっと心配だとは聞きましたが、こちらの現場では問題は無かったようです。

薄型タイル_プクシースリム張り

リビングダイニングのタイルは、壁に使っているクロスと色合いがうまくマッチしていました。

窓際キッチンの二重サッシ取り付け

本日は、もう一つ重要な工事が入っていました。先回のブログでも書いた通り、窓際にガスレンジが来る仕様なので、油煙が手の届かないキッチン裏のサッシにまで入り込まないように二重サッシを取り付ける工事でした。すでにキッチンキャビネットが入る正面窓の左下部分には壁が作られています。

窓際キッチンの二重サッシ取り付け

上下に窓を分割している横桟上には、引き違いのサッシを取り付け、下部には嵌め殺しのサッシを入れる計画となっています。

窓際キッチンの二重サッシ取り付け

壁に立てかけられているのが、引き違いの障子(窓の可動部分のことを専門用語では障子と呼びます)部分です。さりげなく背部に見えている壁には、冷蔵庫部分の壁を凹ませる工事が無事完了していました。

窓際キッチンの二重サッシ取り付け

上下左右のレールを入れるところまでは、時間が掛かりましたが、最後に障子を取り付けるところは、本当にアッという間でした。

窓際キッチンの二重サッシ取り付け

手前の二重サッシが入った状態です。奥の元からあったガラスには視線をカットする乳白フィルムを貼ってあることや、方立の位置を背面と表面で合わせたことで、存在感もそれほど強く感じないで済みそうです。

ミラー用コーナー金物の確認

リビングの柱型の存在感を消すために、柱の3面にミラーやカラーガラスを貼る予定ですが、その見切りも現場に届いていたので、チェックしてきました。

日米欧の家具屋ショールーム巡り

白金台E邸

先日プロジェクトが正式に始まった、白金台のヴィンテージマンションリフォーム白金台E邸の奥さまと一緒に、日米欧のハイブランドの家具屋ショールーム巡りをして参りました。

モルテーニの青山ショールームにて家具探し

まず最初に伺ったのが、イタリアモダン家具のモルテーニの青山ショールームです。初っ端の家具ショールームでしたが、奥さまにとっての運命的な出会いがありました!

お客さまが一目惚れしたモルテーニのラウンジチェア

それがこちらのジオ・ポンティデザインのラウンジチェアD.153.1でした。奥さまの一目惚れで、最初に見た瞬間から、とても気に入って下さり、布地も金属の脚の色もこのままのものをリビングに入れることが、早々と決定いたしました。
僕らも当初より、アジアンな家具などもお手持ちで、それらをインテリアに再活用してゆく考えのEさま邸では、モダンなイタリアンデザインの家具だけでは成り立たないだろうと思っていたので、1953年に作られたヴィンテージ家具の復刻版は、お宅の雰囲気にとても似合いそうだと思っております。

フレックスフォルムの青山ショールームにて家具探し

モルテーニのすぐ横にあるフィリップセルバを経て次に伺ったのはフレックスフォルムの青山ショールームです。1階入った奥に展示されているフレックス社の代表的ソファとされているグランドピースをとても気に行ってくださいました。こちらの2階の回転式の優雅な形のラウンジチェアも見て頂きましたが、やはり先ほどのモルテーニのラウンジチェアへの想いは全く揺るがないとのことでした。

ミノッティの青山ショールームにて家具探し

当日最後に伺ったのは青山にショールームを3店舗展開しているミノッティです。やはりイタリアンモダンデザインのハイブランド家具で、ソファの種類が多いのが何よりの特徴です。

ミノッティのソファの座り心地チェック

ミノッティでは、アンデルセンというタイプのソファがイメージに近いとのことで、座り心地を確認して頂きました。先ほどのフレックスフォルムのグランドピースと、こちらのアンデルセンの2つを窓際に置くソファの候補として見積りをお願いすることになりました。

アルフレックスの恵比寿ショールームにて家具探し

別日に訪問したのは、恵比寿のアルフレックスと青山のリッツウェルと六本木のタイム&スタイルです。アルフレックスでは、モルテーニでも案内をして貰った小牧さんに一通りの家具を見せて貰いました。残念ながらリッツウェルでは気に入ったものが見つかりませんでしたが…、

タイム&スタイルの六本木ショールームにて家具探し

六本木ミッドタウンのタイム&スタイルでは、ダイニングチェアで良さそうなものが見つかりました。

TIME & STYLEの六本木ショールームにて椅子の張地チェック

イタリア製のダイニングテーブルと日本のダイニングチェアでは、高さのミスマッチの問題があるのですが、タイム&スタイルのように海外展開している国産家具ブランドの場合は、海外仕様で高さがうまくマッチする製品が最初からあり、わざわざ費用を特別に出して高さ調整をする必要がないことを教えて貰いました。

西麻布のサァラ麻布ショールーム

こちらはまた別日となりますが、アメリカの家具としてサァラ麻布の西麻布ショールームに見学に伺いました。

西麻布のサァラ麻布ショールーム

階段室の端っこに、変形のコンソールで良さそうなものが見つかりました。採寸したうえで、リビングダイニングの展開図に落とし込んでみて、他の家具とのマッチングを確認したいとのお話になりました。

ベイカー@東京のトゥフェンキアンのラグ

もう一つ米国家具として、五反田のベイカー@東京が扱っているベイカーアーテリアーズを見に行きましたが、一番良さそうだと思えたのはトゥフェンキアンのラグでした。

ベイカー@東京のトゥフェンキアンのラグ

三種類の良い色味と柄のラグが見つかったので、それらを候補として参考見積りをお願いすることになりました。納期がそれほど掛からないことと、実際に空間が仕上がって家具などが入った段階で、こちらの大型サンプルを借りて部屋に置いてみたうえで発注しようとの話になっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

塗装下地作り@港区R邸

港区R邸

工事進行中の港区R邸は、大工さんの造作工事やボード張りがひと段落して、塗装屋さんの下地作りが始まっています。

港区R邸の工事現場

このリビングダイニングでは天井に貼られた濃いベージュ色の石膏ボード(プラスターボード)に白い帯や点々が打たれた部分が塗装下地用のパテ作業の跡です。手前でしゃがんでいる職人さんたちが塗装屋さんで、パテを練っている様子です。

主寝室の塗装下地製作中

こちらは主寝室でパテ作業をしている様子です。石膏ボードの継ぎ目は帯状にパテをしごき、ビスで下地に固定した箇所はポツポツと天井にパテが施されています。手前左側の壁端部は継ぎ目が多いので、全体をパテでしごいていますね。パテは一般に3度ほど掛けてゆきますが、何度目の作業かを間違えないために、ピンクや青の色を入れて、視認しやすいようにしています。

奥さまの書斎部屋の塗装下地

奥さまの書斎部屋もパテ処理が進んでいます。2段の折り上げ天井のメダリオン(天井に付ける円形の装飾要素)は既に白で下塗りしたものを設置してもらっています。

高さのある巾木のコーナー取り合い

床と壁の取り合い部分にある巾木も、クラシカルなデザインに合わせて、高さ25センチの特注の巾木を作って貰っています。

高さのある巾木の壁端部収まり

巾木も現場で白く塗装する予定なので、隠し釘と接着剤で固定していますが、釘の部分や継ぎ目はパテでしごいて貰っています。

お嬢さまの部屋の二段折り上げ天井の塗装下地

似たように見えるお嬢さまの寝室もパテ作業が進んでいます。天井のデザインは共に2段折り上げで、同じメドリアオンが付いていますが、こちらのお部屋には壁の装飾レーリングがありません。

ロイヤルの金物を壁埋め込みにしたシューズインクローゼットの塗装下地

こちらは玄関ホールに面したシューズイン・クローゼット(SIC)の内部です。棚板を三面の壁いっぱいに展開する予定ですが、ロイヤル社の店舗用陳列金物を使うことになっています。細いレールを埋め込んだ壁も塗装仕上げなので、丁寧なパテ作業が進んでいました。

変形折り上げ天井の塗装下地

広いリビングの天井も、コーナー部分にカーブを入れた折り上げ天井が出来上がりつつあります。

変形折り上げ天井の塗装下地

下から見上げると、カーブしている箇所が良く分かります。紫色のテープで養生されていますが、先日のブログでお見せしたカーブ状の金物もすでに取り付いていました。折り上げ中央のベニヤが張られた部分には小割の黒いカラーガラスが張られる予定です。

カーブ部分の金物と石膏ボードを造作は、金物を型として先に取り付けて…、

加工場でカーブに合わせて事前に作っていた木製下地を入れて、石膏ボードを張ってパテ処理する方法で作って貰いました。

ダイニング上のエアコン点検口の実地検討

こちらはダイニング直上の天井部分です。隠蔽型エアコンの本体が2つ入っており、メンテナンスでフィルターの清掃をする必要があるため、パネル仕上げとして、取り外すことができるように考えています。実際にはエアコンの機械が詰まっているので、どの場所で、どの程度のサイズのパネルであれば取り外しができそうかを実験している様子です。

ダイニング上のエアコン点検口の収まりスケッチ

こちらはそのパネルの取り外しシステムを、現場監督の織田さんが事前にスケッチしながら考えてくれていた資料です。

ダイニング上のエアコン点検口のフチ

パネルを固定するための廻り縁(マワリブチ)は既にセットされていました。

フロアヒンジの天井部材ディテール

その他の細かい箇所の取り合い状況です。ガラス張りの廊下天井と、石張りの天井フレーム、そして造作家具が取り合う交点は複雑な段差が作られていました。白いシールが張られた長方形の金物はピボットヒンジの頭の部品です。

仕上がりの異なる接合部の天井下地造作

来客用トイレの扉は、袖壁なしの変形収まりとなっていますが、玄関廊下のガラス天井や、プライベート廊下の磨き仕上げの突板壁との取り合いで、変形の収まりになっていました。

来客用トイレの工事打ち合わせ

ちょうどその来客用トイレの入り口付近で、リフォームキューの営業&設計の坂本さん、現場監督の織田さん、そしてウチのスタッフの前田君が打ち合わせをしていた様子です。

キッチン横のダクトスペースの三次元的活用法

こちらはダイニング横の柱型です。DS(ダクトスペース)として上から下まで柱状になっていましたが、開けてみると上部だけしか設備ダクトは無かったので、下部を2方向から使える収納として活用するアイデアとしています。ダイニング側はストックの水の保管庫、キッチン側はエスプレッソマシーンなどを置くミニカウンターとして活用する予定です。

キッチン横のダクトスペースの三次元的活用法

同じく、もう一つ上部だけしか使われていなかったDSは、ウォーターサーバー置き場とキッチンカウンターの奥に物をちょっと隠せるミニコーナーとしての利用を考えています。

TVカウンターの造作下地

徐々にリノベーション空間の祖形のようなものが見えてきました。ここからは仕上げ材の大理石やカラーガラス、造作棚等が収まって、一気に空間が出来上がってゆくプロセスへと移ってゆきます。