Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

素材の海で溺れそうになりながらのファブリック&ラグ選び

港区R邸

建築工事の素材選びはある程度メドが見えてきましたが、奥さまの書斎とお嬢さまの寝室のカーテンやレース等のファブリック、ラグやベッドリネン探しが本格化して参りました。

ファブリック&ラグの打ち合わせ

といっても、奥さまたち女性陣が考えていらっしゃるのは、僕らがこれまでお手伝いしてきたような世界観とは大きく違って、もっとロマンチックな雰囲気に、黒などを使ってギュッと引き締めるようなイメージだと伺っていたので、インテリアコーディネーターの資格も持っているスタッフの間瀬さん中心にお手伝いしております。

ファブリック&ラグの打ち合わせ

黒に紫、光沢のあるシルバーやシャギーな素材等、どれをどう組み合わせると、素敵に見えるのか、素材の海の中で溺れそうになりながら、必死についていっております…。

ナショナルインテリアのケースメント実例

奥さまも素材だけではどうしあがるのかが見えないとのことで、奥さまと間瀬さんで一緒にナショナル・インテリアのショールームに行ってもらいました。

ナショナルインテリアのバタフライ柄のレース生地

こちらの蝶々柄のレースは、お嬢さまが気に入ってくれそうだとサンプルをお願いしたそうです。

奥さまのベッドスプレッドの候補@マナ・トレーディング

こちらは別日に訪問した、マナ・トレーディングで見かけたベッドスプレッドの候補だそうです。

黒のシャギーラグ

こちらの黒のシャギーなラグもマッチしそうだとのことでした…。

クッションの張地ファブリックの打ち合わせ

マナが扱っているイギリス製のファブリックのZINC社のものは、これまで幾度か採用させて貰ったことがあるので安心感があります。

クッションファブリックの候補

ミノッティで選んだソファのレザーの張地が、比較的シックで落ち着いたイメージだったので、ZINCなどのファブリックでクッションを作ってはどうかという話にもなったようです。

大塚家具のベッドのヘッドボード

ご主人さまのベッドはイタリアのフルー社のものですが、マットレスは使い慣れたものが良いとのことや、奥さまやお子さまたちのベッドは色々と見比べたいとのことで、大塚家具のショールームに行って頂きました。こちらのベッドのヘッドボードが良さそうだとのことで、写真を撮ってきてもらったものです。

素材の色決め打ち合わせ

ファブリック類以外でも、まだ細かい素材の決定が残っていたので、ご主人さまにも同席して頂いたお打合せで、順次決めさせて頂きました。

ドライルームのガラス建具の色確認

こちらは、息子さんのクローゼットやランドリーコーナーの間仕切り扉で使うライキ(コンフォート社)のアルミフレームとガラスの色を決めて貰った様子です。
時に素材の海の中で溺れそうになりながら、何とか奥さまやお嬢さまにも気に入って頂けそうな空間に仕上げてゆくことができそうです…。

 

新規プロジェクト:白金台E邸が始まりました

白金台E邸

事務所の近所でもあり、各務が生まれ育った町でもある港区白金台にて、また新しいリフォームプロジェクトが始まります。

白金台E邸リフォーム前_既存リビングダイニング

これまでにも幾つかのお部屋のリフォームのお手伝いをしたことがある、築30年弱のヴィンテージマンションの160平米の最上階のお宅です。

白金台E邸リフォーム前_既存リビングダイニング

同じマンション内で僕らがお手伝いした再販用のお部屋をご覧になってのお問い合わせから、プロジェクトがスタートすることになりました。
Eさまご一家は、以前よりこちらのお部屋にお住まいで、アートのコレクションもお持ちで、素敵な家具も集めていらっしゃいましたが、それらをレイアウトする空間そのもののクオリティーが不満だったとのことです。今回の計画では、部屋割りは大きく変えませんが、仕上げ材をグレードアップして、使い勝手を良くするための全面リフォームを計画することになりました。

白金台E邸リフォーム前_既存キッチン

可動間仕切りでダイニングから仕切られたキッチンは、中途半端なイートインカウンターが使いづらいとのお話でした。

白金台E邸リフォーム前_既存キッチン

コの字型のキッチンは動線もコンパクトでレイアウトは気に入っていらっしゃいましたが、収納が不十分であることや、ガスレンジやレンジフード、シンクなども最新のもので提案してもらいたいとのご依頼でした。

白金台E邸リフォーム前_既存キッチン

カウンター下に左から食洗器、ガス乾燥機、洗濯機が並び、左端にはGEの大型冷蔵が入っており、いかにも外国人用の住宅の設備レイアウトでした。カウンター下の開き収納や引き出し収納が足りていないので、いつもカウンター上に色々なものが並んでしまうのが、不満だったとのことでした。

白金台E邸リフォーム前_既存リビング

リビングダイニングの窓際はきれいにしたいことや、ソファとダイニングセットなどは買い替えたいこと、更に見せる収納と隠す収納を考えて欲しいとのご依頼も受けております。照明計画も外国人仕様で、全体に暗いので、インテリアやアートに合わせた照明計画を提案するお話となっております。

白金台E邸リフォーム前_既存玄関ホール

玄関も素敵な調度品やアートがありますが、照明のせいで、立体感の乏しい空間となっているように感じました。

白金台E邸リフォーム前_既存主寝室収納

主寝室は収納不足なので、とにかくクローゼットの量を増やしたいとのご依頼でした。

白金台E邸リフォーム前_既存書斎

元々ご主人さま専用のものとして作られた書斎でしたが、居心地が良いのかお子さまたちも使うようになったので、テーブル面を大きくして、収納もより有効に使えるようにしたいとのご希望でした。

白金台E邸リフォーム前_既存来客用トイレ

こちらは来客用のトイレですが、水回り全般も古びてきているので、設備を刷新してインテリア好きなお二人に合わせたデザインを提案することになっております。

 

作り付けTVカウンターの下地工事@港区R邸

港区R邸

港区R邸の現場にて、リビングダイニングの壁に作り付けTVカウンターの下地工事が始まっていました。

ダイニング側からTVカウンター正面を見たアングルの写真です。大工の蓮池さんの背部にベニア板が張られた箇所が、そのTVカウンターです。

ベニア板の一部が凹んだ箇所に壁掛けTVが埋め込むような形で設置され、その周りにポルトロという大理石が張られる予定となっています。下には突き出し形のようにカウンターを設け、デザインでどっしりとした安定感を演出しようと考えています。

下の片持ち(片側の壁や柱だけから持ち出す形で支える)突き出しカウンターの構造が、下から覗くとよく分かります。下地となる壁裏には鉄骨(赤い柱)を入れ、そこからアングル金物(銀色の三角形の金物)などで、持ち出す構造としています。

この持ち出しカウンターにも大理石を張って、一体化するデザインとしています。

R家のお子さまはお二人とももう十分に大きいので、このカウンター上に乗っかって遊ぶことはし無さそうだと思っておりますが、試しにスタッフの前田君に乗って揺すって貰いましたが、ビクともしないほど頑丈に取り付けられていました。

似たようなデザインの片持ちTVカウンターは南麻布K邸でも作って貰ったことがありましたが、工務店が違うと作り方も微妙に違ってくるのが面白かったです。

このTVボードの周りには、違った大理石でのフレームを廻しますが、そのフレーム上の大理石を張るための下地も壁背部の鉄骨から金物でしっかりと固定されています。大理石フレームにはダウンライトを仕込むので、そのための穴もすでに開口されていました。

リビングの一角には、写真のような一部がカーブした不思議な金物が搬入されていました。こちらは実はコーナーがカーブした折り上げ天井に沿って貼る金物でした。

大工の工藤さんが折り上げ天井裏のベニヤ板を張ってくれていますが、この四周に先ほどの金物を張るデザインとしております。

主寝室は壁付けテレビを設置する下地が作られ、折り上げ天井も組まれていました。

息子さんの寝室のTVも、やはり壁に埋め込んだようになさりたいとのご要望があって、急遽壁を付加してTV用のニッチを作って貰いました。

パッと見ると、完成まではまだまだの状態のようですが、仕上げ材を張るための下地は3人の大工さんによって順調に作られていることを確認して参りました。