Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

造作家具の組立て@恵比寿A邸

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトの告知ブログです。
先回のブログで恵比寿A邸の造作キッチンの組立て状況を書きましたが、実はキッチンと同時にその他の造作家具の組立ても進んでいます。

こちらは、廊下からLDKへ入る建具の横にくる飾り棚収納です。枠材は黒の鏡面磨きで、背面にはカラーガラスが入るという凝った、逃げが無い造りとなっていますが、担当スタッフの前田君の細かい指示と、造作家具屋のアルノの粘り強く精度の高い加工技術で、うまく収まりそうです。

展開図を元にして、造作家具屋のアルノが最初に作ってくれた図面がこちらです。細かい寸法や取り合いは赤チェックで直していますが、実は上下の枠の納まりがこれでは上手く行っていないことが判りました…。

そこで前田君が作ったのがこちらの指示図です。腰下と腰上で、一旦カウンターで分かれている造作家具ですが、上下の枠をどこ位置で合わせるときれいに見えるかを検討してくれたのがこの指示図なのです。

細かい図面修正を経て(竣工お引き渡し時)完成したのがこちらの飾り棚です。

飾り棚の隣にはレザー張りの建具が入ります。この写真はまだレザーパネルが張られてなく、取っ手上のガラスもまだ入っていない、すっぴん(笑)の状態です。
その他、ワインセラー置き場やカラーガラス張りの収納、ベッドサイドのナイトテーブルの造作状況の開設はこちらのブログをご覧ください。

マンションリノベとガス乾燥機・乾太くん

新宿区T邸

マンションリノベーションでもお客さまからのリクエストがとても多いガス乾燥機の乾太くんですが、乾太くんを発売しているリンナイのホームページの特設ページ「置ける?乾太くん」の設置診断から、→マンション→分譲→ガスを使用している、と入力すると、以下の画面となってしまうのです。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

「乾太くん、ほぼ置けません…」。注意書きを読みと、置けるとしてもベランダに設置するしか方法が無いように書かれています。ちょっと前までは、「乾太くん、置けません…」と表示されていたことを考えると、それでもまだ多少はマシですね…。
それでは新築ではないマンションでベランダ以外はダメかというと、実は可能性が無い訳ではないですから、諦めないでください!(とはいえ、ハードルはかなり高いですが)
ガスと電気が来ていること、乾燥機を置くスペースが十分にあること以外の必要条件としては、以下の項目となります。
・乾太くんの設置場所から外壁側の排気口まで、80φのダクトの場合8メートル2曲がり以内で接続できること
・乾太くんの設置場所から外壁側の排気口まで、100φのダクトの場合10メートル4曲がり以内で接続できること
・外壁側の排気口は、軒裏出しはダメ
・外壁側の排気口にはベントキャップ取付けが必要
となります。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査


通常のマンションでは、外壁側貫通スリーブ(給排水や換気設備の配管を通す為に、コンクリートの梁や壁などにあらかじめ設けられた管や穴のこと)のサイズが、レンジフードの排気以外は径が小さく、上記のダクトを排出する穴が無いことが大きなハードルになっているのです。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

ただ、こちらの新宿区T邸は、マンション新築時には2住戸に分割できるオプションがあったお宅だったので、キッチンを2つ作ることができる排気ルートがあったのではと推察していました。

ガス乾燥機だけでなく、他の換気や排気、給気のルートも確認する必要があるので、副所長の前田君が整理してくれたダクトルート図がこちらです。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

ユーティリティーを設ける予定のエリアの天井点検口を開けて、長い脚立を使って天井裏のぞき込んで貰いました(本当は脚立の最上部の立ってはいけませんね…)が、梁や空調機器で奥が見えなかったので…、

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

施工をお願いする予定の青の樋口さんにホルソーで窓際の天井カ所に穴を開けて貰いました。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

が、梁直下で何も確認できませんでした。細身の織田さんにダウンライトの孔からスリーブや既存ダクト径を見て貰った所、50φのダクトしか通っていないことが判り、天井裏からのカンタ君排気ルートは諦めることになりました。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

もう一つ僕らが着目したのが、こちらのガス給湯器です。よく見たことがある形状のガス給湯器ですが、給湯機本体はこのボックスの上部で、下部はパネルを外すと…、

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

このような壁を貫通したガス管や給水給湯管、更には床暖房や浴室の追い炊き、浴室暖房乾燥機用のペアチューブを隠しているのです。

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

配管が所狭しと詰め込まれているので、それらを避けてのぞき込んだ所、

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

このようなステンレスパネルが現れました。この背部に外壁スリーブが空いているかどうかをチェックするために…、

マンションでガス乾燥機の乾太くんを入れるための再調査

外壁側PSの内側壁の石膏ボードに穴を開けてみた所です。

マンションリノベと乾太くん

外壁躯体にかなり大きな開口(灰色の四角い部分です)が当初から開けられており、それらを整理すれば「乾太くん」の排気を確保できるかもしれないことが判明しました!

ちょうど既存の外壁開口の高さが、内側に床置きでガス乾燥機のカンタ君を設置した高さで排気ダクトをそのまま外に出せる高さとマッチしていることも分かったので、まずは施工会社の青とその下請けのガス会社に実際にこのような工事ができるかを確認するための資料を作って見せた所、OKとの返事が届きました。お客さまも憧れのカンタ君ができるのであれば、是非この方法で導入したいと盛り上がってきているので、この形でマンション管理組合に申請することになりました。理論的には新しく外壁に穴を開けることもなく、管理規約に違反する要素が無いので、通るだろうと信じております…。

因みに、これまでマンションで2回ガス乾燥機を導入したことがありますが、こちらの事例関西M邸は、新築マンションの最上階オーナー邸だったので、比較的容易に設置することができました。

同じく関西の関西I邸は、今回の新宿区T邸と同じように、2住戸を合体させての大型住戸だったので、かつてのキッチンの排気ダクトルートを使ってガス乾燥機を設置することができました。

造作キッチンの組立て@恵比寿A邸

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトの紹介ブログです。
新築高層マンションリノベーションの恵比寿A邸の現場で、いよいよクライマックス部分となる造作キッチンの組立てが始まりました。

恵比寿A邸_造作キッチン家具組み立て

こちらの写真はある程度組み上がってきてからの写真ですが、まず最初は…、

恵比寿A邸_造作キッチン家具組み立て

本当に地味な搬入から始まります。キッチンの箱となる部分が大量に運び込まれて、ワンルームのLDK空間が一杯になりました。

まずはベースとなると下台が組み込まれていきます。このように並べるだけだと簡単に見えますが、実際は一つ一つのキャビネットのレベル(水平度)と位置関係を厳密にレーザー測量機を使った測りながらの相当に慎重な作業となります。

キャビネットの箱の中を覗くと、このように床下と繋がる給水給湯、排水管や、壁裏からの配線も通しながらの組立て作業となります。

この後、造作キッチンの完成までをザ・ライブラリーブログにてご紹介しております。