Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

床下地&ユニットバス設置@西麻布N邸

西麻布N邸

西麻布N邸の工事が色々なフェーズで進行中です。

まずは床下地です。マンションの管理規約では「LL40及びLH50を目指すもの」との記載がありますので、遮音下地業界(そのような業界があるかはよく分かっていませんが…)で最も信頼がおける会社の万協フロアーYPE-S4タイプの標準仕様にTGボードを加えて、さらに下地の下にはグラスウールを敷く仕様で下地を作って貰っています。

ミアダのように切れ目が入っているのが厚み20ミリのパーティクルボードで、黒いシート状のものが、4ミリ厚のアスファルトシートです。

窓際やリフォーム前に水回りがあった個所にはシンダーコンクリート(かさ上げのためのコンクリートで構造的には意味がないもの)が打たれているので(遮音のためにはハツッてしまいたいところですが、工事でのハツリも厳しく制限されているので)、それは残したままパーティクルボードをフラットに仕上げて貰っています。

床下に配管が通っている箇所については、(床下寸法が十分にない為)従来もそのように作られていましたが、配管を避けながら遮音下地を入れて貰っています。

やはりシンダーコンクリートが打たれていたかつての浴室は、新しい排水管を通すために、工事騒音がなるべくしないようにコア抜きで溝状にハツって貰っていましたが、そこに排水管と給水管が通されていました。

もう一か所の浴室だった箇所にはシャワーユニットが設置され、

家族共用の大きなオーダーユニットバスも設置されました。ともに東京バススタイルにお願いしたものです。

オーダーユニットバスの内部です。PS配管の形が室内に出っ張った形となっているのですが、変形なことを逆手にとって、水栓前のライニング上のタイル色を変えてニッチ状に見せています。また、大きな室内なので浴槽前にはアクセントで金と銀のタイルを張っています。

浴室の奥が広くなっていることを利用して、ジャクソンの大型浴槽のAbbraccio(アブラッチオ)を採用しております。浴槽手前壁(エプロン部分)は将来のメンテナンスのために、タイルを後張りとしてシールで納める予定となっています。

主にご主人さまが使う予定のシャワーユニットは、ユニットバスと違って、黒を基調としたスタイリッシュなデザインになっています。

ユニットバスとシャワーユニットの設置も無事終わったタイミングで、お客さまご夫妻が現場に来てくださいました。

ユニットバスの広さも現地で確認して頂きました。

ご主人もご自身がメインで使うシャワーユニットも確認して、「もっと狭いと思っていましたが、十分な広さがありますね」との感想を述べられていました。シンダーコンクリートを溝ハツリして作った配管経路のことは、現場監督に石山さんを労ってくださいました。

現場内に机をセットしてもらい、現地の光環境で、仕上げ材の最終確認もして頂きました。

事前にメールでお送りしていた、担当スタッフの前田君が作ってくれた着彩スケッチの洗面と脱衣スペースの資料をご一緒に見ながら、

それぞれの場所にどのような素材を使うかの最終決定をさせて頂きました。

また、カーテン&ラグ専門店のオーシマプロスでご提案していたラグは、サンプルをショールームからお借りしていたので、それらもご一緒に触り心地などを確認しながら最終決定をお願い致しました。

 

 

住まいのリフォームコンクール2017授賞式

青山P邸

公益財団法人_住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の「住まいのリフォームコンクール2017」にて、僕らが設計をお手伝いした青山P邸プロジェクトが優秀賞を受賞しましたので、その授賞式に参加して参りました。

リフォーム・リノベーション業界では、最も権威のあるコンクールで、僕らもこれまで2006年に高輪S邸茶室で優秀賞、2011年には高輪I邸で(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター理事長賞と目黒S邸で優秀賞を、2012年には田園調布F邸(共同設計:中西ヒロツグ氏)で優秀賞を、2013年には神戸M邸で優秀賞を、2014年には世田谷区N邸で優秀賞を頂いてきました。

今年は青山P邸リノベーションで優秀賞を受賞することができました。リフォーム前の青山P邸は平面的にも断面的にも凹凸の多い空間でしたが、リビングダイニングキッチンをメインの空間と、ニッチ空間に分けて、特にニッチ空間には、ライブラリーや読書コーナー等のように使い勝手や空間の雰囲気を特色付けて整理したことを上記の応募フォーマットで力説してみました。

お客さまのPさまはお仕事の都合でご参加頂けませんでしたが、施工をお願いしたスタイル・イズ・スティル・リビングの齊藤社長、そして育休中のスタッフの竹田さんはお子さまのO君と一緒に授賞式に来てくれました。

竹田さんと僕、各務はマンションリフォームマネジャーの資格も持っているので、優秀賞と併せて、マンションリフォームマネジャー賞も頂いてしまいました。

今回のコンクールの大賞に当たる国土交通大臣賞は、幾度か共同で設計をしたこともあり、一緒に本を書いたこともあるイン・ハウス建築計画の中西ヒロツグさんと相越直子さん、そして田園調布F邸の施工でお世話になった参創ハウテックの小園さんが受賞されました!

トップ4賞を受賞された方々は、授賞式の後にプレゼンテーションの機会があり、最優秀賞の中西さんたちのプレゼンテーションもじっくり勉強させて頂きました。改めて、中西さんと相越さんと小園さん、国土交通大臣賞受賞、おめでとうございます!

 

 

 

カーペット&ラグのオーシマプロスショールーム訪問

西麻布N邸

カーペットとラグ専門のオーシマプロスの下目黒のショールームを訪問して参りました。以前、横浜A邸リノベーションプロジェクトでラグを使わせてもらった際には、こちらのイメージをお伝えして、サンプル帳を持ってきて頂いての打ち合わせでしたので、ショールーム訪問は初めてでした。

日本では、ある程度以上の高級カーペット&ラグのショールームは、カーテンやファブリックの展示と混ざっていることが一般的で、ラグだけを集中して探しにはあまり適していないと感じていましたが…、

こちらのショールームはラグとカーペットだけに絞った展示で、とても見やすい印象でした。

大きなサイズで展示されている品数は少ないですが、こちらのイメージを担当の大西さんに伝えると、沢山のサンプル帳の中から、良さそうなものをどんどん出してくれるので、色と素材感の海の中で泳いでいるような中で、サンプル選びを楽しませて頂きました。

今回は西麻布N邸のリビングダイニングで検討しているラグを探すのが目的でした。リビングには大きなミノッティのソファーの下に敷くラグで、4×3メートル程度の大きなものを探していましたが、厚みがあってフカフカしたものだととても一枚では搬入ができないので、大西さんからのご提案で、2枚のラグを現地搬入時にアイロン溶接してもらう形となりそうです。ダイニングテーブルの下のラグはお子さまがまだ小さいので、こぼれた食べ物で汚れても目立たないものということで探しています。

リビングのラグは、イギリスのCormar社のセンセーションシリーズを軸にご提案することになりました。耐久性があり、ポリプロピレン製ながら手触り感も良く、厚手でニュアンス色を揃えていることが決め手になりました。溶接するので、二色を並べたものを二枚溶接する形になりそうです。端部はオーバーロック加工でお見積りを依頼致しました。

ダイニングのラグは3.6×2.2のサイズで、デンマーク製のナイロン製のものが候補に挙がりました。写真のように、色が複雑に混ざったタイプで、色味も豊富で、何より食べこぼしの汚れに強いことが一番の理由です。こちらのラグの端部はボンド加工です。

ご提案する西麻布N邸では、主寝室と子供部屋と、プライベートスペースの前室、そして二つのウォークイン・クローゼットがカーペット敷き込みを予定しておりますので、国産の比較的安価なものと米国製のフカフカした高級品と併せてご提案書を作りました。

メイントピックであるリビングダイニングのラグについては、オーシマプロスの他のラグ、いつもお世話になっているマナトレーディングの高級ラグも併せて2枚のシートに分けてご提案致しました。

これら資料を事前にお客さまのところにメールで送ってザっと目を通しておいて頂いた後、それぞれのサンプルとお見積りを纏めたものを持って伺い、最終的に上記のオーシマプロスの2種類のラグにご決定頂きました。