Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

メゾネットマンションの階段リフォーム打ち合わせ

西麻布N邸

現在解体工事が進行中の西麻布N邸は、大型のメゾネット(上下階を階段で繋いだ住戸)となっています。リビングダイニングの真ん中にある上階への既存階段を残しながら、手すりや踏板を作り直すことになっており、その打ち合わせを施工会社と致しました。

私、各務が手に持っているのが、階段と上階スラブの取り合いを分かりやすく説明するために、新人スタッフの神崎さんに作ってもらった模型です。

既存階段は丸形鉄のトラスでササラを作ったシンプルな作りですが、天井の開口部との取り合いも大きく変えるので、このような模型を作ってみました。左右のササラの横の色が違っていますが、これはお客さまとの打合せ用に2種類のバージョンを作ってみたものです。

こちらが設計側で見積り時に作っていた階段部分の展開図です。

模型は、取り合い部分が重点的に検討できるように作ったものです。現場にしばらく置いておいてもらうことになりました。既存の階段は歪んだ箇所もあるので、どのように新しい手すりを取り付けてゆくかは、もう少し検討が必要になりそうです。

同じタイミングで、造作家具屋さんも事務所に来てくれたので、こちらが作ったディテール図をベースに打ち合わせをさせて貰いました。

造作家具と絡む建具も多いので、枠の取り合いや金物の相談もできて、実り多い打ち合わせとなりました。

大規模修繕工事に伴ってのベランダウッドデッキ撤去工事

白金台S邸

約8年前にマンションリノベーションのお手伝いをした白金台S邸のお客さまから、この度マンションが大規模修繕工事をすることになり、管理組合からベランダのウッドデッキと植栽を一時撤去して欲しいとの依頼があったとの相談を承りました。

マンションには大規模修繕工事はつきもので、ベランダには防水工事のやり直しなどがあることは、当初から考えていましたので、大きく張ってあるウッドデッキも実は4枚か5枚ずつに分割されており、大人二人で軽く運べる重さにしてあったり、下地となっている大引きも簡単に取り外せるようなシステムとしていました。

こちらが計画時に作っていたバルコニーの図面です。ウッドデッキ材は材の比重が分かっているので、使っているウッドデッキのサイズと枚数、下で支えている根太のサイズまでの重量を計算していました。

取り外す前はこのような状況になっていました。中央部分は、避難経路として下階への避難ハッチがあるので、よけてウッドデッキを張っていました。

そのウッドデッキの横には、園芸会社と相談して設置してら貰った植栽がこのように伸びていました。この写真の正面左手にはルーバー上の木製衝立(ついたて)がありましたが、これも既存の手すりにクランプで取り付けるシステムで考えていたので、取り外しが容易にできるようになっていました。

リノベーション工事をお願いした青の片岡さんと樋口さんに見積りをお願いした上で、金額的にも問題ないとのSさまご夫妻の了承を得て、ウッドデッキと植栽の取り外し工事を行いました。

プランターに入っていた植栽をまず撤去して、それから順次ウッドデッキと大引きを外してゆきました。

室内もこのように家具をずらして、搬出用の通路を作り、ブルーシートでしっかり養生しながらの作業となりました。

大きく育っていたシンボルツリーについては、最後にお願いした植栽屋さんに大きく刈り込んでもらい、枝を縛って運び出してもらいました。

こちらが植栽屋さんのトラックに積まれた植栽類です。大規模修繕工事が4か月以上続く予定なので、一度植栽屋さんの敷地に植え込んでもらい、水をやりながら世話をしてもらう費用、そして工事完了後に再設置してもらう費用まで考えてもらいました。ウッドデッキについては、これを機に傷んでいた箇所は部材を交換して、保護塗料の再塗布までお願いしています。

こちらがすべての撤去が終わったベランダの様子です。水拭きまでしてくれたので、本当にきれいさっぱりになりました。マンションは、戸建て住宅とは違い、居住者で作る管理組合の考えで大規模修繕などが行われるので、専有使用権のある共有部であるベランダなどの作りこみは、補修やメンテナンスに備えて、後日容易に取り外せるような工夫が必要なことを再認識致しました。

 

 

 

スケルトン解体状況の確認@西麻布N邸

西麻布N邸

解体工事がほぼ終わってスケルトン状態(コンクリートの床壁天井がほぼ表しになった状態)の現場をお客さまと一緒に確認致しました。

230平米の大型マンションで、従来は4寝室あった間取りを2寝室にして、その分リビングダイニングを広くするリノベーション計画なので、とにかく広いLD空間が取れそうです。

解体工事の際の騒音の問題で、間取りを変更することになった浴室周囲の状況を、お客さまのNさまご夫妻に説明させて頂きました。

比較的築浅のマンションではありましたが、床下の給水給湯管は古いタイプのものだったので、全面的に交換することになっています。

こちらはマンションでは珍しい暖炉のリノベーションの説明です。以前は露出されていた暖炉の煙突部分は、大理石で囲う予定なので、さらなる断熱が必要になることや、形を変えることで、断熱レンガの積み増しなどが生じることをご説明させて頂きました。

実は、お客さまとのお打合せの前に、このマンションの暖炉を作った施工会社を見つけて、担当者に現場に来てもらって、こちらのデザインを実現するためには、どのような措置が必要になるのかを事前に研究しておりました。

解体状況を見て頂いた後には、施工会社に用意しておいてもらった現場の打ち合わせ机で、仕上げ材の最終確認をさせて頂きました。

やはり現地にて、日中に本物の光の中で素材を見たほうが実感がわきますね。階段のササラ(横板で全体の荷重を支える部材)の色味も、幾つかのサンプルを現場で見ることで、少し鈍い金色で塗装することに決まりました。

 

解体が終わった現場に置かれている打ち合わせテーブルの大きさで、この空間の大きさが想像できるでしょうか。これまでお手伝いしてきたリフォーム&リノベーションでも最も大きなリビングダイニングになると思われるこの西麻布N邸、これからどのように変化してゆくかどうぞ楽しみにご覧下さい。