2016.09.30
玄関ホール床のライムストーン張り@元麻布I邸
[元麻布I邸]
工事が進んできた元麻布I邸の現場で、玄関ホール床のライムストーン・モカクリーム張りが始まりました。
マンションの床に石を敷く場合、二通りの工法があります。一つは遮音性能を確保した二重床を作り、その上に接着剤を使って張ってゆく方法で、もう一つがセメントを混ぜた砂(バサモルタル)を敷き込んでそこにセメントペースト入りの水(ノロ)を掛けながら張ってゆく方法です。
最初の方法は遮音性能が確保されたうえ、接着剤を使っているので、施工スピードは早くなりますが、二重床の性能的に揺れてしまうので、石同志の目地部分は動きに追従するシールで納めることになります。写真は、玄関ホールに運ばれた大判のモカクリームです。
今回は、元々の玄関ホールと同じ施工方法ということで、後者のバサモルタルを使っての施工となりました。こちらの方が、沈み込みがないので、目地を極限まで細くすることが可能で、今回はほぼ突きつけで敷き込んでもらいました。大きな面積を、下地から作ってゆく必要があるので、時間も掛かりますし、赤いレーザーの線が見えていますが、この線に沿ってフラットに納めてゆくのは熟練の技が必要になります。
玄関ホールは、ライムストーン張りの為に封鎖してしまうと、他の工事が進められなくなってしまうので、今回は廊下幅が広いことを利用して、入って正面に向かって右半分から張り始めて、そちらが終わってから左半分を敷く方法で進めてくれたようです。
同じタイミングでキッチンの床には大理石調タイルが張り始められました。
こちらは二重床上に接着剤を使って張ってゆくのでスピードが早く、一日でこれだけの面積を張り上げることができたそうです。
ちょうどキッチン奥の窓から自然光が入ってきて、ツヤのある仕上げのタイルなので、少しでも歪んでいると目立つので、不陸調整が一番大変だったとのことでした。
日程が前後しますが、工事工程の半分を超えて、もうすぐ仕上げ工事が始まる段階での現場の様子です。ダイニングからキッチン側を見ているアングルですが、キッチンを開閉できる建具の枠が取りつき、天井も最初の一層目の石膏ボードが張られ、二枚目が重ねられ始めています。
キッチンに立ってリビングダイニングを見返すとこのようになっています。まだ、LGSを立て始めた頃からそれほど進んでいないように見えますが…
この写真で、壁タイル上部に細くて白いレールのようなものが付いているのが見えるでしょうか。これはピクチャーレールなのですが、こういった細かい作業を進めて貰っていたので、大きな構成が変わっていないように見えるだけで、実際には工事が着実に進んでいるのです。
こちらが、大工の蓮池さんがピクチャーレールの固定作業を進めてくれている様子です。
こちらは主寝室ですが、こちらも壁際で天井に近い個所にピクチャーレールが取り付けられています。
主寝室には、このようなモールディングが取りつくので、その高さに事前に合わせた位置にピクチャーレールが取り付けられていたのです。
こちらは書斎コーナーですが、壁のクロス張りの個所に、クロスがのっぺりと見えないように目地が4本埋め込まれています。
幅木も既に取り付けられていますが、コンセントを幅木の中に収める計画なので、幅木をこのようにくり抜いて貰う作業も進めて貰っています。
そうこうしているうちに、ユーティリティースペースの床の大理石調タイルが張られ、
来客用トイレの壁と床には、フィアンドレ社の大判スタトゥアーリオ柄タイルも張られていました。
お施主さまのIさまご夫妻も、頻繁に現場に足を運んでくださっています。リビングのTVコーナーにて、スピーカーの位置を確認して頂きました。
主寝室では、ちょうど天井廻りのモールディングが張り終わったので、その様子を見て頂きました。
こちらは、玄関ホールからリビングに入る個所に設置予定のレザー張り建具のデザインとサンプルを確認して頂いている様子です。
プライベート廊下の幅と既存建具を再利用した枠部分も確認して頂きました。
現地には第一陣の造作家具の箱も運ばれていましたので、これから造作家具の組立ても順次始まってゆく予定です。因みに、こちらの家具は、洗面カウンター家具のボックス類です。
2016.09.27
クロスパネルで作るニッチのディテール検討
[一番町A邸]
一番町A邸では、玄関ホールからリビングに入る扉の横に、大きなクロスを張ったパネル壁を作る予定です。通常は、ボードで仕上げた壁の上に、5.5ミリ厚さのベニヤ板を目地を取りながら張りつけ、そこにクロスを巻き込んでゆきます。ただ、今回はそのパネル壁の一部をニッチのように凹ませて、照明のスイッチプレートを仕込もうと考えております。
うちの担当スタッフの前田君と立体的なスケッチを描いて考えてみたのですが、目地が3次元に複雑に絡んでしまうので、上手く表現できず、簡単な模型を作って貰うことなったのがこちらの模型です。実際に作るニッチとはプロポーションが違っていますが、どこにどのように目地が通ってゆくかはきちんと表現されています。
こちらが現地のニッチの個所です。ちょうど壁が折り曲がるコーナー部分にニッチがあるので、格段と難しくなってしまいました。
工事現場のリフォームキューの現場監督の富田さんと打ち合わせの様子です。左奥では、壁紙代わりにコピー用紙に切り込みを入れて、早速三次元にクロスが巻き込めるかの実験が始まっています。
折り紙と模型を比べながら考えてくれている富田さんです…
何通りかの張り方を考えてくれた上で、一番良さそうだと思えた張り方を、実際のクロスを使って大き目のコーナーで作って貰いました。何とか行けそうだとの結論が出たので、模型で作った形で目地を通してもらうことが決まりました。
こちらが現場のリビング側から玄関ホールを見返した写真です。正面にスチールサッシが入り、その左横に電気の配線が出てきている個所が、クロスパネルニッチの部分です。こんな小さなか個所の納まりのために模型を作る必要があるのかと考えがちですが、細かい部分の集積で大きな空間が出来上がって、そのディテール密度がきちんとコントロールされていることで空間の質が決まると考えているので、ないがしろには出来ないのです。
その他の部分の工事も順調に進んできております。正面の壁には新規で張るフローリングが届いておりました。
ADワールドでお願いしたノルドというフローリング材ですが、とてもきれいな色味でした。
また、玄関ホールの床では、タイルも張られ始めていました。今回は、アドヴァンのミネラルDというタイルを使っています。
シックな大理石柄のタイルで、僕らも良く愛用させて貰っている製品です。