Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

クラッシク・エレガントな家具探し@サァラ麻布&ベイカー東京

元麻布I邸

元麻布I邸のお施主さまご夫妻は、クラシカル・エレガントなテイストとモダンデザインを合わせたエクレクティック(折衷様式)なインテリアをお望みなので、それに合うちょっとクラッシックかつ優雅なデザインの家具を探しています。

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まず最初に訪問したのが、サァラ麻布の西麻布のショールームです。これまでにも幾度かお施主さまと一緒にこちらを訪問したことがありましたが、ここまで真剣に検討したのは初めてのことです。クラシックスタイルで、脚の長さを低めにするためにカットすることができるものを幾つか拝見させて頂きました。

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エレガントなチェアも主寝室に一つか二つ置きたいとのことで、広いショールームのすべての階をご一緒に見て回りました。

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ショールームに展示されていないものについてはカタログで説明して頂きました。同じスタイルでも仕上げ材の色味を変えることで、イメージも随分変わることも、写真で見せて頂きました。

次に伺ったのは、五反田デザインセンターに引っ越したベイカー@東京のショールームです(実際に訪問したのは、別の日です)。

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コンソールやダイニングテーブルなどを中心に見るつもりでしたが、Iさまの奥さまが一番興味を持ってくださったのは、ショールームの床にも敷かれていたTUFENKIAN(タッフェンケン)のラグでした。

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タッフェンケンの全容にはおよそ及びませんが、それでもこれだけの実物サンプルがあるので、カタログやウェブでは見えない光沢や細かいニュアンスまで確認できるので、Iさまもその魅力に気が付いてくださったようです。

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サァラ麻布とベイカー@東京で見かけた、採用する候補になりそうなコンソールとドレッサーの数々です。実は、まだ家具探しを初めてそれほど時間も経っていないので、まずは候補を幾つか挙げて、それらをCGの完成予想図に入れ込んでみて、そのイメージを確認したうえで決定してゆこうと考えています。CGに描いてもらうために、サイズのデータや、仕上げ材のクローズアップ写真も撮らせて頂きました。

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次に伺ったのは、青山のフィリップ・セルバです。ドレクセル・ヘリテイジ・ショールームの2階にあるイタリア製クラシカル家具の展示です。ここでは、ダイニングチェアの候補を幾つか選ばせていただきました。

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ソファーを置くリビングエリアは、もう少しモダンなものも検討したいとのことで、近くのミノッティのショールームを見て頂きました。ダイニングやキッチンの人と話ながら、テレビを見ることができるL字構成で、さらにベランダ側に予定している子どもコーナーにいるお子さまともお話ができる、3方向に使えるソファーの候補として、WHITE(ホワイト)シリーズをご提案したところ、こちらにも強い興味を持ってくださいました。

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こちらについても、CGに取り込むために、ある程度生地の候補を挙げて頂きました。

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さらにこの勢いで伺ったのが、中目黒のマナ・トレーディング・ショールームです。こちらは輸入ファブリックやラグの専門店です。

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こちらでは、寝室のヘッドボード側壁にはるアクセントクロスを一緒に選ばせていただきました。

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タイ・シルクの最高級品とされるジム・トンプソンのコレクションの中から、壁に張れるシルク生地の候補を選ばせていただきました。
実際には、複数日に渡ってのショールーム訪問ですが、まずはお施主さまご夫妻が持っているインテリアのイメージを確認するとともに、CGに取りこむための資料採集も兼ねて、沢山のショールームを駆け足で回らせていただきました。

 

 

思い出のステンドグラスの取り付け@成城Z邸

成城Z邸

今は取り壊されてしまったご両親が建てられた家に飾ってあった、思い入れのある二枚のステンドグラスを成城Z邸に取り付けました。

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ブルーの一枚は、ダイニングの窓際に木製フレームを取り付けて、その中に埋め込む形で固定します。

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こちらの窓は、大きな引違のサッシがあり、その横にちょうど良さそうなサイズのFIX窓があったので、そこにこのような木製フレームを大工の内原さんに作ってもらい、背面から固定して、そのフレームごと窓際に設置させて貰いました。

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もう一枚のグリーンもステンドグラスは、玄関入ってすぐ左手の壁にジャストサイズの開口部を作って、そこにはめ込むことになりました。この写真では、内原さんがリビング側から手で支えて仮固定しているだけの段階です。LDへの建具の奥に、まだ横たわった状態のブルーもステインドグラスが見えていますが、玄関から2枚の想い入れのある品が一度に見えるように考えております。

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この日には、お施主さまのZさまも現地に来てくださったので、洗面脱衣室のタオル掛けや主寝室の壁に取り付けるアンティークのブラケット照明の取り付け高さも見て頂きました。

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同じアンティークショップでご購入くださった、玄関ホールに取り付けるペンダント照明も現場に届いていたので、開梱して設置方法や取り付け高さを調節する方法を検討させて頂きました。

ライトグレーとライトベージュのニュアンスカラーで塗り分け@成城Z邸

成城Z邸

建具が取りついて、部屋によって塗装工事や造作家具の組立て工事が入り始めた成城Z邸の現場の様子です。

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先回吊り込まれた建具、壁天井、そしてモールディングとケーシング類も全て、現場塗装で全体のトーンを一緒に仕上げて貰ています。とはいえ、壁・天井はAEP(アクリルエマルジョンペイント)、建具・モールディング・ケーシング・幅木はSOP(合成樹脂ペイント)と用途によって使い分けており、さらに部屋毎によって色も変わっているので、丁寧にマスキングしながらの大変な作業になります。

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リビングダイニングの床仕上げの寄木張り(IOCのカンタベリーオーク)もとてもきれいに仕上がっていました。

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玄関ホールから廊下を見返したアングルの写真です。モールディングとケーシングと幅木は共通して白のSOPとなっています。灰色(ライト・グレー)ベースのリビングダイニングと比較すると、ライトベージュ調の優しい色の玄関ホールと廊下は温かみを感じますね。

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長い廊下は、お施主さまのZさまも仕上がりをとても楽しみに待っていてくださった空間ですが、空間全体を柔らかいコーブ照明(折り上げ天井と間接照明をミックスした照明)で照らして、さらに柔らかい雰囲気になっています(ニュアンスカラー(微妙な色合い)なので、照明の色や、外の光の入り方によって色味が変って見えますが、一枚前の写真と同じライトベージュ色です)。

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廊下突き当りにある書斎には、飾り棚も入り、二重壁も仕上がってきました。チーク突板で作った飾り棚は中央と左側で棚下照明の種類を変えてみたのですが、明るさに違いがあり過ぎるので、これから照明器具を変えるか、明るいライン照明の方にフィルムを貼るなどして、調整してゆくことになっています。

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扉なしで繋がる書斎と寝室の窓際は、カーテンを隠す二重壁になっています。カーテンが入らないと、この効果が見えにくいと思いますが、とても良い仕上がりになっていました。

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寝室は、柱型に合わせたニッチの壁に、ウルトラスエードをパネル張りする予定になっています。因みに、書斎と寝室は壁のみライトグレーで、天井は白く仕上げて貰っています。

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キッチンもクチーナでオーダーしたキッチンが入り、壁の大理石調大判タイルも無事取りついています。

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キッチンから裏動線を進むと、このユーティリティーが現れます。左右には可動式の棚板とカウンターがあり、正面部分にはビルトイン型の洗濯機がはいり、その横には洗濯物を折りたたんだりするカウンターがついています。因みに、こちらの部屋のテーマカラーはライトブルーです。

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廊下を挟んでユーティリティーの反対側にある来客用トイレは、ライトグリーンの塗装に大理石モザイクがアクセント壁に張られています。こちらの色合いも上品に仕上がってきました。

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ユーティリティーと書斎の間にある、通り抜け型のウォークイン・クロゼット(正確には、ウォークスルークロゼットですね)では、造り付けのクロゼット家具の取付けが始まっていました。こちらの天井もユーティリティーと同じ薄いブルーになっています。

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洗面所には、大理石(グリジオ・ビリエミ)の甲板の洗面家具が入ってきました。シックな濃いブルーグレー塗装の扉との相性も良さそうです。キッチンの壁、浴室のアクセント壁にも使った大判大理石調タイルの余りを、メディスンキャビネット下の壁に使ってみました。

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何度も色や素材についての打ち合せを致しましたが、これが最後に色決定打合せの際の様子です。

カラーパレット

そして決まったのが、上記のインテリア・カラー&素材ボードです。上から順に、リビングダイニング、書斎&寝室、洗面&浴室、来客用トイレです。

それぞれニュアンスカラー(微妙な色調)で塗り分けられた空間が、そこに合わせた突板や大理石、タイルなどによって、少しずつニュアンスを変えながらその部屋らしい雰囲気を作り上げてくれています。完成した暁には、お施主さまお手持ちのオリジナルのアート作品やアンティークの家具などが並んでゆく予定ですが、とてもきれいに仕上がりそうだとZさまも喜んでくださっています。