Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

横浜O邸リフォームプロジェクトがスタート

横浜市O邸

横浜市西区の125平米の築浅マンションのリフォームプロジェクトがスタートしました。以下のスケッチは、初回打ち合わせ前にこちらで用意しておいたラフリフォーム案です。

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最初はホームページの相談フォームからメールでご連絡をいただき、こちらの事務所での無料相談から始めさせて頂きました。フルスケルトンリフォームのご希 望ではなかったので、規模やスケジュールなどの条件からまずはリフォームアドバイスでのお手伝いをご提案させて頂きました。
リフォームアドバイスコースの場合は、パートナーとなるリフォーム会社を選んで頂く必要があるので、4社の候補となるリフォーム会社をご推薦して、まずはホームページや企業理念などを見比べて頂きました(こちらからも、それぞれの会社のメリット&デメリット、僕らの会社とのこれまでの経験や担当者との相性などもメールでご説明しております)。その結果、僕等が良く施工で依頼しているリフォームキューの担当者と話をしてみたいとのことで、メールのCCでご紹介の上、アポイントメントを取って頂き僕らなしで面談をして頂きました。
その面談での印象も良かったとのことでしたので、次は現地で待ち合わせてリフォームキューの坂本さんと一緒に現調をさせて頂きました。

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ちょうどお引渡しが済んだすぐのタイミングでの現調でした。まずはしばらく暮らして、その間にリフォーム案を練ってゆき、住みながらのリフォームをしてゆきたいとのことご希望でした。そこで、主寝室とクローゼットだけは、お引越し前までにリフォームをすることに決め、急ぎでリフォームプランを作り、仕上げ材を決めて、お見積りを作ってもらう流れになりました。

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まだ築浅できれいなマンションでしたが、一番気になったのはこちらの天井でしょうか…。折角の天井高さが、リビングダイニングの中央に3台もの天カセ式エアコンがあるせいで、空間が分断されていました。図面で確認すると、この個所の天井裏には梁がないことが判っていたので、他の場所にエアコンを移すことをお勧めしました。

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正面右に見える既存の建具はきれいなので、レイアウトは変えるにしても建具は再利用することになりました。また、テレビやステレオ等のAV機器に加え飾り棚もある造作家具をデザインして欲しいとのご依頼もありました。

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キッチンのペニンシュラ(半島)型カウンターはお化粧直しをしたうえで使いたいとのことでしたが、背面の調理器具や食器を置く棚は作って貰いたいとのご希望でした。他にも大型冷蔵庫やビルトイン・ワインセラーも置きたいとのお話でした。

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最初にメールを頂いた時から、ミノッティのソファを入れたいことや、僕らがお手伝いしたプロジェクトでは虎ノ門M邸のインテリアがお好みとのお話を伺っていたので、そのテイストに合せた素材を床に並べて見て頂きました。

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同じような色味の素材でも、塗装仕上げの全ツヤと3分ツヤの違い、カラーガラスと鏡の使い分け方法、大理石や突板をどのような所に使うとアクセントになりそうかなどを、これまでの事例写真と素材を見比べながらご説明いたしました。
概ねの仕上げ感覚についてはご了承を頂きましたので、次回はミノッティのショールームでソファ選びをする約束を致しました。
このプロジェクトの完成後の様子は、横浜市O邸をご覧ください。

 

 

 

アンティーク家具屋で照明器具探し@成城Z邸

成城Z邸

アートや調度品を沢山お持ちの成城Z邸のお施主さまが、以前から気になっていアンティークのブラケット照明があるとのことで、ご一緒に世田谷区北沢にあるアンティーク家具屋のウエストウッドのお店を訪問して参りました。

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井之頭通りに面したお店は、以前からよく前を通っていたのですが、店内に入るのは初めてでした。毎年イギリスに買い付けに行っているとのことで、店内所狭しとダイニングテーブルやチェア、ソファやコンソールが並んでいました。

DSC_8363_ptアンティーク照明器具は天井だけでなく、壁にもぎっしりと並んでいました。ペンダント照明であれば、ひとつでも十分なのでしょうが、ブラケット照明はセットになっていないと使い道が限られてしまうので、集めるのが大変だそうです。

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こちらがZさまが以前より気にっていて、予約取り置きをしてくださっていたアールデコ調のブラケット照明です。乳白のガラスは厚みがしっかりとあり、優しい光を透過してくれそうです。ガラスを支える鉄製のブラケットもきれいな状態でしたので、お店に残っていた3つを寝室の壁に並べることに致しました。

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玄関正面のホールの天井にも良さそうな照明があればと探していたところで見つかったのが、こちらの2つセットになったペンダント照明です。ガラスの質が先ほどのブラケット照明に似ており、黒い鉄でできた吊り下げの機構部分もきれいでアクセントになりそうだとのことで、こちらを玄関ホールに採用することに決めました。天井から吊り下げ高さの調整が必要そうなので、後日現場でチェックして、場合によってはクサリをカットすることで微調整して貰うこともお願いすることになりました。

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こちらが今回お世話になったアンティークショップのウエストウッドさんです。まだ、照明器具以外にも玄関に置くベンチや、来客用トイレに置くコンソールも探す必要がありますので、今後もお世話になるかもしれません。

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アンティークショップ訪問前に、一度事務所に寄っていただき、インテリアの色決めの打合せを致しました。

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寝室は薄いブルーを基調としたインテリアになさりたいとのことで、ベッドの後ろの壁にウルトラスエードのブルーグレー色の布地を張ることになりました。その色にあった造作家具をとのことで、チークの突板の家具を合わせることにいたします。

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ショップ訪問後は、解体工事が始まった成城の現場に伺って、先ほど決めた色の最終判断をして頂きました。

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ベッド背面の壁はブルーに決まりましたが、あとはカーペットか壁かカーテン、ベッドのリネンのどこまでをブルーにするかを一緒に考えさせていただきました。

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最終的にどうなったかは、仕上がりを楽しみにして頂ければ幸いですが、壁色は隣に設ける書斎と一緒のグレー色に決まったようです…。

 

床下の設備配管とLGS下地@原宿K邸

原宿K邸

墨出しと設備関係の整理が終わった原宿K邸では、設備配管工事とそれに続いてのLGSの下地工事が始まりました。

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まずは床下の給水給湯・排水管の設置が先行します。オレンジ色のサヤに入っているのが給湯管で緑色が床暖房用温水管で、濃い灰色は給水管で、奥に少し見えている太めの灰色の管が排水管です。

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今回はコンクリートスラブから仕上げ床を8センチほど上げるので、これらの複雑に入り組んだ配管は全て床下に隠れることになります。

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キッチンのシンクからの排水管は、キッチンキャビネットの下をくぐって、大きくコの字形に湾曲しながら流れてゆくことになります。配管経路が長いので、途中には清掃口を作って、点検口から高圧洗浄ができるように配管して貰っています。

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床暖房用の温水管は、新たにベランダ側の壁にコア抜きで穴をあけ、そこからベランダの給湯器に繋げてゆきます。ガス管や給水管、給湯管も必要になるので、ここらあたりが一番配管密度が高くなっています。

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キッチン屋さんに墨出して貰った位置に換気扇用の孔が貫通され、亜鉛鋼板製のスパイラルダクトが取り付けられています。

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施工をお願いしているの現場監督の田所さん、夏井さん、設備業者さんも交えての現場打合せ風景です。

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設備配管が一通り終わった後に始まるLGS下地工事のためのLGSがすでに現場に搬入されています。

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次週になって、おおよそLGS下地が立ち上がった現場の様子です。複雑に絡み合う設備配管とLGSがきれいに整理された状態で立ち上がっていました。

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墨出し通りに立っているLGS、同じく墨出し通りに設置されている給水管がきれいに並んでいます。床下の寸法に余裕があれば、ここまで設備配管を慎重に配管する必要はないのですが、今回は寸法的にギリギリなので、田所さんが頑張って整理してくれたようです。

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右側から玄関ホール、トイレ、廊下、洗面と空間が並ぶエリアのLGSです。上階の配管が天井裏に走っており、さらに引き込み扉が多数組み込まれているので、見た目以上に複雑なLGSの組み方になっています。

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水回りのコアを右手に見ながら、リビングから寝室を望むアングルの写真です。ここら辺には造作の複雑な家具が入り、色々な仕上げ材がセットされることになるので、出来上がりが楽しみなシーンです。
次の工事のためのベニヤ板が搬入されていました。

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トイレの排水管の状況です。写真中央右手で床下に潜り込んでいるのが排水管です。ここには便器からの太い排水管と手洗いからの細めの排水管が合流して、下階の天井裏の横引き管に流れ込むことになります。手洗いからの横管にキノコのような白いものが見えますね…。

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白いカバーの発砲スチロールと取ると、このようなものが現れます。これはドルゴ通気弁と呼ばれるもので、排水管内の圧力を調整してくれる便利な設備器具です。普段は閉まっていますが、配管内部が負圧になった時に弁が開くことで、圧力を調整する仕組みなっています。当初は設置されていなかったのですが、便器の排水の勢いで手洗いのトラップの水が吸い取られてしまう可能性がありそうだったので、急遽設置して貰うことになりました。

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久しぶりに在来工法で作ることになった浴室の天井裏にはTESの浴室暖房乾燥機が設置され、屋外への排気ダクトも準備されていました。

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毎週の現場定例打合せ後には、現場近くに辰が借りている現場事務所によってその次の週以降に問題になりそうな箇所の事前チェックや、施工図の読み合わせをしています。現場を預かって頑張ってくれている田所さんと、その上司で経験豊富で厳しい夏井さんとの打合せ、毎回長時間になってしまいますが、とても勉強になっています。