Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

改めての竣工検査&取り扱い説明@原宿K邸

原宿K邸

オーナーマンションの原宿K邸では、残念ながら工期の遅れで、当初の日程で竣工検査ができなかったので、新規にご購入いただいた家具を搬入設置後に改めての竣工検査をすることになりました。

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まずは新規家具の搬入設置です。ミノッティでお願いしたソファは、小型のものを2個組み合わせるスタイルです。

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僕らのプロジェクトの担当をいつもしてもらっているミノッティ早坂さんが、奥さまに取り扱いの説明もしてくれました。二つのソファーは同じ色味に見えますが、実は一つはレザー張りで、早坂さんが押している方はファブリック張りのものとなっています。夏にはヒンヤリとした肌触りのレザーは快適ですが、冬になると肌寒く感じがちなので、ちょうど反対の触感のファブリック張りのものを組み合わせるという選び方です。

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キッチン前の床に置かれているのは、やはりイタリアモダン家具のモルテーニのダイニングテーブルです。

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フィリグリーというエクステンション(伸張式)テーブルなのですが、とても利便性の高い折り畳み機構を使っており、エクステンションテーブルらしさが全く感じられないのが特徴の食卓机となっています。

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お施主さまには、ショールームでも幾度か伸張のメカニズムを体験していただきましたが、改めて使い方を説明して貰っている様子です。因みに、天板の仕上げ材はユーカリ材です。色味がウォールナットのように見えますが、実は世界中でウォールナット材は品薄になってきており、その代替え品として、豊富にあるユーカリ材を特別な処理をして子の色味に仕上げているそうです。
テーブルに合わせたダイニングチェアは、アルフレックスのエレガ15です。

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家具の搬入設置が終わった翌日に、改めての設計・施主検査と取り扱い説明をさせて頂きました。検査については、Kさまご夫妻がいらっしゃる2時間ほど前に、僕ら設計側が立ち会って、不良施工や未施工個所に付箋を貼りながら、辰の現場監督の田所さんと一緒にチェックしてゆき、それを後程お施主さまに説明してゆくスタイルで進めさせて頂きました。竹田さんがチェックした内容をお施主様にお渡しするチェック図面に書き写してくれています。

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こちらはそのチェックした内容に沿って、お二人に説明している様子です。

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一通りご説明した後は、設備(空調・ガス・衛生機器・キッチン)の各業種の担当者が来てくれているので、個別の設備の取り扱いやメンテナンス方法も順次説明していって貰いました。写真は、壁埋め込みのエアコンのフィルター清掃の方法を説明してくれている様子です。

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ガス工事の担当者には、床暖房と給湯器の使い方を説明して貰いました。

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基本的に、基本的な設備についてはご主人さまが、キッチンについては奥さまが強い興味を持ってくださっているので、途中から二手に分かれて取説を聞くスタイルになってゆきました。キッチンの説明は、アムスタイルの宮本さんです。

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奥さまも、そして僕、各務も最も興味をもって説明を聞いたのが、ミーレの最新のスチームオーブン(スチームクッカー)の使い方説明です。

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ミーレの目黒ショールーム、そして青山のショールームで使い方の説明は受けておりましたが、実際にご自宅に入って、より具体的に使うことになると、また真剣度が変わってくるのです。まだ、新製品で宮本さんも使った経験がないとのことで、皆でマニュアルを見ながら再研究する形になりました。

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先回の検査時には、まだ工事が完了していなかった玄関ホールも、まだ清掃道具が置かれていましたが、一通り工事が終わっていました。

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来客用トイレの大理石甲板も入り、シックなトイレ空間に仕上がっていました。

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浴室だけは、ステンレス枠とガラス扉の調整が必要で、まだ田所さんたちが頑張っている最中でした。

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未施工部分や、補修工事もまだ沢山残っておりますが、Kさまご夫妻もここまで完了した範囲での工事内容とデザインにはご満足してくださいました。関連工事の各担当者が集まったので、皆揃っての記念写真を撮影させて頂きました。あと少しで、工事も完了しお引越しが可能となりますので、どうかそれまでの間、あとしばしお待ちください…。

CGでインテリアイメージの確認@元麻布I邸

元麻布I邸

面積が220平米と大きく、クライアントご夫妻が検討してくださっているインテリアが、クラシカルとモダンの中間の難しいデザインで、そして時間的な制限が厳しい中で、リノベーションだけでなく家具や調度品まで揃えたいという、僕らにとってもお施主さまご夫妻にとっても判断が非常に難しい元麻布I邸では、CG(コンピューターグラフィックス)を使ってインテリアイメージを固めながら打ち合わせを進める方針としています。

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大きなグランドピアノを挟んで、リビングとダイニングが並ぶ空間構成となっていますが、こちらはよりクラシカルなイメージのダイニング空間のCG完成予想図です。家具調度品は、これまで仮に選んできたサァラ麻布やフィリップ・セルバ、ベイカー@東京などの家具を入れ込んで貰っています。リノベーション計画上で、このCGのカギになっているのは、キッチンと二枚の大型引き戸で間仕切りができる壁の色味です。

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同じアングルのイメージですが、こちらは家具をすべて他社のものに変えたうえで、キッチンとの仕切り扉を閉じて、壁の色味も変えてみたものです。このように、同じアングルのCGでも家具や色味を変えたものを20枚ほど作ってもらい、それらをベースにフローリングや壁デザイン、建具の色味や家具などをお施主さまと一緒に選んでゆくプロセスを取っています。

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Iさまご夫妻とリフォームキューの岩波さんに事務所に来て頂いて、それらのCGと実際の素材を見比べて頂きながら、仕上げイメージを打ち合わせをしている様子です。このレベルのCGを作ってもらうのは、外注事務所にお願いする分時間も費用も余計に掛かりますが、実際に打ち合わせで使わせてもらうと、お施主さまからはイメージが掴み易いので好評です。初めてこのCGをご覧になったIさまたちも、すでに空間が立ち上がっているかのようなイメージを持たれたようで、見ただけで歓声を上げてくださいました!

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こちらはダイニングより、もう少しモダンなイメージで仕上げる予定のリビング空間です。ピアノの黒色に合わせて、TVキャビネットも黒で仕上げ、そこにミノッティのモダンなソファが入り、クッションやセンターテーブル上の小物、CGにはまだ反映されていませんが、テーブルランプなどでエクレクティック(折衷様式)風に仕上げてゆく予定です。

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アムスタイルにお願いしているキッチンは、モダンなイメージになります。これからお子さまが生まれる予定ですので、キッチンのシンクに立った際に二枚の大型引き戸を開けるとリビングダイニングの奥まで見晴らしが効く設計となっています。対面シンクの背面には黒と大理石柄の大判タイルで作るレンジカウンターがあります。CGの正面奥には、ご主人がとても凝っていらっしゃるコーヒーとワインのコーナーになっています。
これらのイメージを見てくださったIさまからは、キッチンとリビングについては、概ねこのデザイン方針でよいけれど、ダイニングの家具と壁の色味については、もう少しバリエーションを増やしたものを見たうえで検討してゆきたいとのお話を頂きました。色味については、それらをプロのCG屋さんにお願いしてゆくのも難しいので、CGを事前にレイヤー分けしておいて貰い、僕らがフォトショップソフト上で色を調整できるようにしてもらい、もう少しバリエーションを増やしたうえで、ご判断頂くことになりました。

家具の搬入据え付け&設計検査@成城Z邸リノベーション

成城Z邸

成城Z邸にてようやくリノベーション工事がほぼ完了し、家具の搬入設置が始まりました。

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大きなリビングダイニングには、ミノッティでお願いしていたTVボードが運び込まれました。非常に重たいテレビボードなので、組み立てのタイミングでテレビ・ステレオをアイパッドで操作できるシステムを組み込むための配線作業も同時に進めて貰っています。

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すぐに、同じミノッティのソファの搬入組み立ても始まりました。手前にすでに置かれているダイニングテーブルは、お施主さまがこちらのマンションを中古でご購入なさった時に、前のオーナーの方が置いていったテーブルで、こちらもゆくゆくは交換する予定になっています。

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家具の搬入組み立てには2時間ほどの時間が掛かるので、その間に違う部屋の造作家具等をチェックして回りました。LDから長い廊下を経て、反対側にある書斎の様子です。まだ最後の塗装手直しの作業中だったので、部屋中央にいろいろなものが置かれていますが、空間自体はほぼ完成していました。

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こちらは棚に組み込んだ間接照明の明るさが不均一だった書斎の飾り棚ですが、明るすぎたライン照明にフィルムを張って、明度を調整して貰いました。非常に良い感じに仕上がっていました。

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同じ書斎の反対側の壁に設置された本棚と扉付き収納を組み合わせた壁面収納も、養生が取れて全容を確認することができました。リビングで聞いている音楽を、こちら書斎でも引き続き聞けるようにネットワークプレイヤーとステレオシステムを組み込んでもらいましたが、それらの配線も無事終わっていることを確認いたしました。

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書斎奥に繋がった寝室にも、壁かけテレビが取り付けられています。フローリングをボーダー状に作った中に張り込んで貰った厚手の輸入カーペットもとてもきれいに仕上がっていました。

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そうこうしているうちに、書斎と主寝室の窓のカーテン取り付けが始まりました。マナ・トレーディングの僕らの担当をお願いしている松ケ下さんも頑張ってくれています。

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書斎横に設けた大型ウォークインクロゼットです。中央には造作で作ってもらった小物入れ収納です。天板は装飾品を置いても傷がつかないようにベルベット状のウルトラスエードを張ってもらっています。周囲のハンガーパイプ、オープン収納もきちんと仕上がっています。

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東京バススタイルにお願いした浴室は、シール作業中でした。

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廊下途中にある来客用トイレです。養生がすっかりとれ、淡いグリーンの塗装と大理石調タイルと、ペデストール型の洗面の相性もとてもきれいにできていました。

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ほかの部屋のチェックをゆっくりしてからリビングに戻ると、ミノッティの家具類すべての組み立てが無事終わっていました。こちらが指示した図面通りの位置に家具を仮置きしてもらいましたが、実際にソファやダイニングに座ってみての視線と空間のバランスを考えて、レイアウトを微調整してもらいました。モールディングやケーシングがある、少しクラシカルでエレガントな空間に、ミノッティのモダンでスタイリッシュな家具を入れたいというお施主さまのご希望に沿った空間に仕上がってきました!
これで、あとはお施主さまのZさまと一緒に施主検査をして頂いて、お引き渡しへと無事進めそうです。