Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

原宿K邸の竣工写真 多様な素材とディテールが織りなす空間

原宿K邸

先日、無事検査を追えてお引渡しをしたオーナーマンションのオーナー邸リノベーション、原宿K邸の竣工写真撮影に伺ってまいりました。

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何よりも料理に情熱を燃やしていらっしゃる奥さまが、一番満足してくださっているのが、ダイニングの奥に見えているアイランドカウンターのあるキッチンです。

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奥さまと、オーダーキッチンのアムスタイルの宮本さんと僕等設計の三人二脚で、途中の紆余曲折を経ながらここまで進めてきた、回遊性のある大型キッチンです。ビジュアル的には、ガスレンジ正面の壁に張ったイタリア・フィアンドレ社の大理石調大判タイルが一番の特徴でしょうか。機能的には、何度もショールームの調理実演に参加したうえで、ご決断くださったドイツ・ミーレ社のスチームオーブンでしょう。写真左手の濃い灰色のトール収納の一部に、アイレベル(目線の高さ)で据え付けられているものです。

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キッチンから、モルテーニのダイニングテーブル越しに見えている、大理石張りの壁周辺が、ご主人が最も期待してくださっているテレビ・オーディオのコーナーです。実は、まだテレビの壁掛け用金物が現場に届いていないことで、テレビを吊ることができず、壁掛けのB&Oのスピーカーも未設置な状態なので、本来は竣工「一歩手前」なのです…。

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この大理石張りの壁に、大型のテレビが掛かり、奥さまがご主人さまにプレゼント予定のリクライニング・チェアが届けば、ご主人が楽しみにしていらっしゃった臨場感のあるオリンピック観戦ができるのです。実は、この大理石壁の裏の左側には、AV機器類が収納されており、当初リフォームのご希望を伺った際に、奥さまが強く「テレビやステレオ関係の配線が汚く見えないように隠して貰いたい」とのご要望が適うための仕掛けとなっております。また、右手には主寝室への扉がありますが、その左手前にはワインセラーとグラス置きのミニバーコーナーが隠されています。

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テレビ前からダイニング側を見返すと、このようなインテリアが広がっています。左手側の壁は、ビニールクロスを巻いた壁から、トイレと洗面へ通じる引き込み扉があり、その奥には造作収納棚が続いています。部屋の中央には、構造的な柱が立っていますが、その下部には、自動掃除機の基地ともなり、テレビのリモコンや携帯の充電器を置ける小さなカウンター収納が取り付けられています。

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玄関ホールからの扉横に立って、テレビ側を見返すと、上記で説明した、造作棚と塗装仕上げの引き込み扉とパネル壁が、色味は揃えながら、質感を徐々に変えて、一直線に繋がっているのが判るでしょうか。特に造作家具と建具は、全体が絡むような難しいディテールの連続で、作り手側も相当苦労したと思いますが、その苦労の分だけディテールが洗練されて、きれいに仕上がっていると思っております。お引越しとの残工事の兼ね合いで、まだ寝室や水回り、玄関ホールなどが撮影できていませんが、またタイミングを見計らって撮影をさせて頂く予定ですので、追ってブログで公開させていただく予定です。

横浜O邸 施主検査後のお引渡し

横浜市O邸

横浜市の大型高級マンションリノベーションプロジェクト、横浜O邸の工事が無事終わり、お引渡しを致しました。

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こちらは、お引渡しに先立っての施主検査の様子です。通常のマンションリノベーションの流れでは、設計検査から施主検査、それらの是正工事を終えてから竣工お引渡しとなるのですが、今回はスケジュールがタイトで、住みながらのリノベーションであったこと、そして何より、奥さまがご妊娠中でもうすぐお子さまが生まれる予定とのことで、ご出産の前から住み始めて、家の使い方に慣れてきたいとのご希望を伺っていたので、検査はするけれどもその是正工事は、後々落ち着いた時に行うという変則的な流れになりました。

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僕らも設計としてチェックしているように見えますが、今回はデザインアドバイス業務で、現場監理は仕事の範疇から外れおり、あくまでもお施主さまの代理として現場を見るという契約でのお仕事でしたので、これも施主検査のお手伝いをしているという形になっています。とはいえ、実際には僕らが検査をしてお施主さまにご説明しながら施工をお願いしたリフォームキューに是正箇所を伝えていく形になってしまっていますが…。

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僕らのデザインアドバイス契約では珍しいのですが、今回は家具も搬入設置しての検査で、お施主さまご夫妻は施工状況をチェックすることより、お子さまが生まれてから、どのようにこの空間で暮らしてゆくかに思いを巡らしてくださっているようでした。写真正面奥に見えているキッチンは、本体は既存再利用ですが、背面収納はアムスタイルのオーダー品です。

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一通りの検査の後に、リーバのダイニングテーブルを使って、竣工お引渡し書類の受け渡しをしている様子です。奥さまはミノッティのソファーに座って、家具レイアウトが良いので新しい家族が増えてからも楽しい生活がおくれそうだと喜んでくださっておりました。

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ダイニングテーブルの上に、新しくペンダント照明を設置なさりたいとのことでしたので、こちらで幾つかの候補となる照明器具のカタログを持ってきておりました。

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以前にもブログでご紹介いたしましたが、ペンダント照明のカタログを原寸に拡大したシートを現地に持ってきて、それらをダイニング上に吊るして、サイズやデザインがうまくマッチするかを確認して頂きました。いくつか良さそうな候補が見つかったのですが、これからのご出産を控えて、忙しくなることが予想されているので、照明についても落ち着いた頃に再度検討することに決まりました。

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照明ついでですが玄関ホールが暗く感じるとのことでしたので、天井のユニバーサルタイプの照明(首振り可能なダウンライト照明)を大理石(ダークセルベ)張りの壁に当ててみたところ、部屋の明るさの体感照度が上がったので、大丈夫だとのことになりました。照明を照らす位置を調節することをシューティングといいますが、改めてその重要さを再認識いたしました。

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最後はお決まりの、お施主さまと工事関係者揃っての記念写真です。左から、リフォームキューの現場監督の織田さん、営業・設計の坂本さん、Oさまご夫妻、うちの担当スタッフの前田君、そして僕、各務です。背面のテレビ収納家具は、僕らのデザインスケッチをもとに、坂本さんが一所懸命に図面化して作り上げてくれた大作です。
お施主さまからはデザイン的には大変満足がゆくマンションリノベーションになったこと、そしてギリギリではありますがご出産の前に何とか間に合ったこと、内装デザインと一緒に選んだ家具やラグがマッチしていることを褒めて頂きました!これからフレッシュなメンバーを迎えて、新しい生活が始まるOさまご夫妻、どうぞここでの生活を存分にお楽しみください。

工事契約後は家具・オーディオシステムSR見学@元麻布I邸

元麻布I邸

ここまで4か月ほどリフォーム会社も含めてお打ち合わせをしてきた元麻布I邸のリノベーション計画、ようやくデザイン内容も固まり、工事金額も全容が見えてきたので、工事着工準備に入るために、お施主さまとリフォームキューとの工事契約を結ばせいただきました。

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契約書の内容は、事前にPDFでIさまご夫妻にお送りして、疑義についても確認済みでしたので、当日はお名前と住所を記入して頂き、捺印してただくだけの簡単な手続きで終わりました。とはいえ、これでいよいよ工事の準備が始まりますので、こちら設計側も気合が入ってきます。笑いながら契約後の流れを説明してくれているのが、リフォームキューの岩波部長です。

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ちなみに、契約を結ばせていただいたのは、ソファー購入が決まったミノッティのショールームの場所を借りてのことです。

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リノベーション完成に合わせてソファを入れるために、当日ソファーの張り地も決定させて頂きました。ソファーの生地も、先日お作りした完成予想CGがあったことで、とてもスムーズに決めて頂くことができました。ソファーとして採用が決まったのはWHITEというソファタイプです。

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まだ、ダイニングチェアが決まっていないので、すぐ近くのフィリップ・セルバのショールームも続けて訪問いたしました。

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ダイニングテーブルは、サァラ麻布のもので、脚をカットして日本サイズに変更することになっているので、フィリップセルバのダイニングチェアも足カットが可能かを確認して貰うことになりました。モダンなリビングとエレガントなダイニングを空間的にどう繋げるかは、まだ悩んでおりますが…。

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別の日程ではありますが、お見せした完成予想CGの色のバリエーションを作ったものを現地に持ち込んで、実物素材の色味と合わせて、どれを採用するかの打合せもさせて頂きました。

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デザイン以上に色味は、個人的な指向が強く反映し、微妙な違いでも好き嫌いが判れるところなで、ここから何度も色サンプルを作ってもらいながら、徐々に詰めてゆくことになります。

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キッチンでは、床タイルをツヤありにすべきか、ツヤなしにすべきかを迷っていらっしゃったので、こちらもCGを2通り作ってもらったうえで、両者のタイルを並べて見比べて頂きました。こちらについては、ツヤありのタイプを採用させていただくことが決まりました。

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その後は六本木にあるB&O(バング・アンド・オルフセン)のショールームを訪問いたしました。テレビとオーディオシステムを連動させるだけでなく、照明のオン・オフや照度調整、電動カーテンのコントロールまで、iphoneかipadでコントロールできるシステムを、担当の阿南さんに説明して貰いました。

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どちらかというとテレビよりも音楽を聞くことがお好きなIさまご夫妻ですので、残念ながらB&Oの超高級テレビにはそれほどご興味を持たれなかったようですが、

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スピーカーシステムは、すべての機種を聞比べて頂いたところ、やはり安価なモデルではご満足頂けないことが判りました。リビングダイニグだけでなく、書斎、寝室に加え、キッチンでも音楽を聞けるようになさりたいとのご要望でしたので、これからB&Oにそのシステムを提案して貰い、見積りもお願いすることが決まりました。