Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ザ・ライブラリー:造作家具&キッチンの据付け@中央区S邸

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトのブログ紹介です。高層メゾネットマンションリノベーションの中央区S邸の下階で造作家具とキッチンの据え付けが始まりました。

造作家具@中央区S邸リノベーション

まずは玄関ホールの造作靴収納です。6畳弱の広さがある、まさに玄関ホールに靴収納とリビングへのゲートを合わせてデザインしたものです。

造作家具@中央区S邸リノベーション

玄関は入って正面に、Sさまがお手持ちの大きな白黒写真のアートが入るので、この玄関ホールはスッキリさせたとのご希望でしたが、ご希望通りの空間になりそうです。

造作家具@中央区S邸リノベーション

こちらは、先日出来上がったばかりの大理石張りの柱型の横にぴったりと差し込まれた書斎コーナーです。上部の吊戸棚の左右にオープンな飾り棚を作って、視線が通り抜けるようにしています。

キッチン据え付け工事@中央区S邸

そしていよいよキッチンの据え付け開始です。今回はクチーナのセミオーダーキッチンを使っています。

造作家具@中央区S邸リノベーション

左から田口、前田、現場監督の栗原、上田とザ・ライブラリースタッフ揃って確認致しました。玄関ホールからダイニング側に天井埋め込みのLEDライン照明が入り、ソリドの壁にはフロスのブラケット照明の「コーディネーツ」がついています。以下、詳しくはザ・ライブラリーブログをご覧ください。

ペンダント照明の選び方_ダイニング空間の作り方

インテリア

ダイニング空間のインテリアを大きく左右する要素であるペンダント照明とダイニングテーブルの選び方について纏めてみました。

ペンダント照明とダイニングセットの関係

黒い大理石磨き仕上げ天板のダイニングテーブルに合わせたのは、カガミ建築計画でも良く使うガラス製ボール型シェードの多灯使いペンダント照明です。ガラスボールの多灯型はガラス質の輝きの華やかさと多灯のボリューム感で、モダンなダイニング空間を引き立ててくれます。
ペンダント照明:S 5024PNBLKCG(ビジュアルコンフォートベイカー@東京
ダイニングテーブル:PathosB&Bイタリア
ダイニングチェア:Leslieミノッティ

多灯型ボール球ペンダントというと、弊社で一番良く使っているのが、こちらのタイプとなります。1本の支柱から木のように枝分かれした先にボール球が付いていて、非対称な自由な形が特徴のシャンデリア照明となります。こちらはとにかく広いリビングダイニングで天井も床も全てフラットに作っているので、ダイニングの場所を規定するために、ラグを敷いて天井も一部ステンレス板張りとしています。
ペンダント照明:Dallas Medium Chandelierアーテリアーズベイカー@東京
ダイニングテーブル:Filigreeモルテーニ
ダイニングチェア:Chelseaモルテーニ

同じタイプのペンダント照明を使っても、空間の明るさと色調、そしてダイニングセットが変わると雰囲気もガラッと変わって見えてきます。空間自体はシンプルで清楚ですが、華やかなペンダント照明と植栽が加わったことで、立体感(奥行き)が感じられるようになりました。
ペンダント照明:Dallas Small Chandelierアーテリアーズベイカー@東京
ダイニングテーブル:Flyフレックスフォルム
ダイニングチェア:Outlineモルテーニ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

同じペンダント照明ですが、こちらは支柱の色とガラスボールが透明から白に変わったことで、少しクラシカルな様相を纏っています。ブロンズの支柱色は壁面の真鍮目地に合わせたもので、乳白色ガラスは白系の大理石と上手くマッチしていますね。
ペンダント照明:Dallas Small Chandelierアーテリアーズベイカー@東京
ダイニングテーブル:Columnアルフレックス
ダイニングチェア:Astonミノッティ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

しつこく、ダラスシャンデリアの第4弾です。今回はシックに支柱を黒にして、ガラスは透明に戻しています。天井や鉄骨梁との位置関係で、ダイニングテーブルとペンダント照明の中心位置がずれているのですが、こちらの器具だと中心が見えにくいので、ズレが気にならないというプチ・メリットがあるのです。
ペンダント照明:Dallas Medium Chandelierアーテリアーズベイカー@東京
ダイニングテーブル:オリジナル
ダイニングチェア:Ventura & Sophieポリフォーム

ペンダント照明とダイニングセットの関係

ガラス球多灯型でも、こちらはもっとコンパクトなペンダント照明となります。コンパクトな円形ダイニングテーブルに合わせたサイズ感となっています。こちらの器具はガラスボールの色を多様なバリエーションの中から選べることが特徴で、透明と乳白とブラウン色を混ぜています。
ペンダント照明:28.7 Clusterボッチスタジオノイ
ダイニングテーブル:AVAトム・フォークナーオーセンテリア
ダイニングチェア:Outlineモルテーニ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

ガラス球多灯型ですが、吊り方の考え方が違ったこちらは、イタリアヴィストジ社のペンダント照明です。通常は、ペンダント照明の一番下がった部分を第二具テーブル上80~85センチに設定するのですが、こちらのお宅ではご主人さまが低いペンダントはどうしてみ嫌だと仰られたので高め(100センチ)に設定しました。空間のバランス的には低い方がペンダントの存在感が強く感じられて良いと思うのですが…。
ペンダント照明:Puppet Ring SP7ヴィストージルミナベッラ
ダイニングテーブル:Astrumマクサルト
ダイニングチェア:Chelseaモルテーニ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

ガラス球多灯型からは離れますが、こちらはペンダントを3灯吊るしたスタイルです。小さめのペンダントを複数吊るすことは良くありますが、本当に小さいペンダントだと存在感が薄く消えてしまうので、やはりある程度大きさとデザイン性があるものを選ぶべきだと思っています。こちらのペンダント照明も上と同じヴィストージ社の照明です。
ペンダント照明:ジョガーリSP35ヴィストージルミナベッラ
ダイニングテーブル:Howard(ポリフォーム
ダイニングチェア:Venturaポリフォーム

ペンダント照明とダイニングセットの関係

徐々にデザインがクラシカルなペンダントへと移行していきます。全体にクラシカルな色調の中のこちらのペンダント照明は、遠目に見るとクラシカルなシェード照明ですが、ダイニングに座って見上げるとガラス製のモダンなシャンデリアに見えるという2面性を盛った器具です。2枚のエクステンションリーフを加えて、全長3040ミリの長大なダイニングテーブルにはこの位のボリューム感があるペンダント照明が似合いますね。
ペンダント照明:CHC1526PN-NP(ヴィジュアル・コンフォートベイカー@東京
ダイニングテーブル:CE.33H-301(サァラ麻布
ダイニングチェア:Vendome(フィリップセルバ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

白いカラーガラス張りの天井からつるしているのは、イタリアのムラーノ島のガラスを使ったバロビエール・エ・トーゾのモダンクラシカルなペンダント照明です。モダンな家具とクラシカルでシックなカーテンとマッチすることを意識して選んだ照明器具です。シャンデリアはどうしても日本のマンションの天井高さでは実現が難しい中で、高さも長さもぴったりの照明が見つかりました。
ペンダント照明:
ダイニングテーブル:Concord(ポリフォーム)
ダイニングチェア:Outlineモルテーニ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

こちらのガラスシャンデリアはイタリアのデ・マヨのものですが、こちらはよりクラシカルなデザインとなっています。円形の折り上げ天井にはメダリオンを設けてその中心からクラシカルスタイルのガラスシャンデリアを吊るしています。円形の折り上げから吊るしたクラシカルなシャンデリアで中心性が強まって感じられますね。
ペンダント照明:2400 K10 Shade(デ・マヨ
ダイニングテーブル:施主支給品
ダイニングチェア:施主支給品

こちらはモダンでちょっとクールなペンダント照明です。木製のボックスの内部に照明器具が埋め込まれていますが、中央は長いLED照明で、端部には首を振って照らす位置を変えることができるユニバーサルタイプの灯具が入っています。天井のレイアウト上、天カセエアコンの近くにペンダント照明が来ることになってしまったので、風で揺れにくい照明をということも一つの選定理由でした。
ペンダント照明:COMPASS BOX(フロス
ダイニングテーブル:Diamondモルテーニ
ダイニングチェア:FLYNT CROSS BASE(ミノッティ

ペンダント照明とダイニングセットの関係

最後のこちらは下を照らさず上を照らすアップライト照明です。折り上げ天井の平場にヘリンボーン柄の突板を張っており、それを照らし上げるためにこちらのタイプの照明を選びました。これだけだとテーブル上が暗くなってしまうので、ペンダント照明の影ができないエリアを考えて、折り上げ内に8灯のダウンライト照明を仕込みました。
ペンダント照明:ARN5501ビジュアルコンフォートベイカー@東京
ダイニングテーブル:Truly (ボナルド
ダイニングチェア:Tylerカッテラン

以下は、設計デザイン段階でどのようにペンダント照明をお客さまと決めてゆくかのプロセスを簡単にご紹介しておきます。最初はとにかく印象的なペンダント照明器具とダイニングセットのイメージ写真を集めてお客さまにお見せしていきます。

彫刻のような大きく印象的なものから、こちらのような小ぶりの灯具を幾つか並べるアイデアなどもお見せしました。こういったシートや断片的な写真をプレゼンテーション時やメールでお送りしながら、お客さまに発想を膨らませて頂きます。

ある程度イメージが固まってきた所で、実際に日本で手に入れることができる灯具でPSE認証が取れるものをか、また納期が間に合うかを見極めながら、最終候補となったペンダント灯具のモックアップを作ります。こちらは工事現場で打合せテーブルをダイニングテーブルに見立てて、モックアップを見比べてみた時の様子です。

工事現場だとスケール感は分かっても、使った時のイメージや高さ関係などが分かり難いので、最終候補となった灯具のモックアップを仮住まいのダイニング上から吊るして何日か暮らして貰ったうえで、高さも含めて決定とします。ペンダント照明は、彫刻のように空間に対して大きな影響力があるインテリア要素です。特にダイニングの中心性を高めて、視線が窓から外に抜けてしまうのを引き留める役割もあるので、何度もお客さまと検討しながら時間を掛けて決めてゆくものだと考えています。

新規プロジェクト_290平米の大型リノベの文京区S邸

文京区S邸

新しいプロジェクトが始まったので紹介いたします。文京区にある築10年の築浅低層マンションで、当初から2住戸が連結され290平米あるリノベーション済みの大型住戸をご購入なさったお客さまからのご依頼のプロジェクトです。

新規プロジェクト_文京区S邸

地下鉄の駅からの利便性が良い地の利で、かつここまで広い住戸は中々見つからないとのこと、リノベーション済みながら間取りもインテリアも全く気に入っていなかったそうですが、ご夫妻とお子さま2人の4人家族の住まい方を一緒に考えて欲しいとのご相談を頂きました。
外国暮らしが長かったSさまご夫妻は温かみのある木質と塗装の柔らかい雰囲気の空間がお好みなのに対して、こちらのお宅の内装は冷たい雰囲気で内装は全てやり替えたいとのご要望でした。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらが頂いたご購入時の間取り図です。リビングダイニングは50平米(30畳)と広く部屋数も十分にあるのですが、大きなL字型の間取りの中で、奥さまの滞在時間が一番長いキッチンが一番端っこにあったり、意味のない廊下が多く、見通しが悪いことなどは間取りの問題点です。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらが既存のキッチンです。明るく大きく広さも十分にあるように感じますが、今のお住いのキッチンと比較してもサイズが小さく、パントリー収納は不足だし、何よりもデザインが好きではないとのこと、どう考えても作り直すしかなさそうです。

新規プロジェクト_文京区S邸

暗くて見通しが悪い廊下です。290平米(87坪)の広さなのに、なぜか防火扉が3枚もあります。理論的には1枚の防火扉で足りるハズなのですが、元々が140平米と150平米の二つの住戸を連結した形で販売されたという経緯があるので、そのプロセスの中で既存の防火扉が残っていたのかも知れません…。

新規プロジェクト_文京区S邸

先の写真の曲がり角を曲がった先に繋がる新たな廊下です。端にあるキッチンから大声を出して呼んでも、その反対側の端にある寝室にはどう見ても声が届かなそうです。

新規プロジェクト_文京区S邸

2住戸を連結したお宅なので、玄関が二つあります。こちらがリビングダイニングに直結した玄関ですが、広くて立派な分、リビングダイニングを圧迫していますので、何とかコンパクトにして、LDKの広さを確保しなければです。

新規プロジェクト_文京区S邸

主寝室横の洗面と浴室です、とてもきれいに設えてありますが、なぜかこの背面には車いす用の手洗いカウンターが実装されていたり、

新規プロジェクト_文京区S邸

主寝室の水回りにはシャワーの方が必要で、ジェットやバブル機能付きの浴槽はまず使わないので、その分LDKを広くなさりたいとのことでした。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらはもう一つの家族用の洗面から見た浴室ですが、バルコニーへの出入り口と浴室の位置が重なってしまっているので、何か不思議な納まりになっています…。

新規プロジェクト_文京区S邸

浴室にあるもう一つの扉を開けると小タタキになった空間があり、その先にバルコニーへの出入り口のサッシがあるという納まりになっているのです。バルコニーには避難用のハシゴもあるので、法規上でも出れるようにしておかないといけないので、このような変則的な作りになってしまっているようでした。ただ、Sさまご夫妻は、こんな変な作りのお風呂は嫌だとのことで、やはりこちらも作り直す必要がありそうなのです。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらは主寝室横のウォークイン・クローゼット(WIC)です。デザインがお好きではないことは共通(笑)していますが、左側の奥にある謎の引き出しは全く不要とのこと、部分的に作り替えるくらいであれば、間取りも変わってきそうなので、残念ながら作り変えになってしまいそうです。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらはユーティリティーです。右のカウンター下に洗濯機と乾燥機が入り、大き目のシンクとカウンターとリネン収納があり、更には床暖房とエアコンが付いています。最後の設備は少々やり過ぎですが、お手伝いがお掃除や洗濯をしてくれることを考えると、この位の広さが必要になります。ただ、場所はファミリールームのすぐ横なのはあまり使い勝手が良くありませんね…。

新規プロジェクト_文京区S邸

お部屋のカギをお預かりしたので、また別日に調査に入ることになりそうですが、天井の点検口はすべて空けて、内部を確認しました。こちらはロスナイ(全熱交換器)のフィルター清掃用の点検口でした。

新規プロジェクト_文京区S邸

天井裏の作り方やダクトや電気配線の方法もザッと確認致しました。

新規プロジェクト_文京区S邸

玄関外の共用廊下にあるメーターボックス内も確認致しました。排水管の芯の高さやガスメーターの番号やガス管の径などをチェックしておきました。

新規プロジェクト_文京区S邸

Sさまのご要望と、今の間取りを突き合わせて、こちらで考えたリノベーション案がこちらです。キッチンをL字型の蝶番部分に持って来た案となります。LDを一望できるのは勿論、キッチンから首をホールに出せば一直線上に一番角の寝室まで視線が通るレイアウトとなっています。

新規プロジェクト_文京区S邸

最後のこちらのイメージは、上記のリノベーションを実施した場合のビフォーアフターの完成予想イメージスケッチです。右手の玄関を縮小し、正面壁裏の水回りを撤去したエリアにセミオープンの大型キッチンを入れたことで、LDKの大きさがより広くなる案となっています。細かい部分は、まだまだこれから詰めてゆく必要がありますが、大まかなプランの方向性、スケジュール等の合意ができたので、正式にプロジェクトを進めてゆくことになりました。