Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ペルシャ絨毯の廊下用ランナー敷物

白金台S邸

昨年からずっと探している白金台S邸のリビングのラグですが、本日はペルシャ絨毯のお店に幾つかのサンプルを持ってきてもらいました。

ペルシャ絨毯

リビングラグの候補も見つかりましたが、それ以上にピタッと来たのが、書斎廊下のランナー敷物でした。写真は赤色が美しいサンプルの数々です。両側を本棚挟まれた書斎廊下の空間が、このランナーによって明るく華やかになり、空間のグレードも高まったように感じました。

書斎廊下のランナー敷物

単調になりがちな廊下の歩行も、このランナーの触感が足裏に変化を与え、快適なものになりそうな予感が致しました。

書斎から廊下を見たシーンも、ピタッと決まりました。本当はリビングのラグ探しが主目的でしたが、あまりのフィット振りに、皆こちらの方に興奮してしまいました。

リビングのペルシャラグ

一応、こちらがリビングラグの候補に挙がっているものの一つです。玄関の候補のラグも含めて、2~3日体験させてもらったうえで、後日正式に決定することになりました。

六本木T邸 解体中

六本木T邸

昨日から解体工事が始まった六本木T邸の現場は解体工事真っ盛りです。まだ、工事開始からたったの二日間ですが、設備の切り離しと間仕切り壁の解体はほぼ終わってきました。

壁がなくなってきたことで、以前は暗かった奥の玄関近くまで光が差し込み、開放的で伸びやかな空間になってきました。ホコリっぽくて、ゴミゴミした現場に見えますが、良く床の廃材を見て貰えると、きちんと材料ごとに整理され、大きさを揃えて纏まっている状態が判ると思います。

解体廃材の整理

昔は、全て産業廃棄物で処理していましたが、今は産廃の処理費が高くなったため、このように分別して、違うトラックでそれぞれに最適の処理場へと運ぶようになったのです。また、六本木ヒルズレジデンスのような高級マンションになると、マンション内での廃材運搬規定も厳しいため、サイズを細かくして小分けにしながら搬出する必要があるのです。

六本木ヒルズレジデンスの解体工事

解体工事の傍らには、現場常駐の監督のTさんの机があり、そこで家具の打合せも行いました。

造作家具打合せ

建築と造作家具の細かい取り合いを考えながら、家具屋さんが書いてくれた製作図を見ながら、デザイン的な希望や収納の機能的なサイズの確認を行いました。あと二度ほど打合せをすることになりそうです。

岸和郎氏設計の清澄の家訪問

見学記

建築家・岸和郎氏が2006年に設計した清澄の家のオーナーが知り合いだと分かり、お願いして住宅の内部を見学させてもらいました。以前、近くを通りかかった際にも、船のような開放的でモダンな住宅で、何とか内部の空間を見たいものだと思ったことがありました。

個人宅ではありますが、5階建てで1・2階は賃貸スペースとして利用し、3階は和室とオフィスとゲストルーム、4階はリビングダイニングとキッチン、5階は主寝室とクローゼットと浴室・洗面、そして屋上階という構成になった大規模な住宅です。

こちらが船の内部のような、開放的で川面に面したリビングの空間です。三面ガラス張りの空間で、冬なのに快晴だったので、暑いくらいにポカポカでした。川を行き交う船が良く見えて、べラダンだから手を振ると、船客が手を振りかえしてくれるのが何とも楽しい経験でした。

同じ階のキッチンです。景色と解放感を重視したキッチンで、軽食用のカウンターコーナーもあります。裏面には収納量十分のパントリーがあり、洗濯機があるユーティリティーへと繋がった回遊動線が用意されています。

3階のオフィスです。ご夫婦がそれぞれ別な用途で使えるように、中央の可動式パーテーションで分割可能となっています。ご主人はもっぱらプロジェクターとスクリーンでテレビを楽しみ、奥さまは大好きな美術書を見ながら執筆活動をすることが多いそうです。

全てがモダンな空間のようですが、3階にはこのような素敵な和室もあります。細い廊下の先の扉を開けると、通り庭があり、その奥にこの和室が現れる仕掛けとなっています。実はご夫妻とも有名な日本のアンティーク品のコレクターなので、どの部屋にも素敵な家具や置物、藍染めの布などが置かれており、それがまた素晴らしい味付けとなって、岸和郎さんのモダンな空間をご自分たちの色に上手に染めていらっしゃいました。

屋上も船上を思わせる開放的な空間ですが、ここにもすごい仕掛けがありました。なんと流れるプールが設置されていました!左側の吹き出し口から水が吹き出し、ずっと一定のスピードで景色を見ながら泳いでいられるようになっているのです。この写真では切れてしまいましたが、右奥には建設中の東京スカイツリーが見えるので、それを見ながら背泳ぎもできそうでした。