毎月記事を寄稿しているウェブマガジン「家の時間」に、古民家再生リフォームを掲載して貰っています。
築60年以上(推定)の風格ある日本家屋を耐震補強と断熱改修しながら、ご夫婦二人が暮らす快適な住宅にリフォームした中野K邸を紹介しています。
詳しくはウェブマガジンの記事に譲りますが、何度もの指針のない(?)ミニリフォームでお父様の書斎兼納戸のように使われていた空間が、写真の日本旅館のような住宅に生まれ変わりました。
因みに古民家とは、昭和20年以前に建てられた、建築金物を使わず、全てが無垢の材料で作られている住宅を指すそうですが、この床下の木軸の組み方を見ても、骨太な無垢の木材を大胆に使った、由緒ある建物だったことが一目瞭然です。
しかし、どんなに立派な材料を使った古民家でも、外側から板金で囲われ、床下に空気が流れない状況になってしまうと、腐朽菌やシロアリの格好の標的になってしまうようです。こちらのお宅でも、床と壁が歪んでいたので調べたところ、柱の下部が完全に腐っており、床梁が浮いてしまっている状態でした。写真のように、腐った部分は撤去し、新しい柱と差し替え、床梁の下にも補強用の木材を差し込みました。本当は金属の補強金具もつけたくなかったのですが、費用と効率を考えて現実的な選択をいたしました。
最終的な仕上がりの様子です。キッチンや水回りは最新のものを使いましたが、古い建具や天井材は清掃して残しているので、雰囲気のある風格を上手く活かしたリノベーションとなりました。