Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションリノベーション 解体工事の開始

白金台S邸

マンションリノベーションの解体工事が始まりました。先日テープで印をつけた指示に従って、どんどん解体されてゆきます。

まず始めに、残すものを保管する場所と、廃材を分別して”仮置きしておく場所”を決めて、どの人にどの箇所から解体してもらうかが指示されると5人の職人さんたちが勢いよく解体を始めました。因みに、前日の段階で水道屋と設備屋、ガス屋さんにそれぞれの設備を止めてもらっています。

マンション 内装解体

一応、玄関ドアを閉めて、エレベーターホールに出て、どのくらい音が響いているのかも、確認して貰いました。さすがに大手ゼネコンが施工した、音に配慮した高級マンションですので、共用部分にはそれほど音が響きませんでした。

写真は工事を始めて、約半日経った時点の様子です。既に、壁はなくなり、建具も必要なものは取り置かれ、床のカーペットと床暖房も剥がされていました。

廃棄されるものは、リビングの一角に、きちんと整理されて置かれています。産業廃棄物の分別が細かくなるまでは、とにかく何でも袋に詰め込んで捨てていたようですが、未分別ゴミの廃棄費用が高くなってしまったので、一般家庭以上に分別に気を使うようになったそうです。

今回のマンションには、搬出用のエレベーターがないので、住人用のエレベーターと共用のホール、玄関を通って搬出するので、廃棄物はなるべくコンパクトに纏まるように、特に工夫して貰っています。

奥の部屋の一角には、再使用予定のスイッチ類や、金物類、建具等もきちんと整理されて置いてあります。

マンションリノベーション 解体事前調査

白金台S邸

港区白金台の高級マンションリノベーションの現場がいよいよ始まりました。

マンションリノベーションでは、

  • 何を残して、
  • 何を移動して再利用して、
  • 何か壊して捨てるのか、

慎重な判断が必要になります。

解体工事に先立って工事業者と一緒に、それらを記したテープを貼って周りました。捨てるものは赤いテープで、一度取り外して後で再利用するものは青いテープで、そのまま同じ場所で使うものは白いテープで、印をつけてゆきます。

写真のトイレ周りだけでなく、壁や床、建具やスイッチ、”金物類”から、天井噴出し口、大きな造作家具や”キッチン”にまで、全てに判断を下しながらテープを貼りました。

設計者としてはは、テープを貼ったものと同じ内容で、解体図を用意します。

  1. 床について、
  2. 壁・造作について、
  3. 天井について

の三枚の解体図を作り、現場で判断した内容を落とし込んで、解体業者の職人さんたちが間違えないように、二重に準備をしておきます。

マンションリフォーム解体指示図

図面も、白黒やハッチだけの図面では混乱しやすいので、写真のように、カラーできちんと見分けられる図面を用意して、現場の壁に貼っておきます。

いよいよ明日から解体工事の開始です。

スケルトン状態の別荘

伊豆OK別荘

静岡県伊東市の個人別荘リフォームプロジェクトの工事も始まり、解体情況を確認に行って参りました。
リフォームではスケルトンという言葉が使われますが、建物を人間に例えると、

  • 皮膚といえるのが内装仕上げ材、
  • 筋肉といえるのが下地材や断熱材、
  • 血管といえるのが電気配線や給排水の配管、
  • 骨といえるのが構造体となります。

これらのうち、内装仕上げ材や下地材、断熱材や電気配線、給排水配管までを解体して、構造体だけになるまで裸にした状態を、
リフォームではスケルトン(骨組み)状態と言います。この状態まで内部を解体してから工事を始めるリフォームをスケルトンリフォームといいます。

 別荘リフォーム スケルトン解体

床と天井だけでなく、間仕切りや壁のボード、お風呂やトイレ、キッチンまで全て解体した裸の状態となっているので、窓を開けると風がサァーと通り抜ける気持ちよい空間になっていました。スケルトンになると、人工的に調整した空調や、照明などがなくなるので、その建物と周辺環境の関係が、素な形で見えてくるのかも知れません。

浴室の解体状況

スケルトンになっていることで、骨組みの健康状態を確認することが出来ました。想像以上に構造材はきちんとしており、腐ったりシロアリにやられている箇所は見受けられませんでした。また、浴室も解体してあったので、新しい浴槽の寸法や、壁や設備との取り合い寸法の打合せを行うことができました。他に新しいサッシの取り付け方法や、設備配管のルート、床暖房の工事手順などを打ち合わせて参りました。