Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

キッチンカウンターの設置 広尾マンションリフォーム-09

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームのオーダーキッチンの取り付け工事の第二弾です。 2.4メートル×1.2メートルの大きなアイランドカウンターの設置では、ちょうど現場に人が足りず、非力な設計者ですが、僕も取り付けを手伝うことになりました。 写真左の二人はプロの職人さんで、右が現場監督の樋口さんと、各務です。 腰の高さが違うので、傷つけないように、ゆっくりとカウンターを設置する作業は、正直少し辛かったです。 それでも、このアイランドウカウンターが置かれて、初めて空間とキッチンの関係が見えてきたので、手伝えたことは嬉しかったです。

キッチンカウンターのセッティング

 カウンターの溶接 アイランドカウンターの材質は、コーリアンの人工大理石で、横面の一つも同じ人大で、継ぎ目は溶接して貰いました。 溶接といっても、金属ではないので、熱で溶かすわけではありません。 人工大理石と同じ素材で作られた接着剤を、継ぎ目に流し込み、万力等で乾くまでしっかり固定し、固定した後で、はみ出た接着剤を研ぎ出して、平面にする作業で、きれいに溶接されます。 一度溶接されてしまうと、 その事実を知らない人には、全く判らないほどきれいにくっついてしまいます。

人工大理石の溶接

いよいよ引渡しも2週間後に迫りました。最後の追い込みなので、設計も手を抜かずに、頑張ってゆきたいと思います。

オーダーキッチンの据え付け-1 広尾マンションリフォーム-08

広尾H邸

いよいよ工事も最終段階となり、オーダーキッチンの取り付け工事に入りました。大きなアイランドキッチンを中央に、それをコの字型に取り囲むように、キッチンや造作収納が配置されています。まさに既製品では不可能な、オーダーキッチンならではのレイアウト(配置)です。サイズも大きく、建築との取り合わせも複雑なので、本日から取り付け(据え付け)工事には、職人さんが3人に、キッチン屋の監督さん1人の4人体制となっています。

オーダーキッチン据え付け

一般にリフォーム工事では、既存の建物の床が傾いていたり壁がまっすぐではなかったり、本来は直角や平行な線が曲がっていたりすることが多く、取り付けには細心の注意が必要となりますが、やはりこちらでも微妙なズレに対応した細かい調整が沢山ありそうです。どこを基準にして、何に合わせるかは、現場を見ながら、設計者が的確に判断してゆく必要があるので、ここから取り付けの四日間は、毎日現場に顔を出す必要がありそうです。

大きなキッチンなので、現場に搬入された部品の数もとても多く、大きなDKがいっぱいになっていました。

塗装用クロス上から塗装 広尾マンションリフォーム-07

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームも造作家具の据え付けも終わり、壁・天井の塗装段階に入りました。玄関入ってすぐの壁は、「ラディキオ」色の赤い壁になるのです。ラディッキオとは、イタリアの赤キャベツのような野菜です。小さな丸い裸電球を高い位置にポツポツと配置し、お施主様の奥さまが気に入ったこの赤い壁が、より印象的になるように計画しています。

塗装下地用クロス

まだ塗り途中の写真なので、少しツヤが強いですが、二度塗りの後にきちんと乾燥させると、サラッとした仕上がりになる予定です。因みに、玄関ホールの天井と梁型は白ベージュ系の「ニュー・ホワイト」色で、リビングは薄青系の「ボロード(間接光の意味)」で、ダイニングキッチンは、薄緑系の「グリーン・グラウンド」色で塗装されます。

ラディッキオレッドの壁

今回の塗装壁は、全て塗装用クロスを貼ってから、フォロー&ボールの塗料で塗る最高級仕上げとなっています。塗装用クロスは、あまり一般的ではありませんが、下地壁のヒビを拾いにくく、色に飽きた場合、何度も上からの塗り直しが効くので、欧米では高級仕上げの一つと言われています。パテでしごいてから塗装するスタイルと比べると、パッと見た目は似ていますが、光を反射させると、よりサラッとした仕上げであることや、塗装職人の腕の差が出にくい素材であることが分かります。