Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

床の間の使い方・押入れの活用法

日本家屋リフォーム

現在工事が着々と進行中の和風住宅のリフォーム現場です。 書院風の作りの立派な住宅でしたので、当然風格のある床の間がありました。 京間造りの和室なので、床の間も結構な広さがありました。 全体の広さからのバランスを考えると、床の間にも機能を付け加えるべきだと考え、今回はこの箇所を書庫とすることにしました。

また、本棚の一部を欠き込んでテレビも入れるので、ある種の情報コーナーとなる予定なのです。 本の背表紙やテレビの画面が、床の掛け軸といったイメージです。 押入れの使い方 床の間の横の押入れですが、普通の押入れ収納として使うには広いので、内部を半分に仕切って、パソコンコーナーとして使うことにしています。

 こちらは襖が付きますので、ちょっと隠したい時には隠せる仕組みとなっています。 そのままでは暗いコーナーになってしまうので、床の間との境壁に、小さな光窓を設けました。 和風住宅の中に、情報コーナーがどのように見えてくるか、今からとても楽しみです。

間仕切壁の下地

日本家屋リフォーム

これまでは10畳の大きな寝室と、隣の6畳の支度部屋として使っていた住宅ですので、キッチンや洗面・浴室の空間を仕切るための間仕切り壁が必要になりました。かつての縁側部分だけではとても足りないので、新しい水廻りの空間が、10畳の部屋にまで入り込んできています。

写真の細い材料で組まれたものが、その新しい間仕切壁の下地です。(この下地の両面にボードを貼ると壁になります)注意してみて頂きたいのは、この壁が中途半端な高さの壁である事です。普通壁といえば床から天井まで伸びているものですが、この壁は、天井に届く前に終わってしまう壁なのです。

この中途半端な高さこそが重要な設計のポイントとなっています。つまり、居間側から見ると、壁越しに既存の天井の広がりが見え、キッチン側からすると、収納やキッチン自体を隠す事ができる、一挙両得の考えなのです。

因みに2枚目の写真は、洗面からキッチンを壁越しに透かし見たところです。出来上がらないと、この工夫の感覚はわかりにくいと思いますので、どうぞ完成写真をお待ち下さい。

古さと新しさの融合

日本家屋リフォーム

今回の和風リフォームは、古い材料を残しながらのリフォームです。いわゆるスケルトンリフォームと言われている、既存内装を全て撤去してから工事を始めるリフォームと違い、古い材料の間に新しい部品入り込み、新しい要素の間から古い素材が現れるような、入り組んだリフォームとなっています。 特に工事の途中で古さと新しさが融合している箇所を紹介いたします。

新旧鴨居の合体

まずは、古い鴨居に新しい鴨居を埋め込んだ箇所です。既存の壁を壊さないで、その壁に直交する形で新しい引き違い戸を付けるので、このように新旧の鴨居がクロスしています。

古い柱と新しいフローリング

もう一つは、古い柱とフローリングの取り合いです。柱も古くなるとねじれたり、欠けたりしているので、壁と平行に張り出したフローリングも、柱の箇所で調整が必要になります。 この場合は、柱の一部を欠き込んで、フローリングを埋め込む事で、埃が入り込む隙間をなくしています。 どちらも大工にとっては面倒な箇所でしょうが、見せ場でもあります。
設計側が注意しながらきちんと見ていることと、お施主に工事の大変さを伝える事で、今回の現場の大工さんもやりがいを感じてくれているようです。