Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

広角レンズで現場撮影 広尾マンションリフォーム-05

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームの工事の合間をぬって、新しく購入した広角レンズで工事の様子を撮影してきました。先日、ある雑誌の取材でプロのカメラマンと住宅の撮影を一緒にする機会がありました。これまでも、リフォーム工事の完成写真は、自分たちで撮影してきましたが、改めてプロの道具に対する姿勢の話を聞いて、思い切って、自分用に広角レンズを購入することとしました。購入したレンズはシグマ社 10-20mm F4-5.6 EX DC /HSMです。

広角でありながら、特殊なレンズを14枚(!)も重ねた構成で、画面の際の歪みを最小限にまで抑えた、優れもののレンズです。それなりに高価なレンズなので、本来は工事終了後に、完成写真を撮影するために購入したものですが、はやく実際に使ってみたかったので、本日、試写して参りました。

広尾H邸の広いダイニングキッチン(約35平米!)を各コーナーから撮影してみたものが、これらの成果写真です。とにかく広く写るので、部屋が広く見えるのです。レンズも非常に明るいので、これまでのレンズに比べても、
明るく鮮明なインテリア写真が撮れました。完成時にもこのレンズを使って、撮影する予定ですので、またその写真をアップするのをどうぞ楽しみに待っていてください。

キッチンリフォームの天井と床 広尾マンションリフォーム-04

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームもキッチンの天井と床が仕上がりつつあります。レンジフードを取り付ける壁が、
上階から排水管との取り合いで、下り壁を作ることになり、レンジフードとの難しい取り合いディテールが生じました。火災予防条例により「ガスコンロ等の調理器具との距離を、1メートル以上離して使用しなければならない」
という決まりがあるのです。床の位置から90センチでガスレンジの高さが決まり、そこから逆算してレンジフードの取り付け高さも自動的に決まってくるのですが、思わぬ下り壁が出てきたことで、レンジフードの一部を下り壁の内部に埋め込むことになりました。
といっても将来のメンテナンスや、レンジフードの取替えのことも考えて、下り壁の正面の幕板の一部をビス留めとし、将来取り外しが可能な方式としています。

レンジフードの取付け

キッチンの床材は、お施主様の強いご希望で、色の濃いブビンガの無垢材フローリングとしています。従来はコルク張りだった床を、フローリングに変更するに際し、下階への音の伝わりを考慮し、下地として防音材を敷き詰めることになりました。この防音材の厚み分だけ、他の部屋より高くなってしまうので、中央ホールと、リビングからキッチンへ繋がる部分に、緩やかなスロープを設けました。約80センチの幅で2センチほどの勾配なので、実際に出来上がれば、ほとんど気が付かない部分ですが、設計・施工側では相当の注意が必要です。

こちらの写真が、中央ホールとキッチンの間のスロープ部分です。段差の部分には、キッチンの側板がくるので、段差に生じる三角形の形は見えなくなります。これらのように細かい取り合いを、現場と相談しながら少しずつ解決しながら、マンションリフォームの完成へとスケジュールが進んでゆきます。

二種類の対照的なフローリング

新築住宅

三世帯住宅の大田区N邸の現場には、二種類の対照的なフローリングが使われています。二階に住む息子さん夫婦は、無垢・無塗装の杉板フローリングを選びました。

杉板フローリング

子供が三人いらっしゃるので、転んでも柔らかくて怪我がないことや、床暖房がなくても良いくらい暖かいこと(厚みが3センチ!)、そして何より、優しい無垢杉板の触感が気に入られたことが選択の理由です。柔らかいことは、傷つきやすいことにつながり、湿気の影響を受けて、伸び縮みも激しいことなど、デメリットもありますが、それ以上に以前から無垢、無塗装のフローリングにあこがれていらっしゃったことが、一番の決め手だったようです。

ナラフローリング

それに対して、一階に住まわれる親世帯は、同じ無垢でも、ナラの塗装フローリングを選ばれました。フローリングの定番ともいえるナラ材の安心感と、湿気で伸び縮みしにくい寸法の安定性、それに掃除も楽なしっかりとしたウレタン塗装が気に入られたようです。こちらは、あまりにきちんとした塗装なので、
無垢材の柔らかさが、足裏に感じられないことや、金額的にもそれなりの価格がしてしまうなど、難しい面もありましたが、トールペインティングの教室を計画しているので、ペンキが床にこぼれた時の拭きやすさや、しっかりとした仕上がり感が良かったようです。
同じ無垢材でも、とても対照的にフローリング、やはり仲の良い家族でも、自分たちの住まい方を真剣に考えると、これだけの違いが出てくるのですね。因みにフローリング張りの工事をしているのも、一階が大工の親方で、二階が親方の息子さんで、こちらも親子で苦労してくれているようです。