Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

軽井沢の別荘 建築スケッチと位置決め

新築別荘

2ヶ月ほど前から進めている軽井沢の別荘の新築計画のご紹介です。この別荘の敷地は旧軽井沢にあります。旧軽の繁華街の軽井沢銀座から、徒歩5分の便利な場所にありながら、見渡す限り樹木が広がる、小高い丘の上に位置した抜群のロケーションです。現地に行くのは、約一月ぶりですが、大分落ち葉も積もって、秋らしくなってきました。

旧軽井沢の新築別荘スケッチ

建築設計を手伝って貰うJ君とK君、更にお施主様のS様も一緒に丘の頂上に登り、計画している別荘の大きさに縄を張り、現地の光や風の流れを確かめながら、位置と方角、樹木や傾斜との関係を研究しました。

地縄張り 軽井沢の別荘設計

計画案の”設計スケッチ”の一部を紹介します。S様からのご要望は、

  • 静かに読書をして過ごす別荘
  • 樹木と空だけが見える別荘
  • 平屋で約40坪のシンプルな別荘

との話でした。僕らが考えた案の一番の特徴は、リビングの一角にある書斎コーナーです。本棚で囲まれた小さな空間の内部が書斎となっています。この部分だけ屋根が高くなっており、読書に適した北側からの光がやさしく入ってくるという考えです。他に、ゲストの寝室は、室内ガレージの奥に作り、母屋とは屋根が付いたテラスで結ばれることも考えています。

またお施主様の意見を聞きながら、徐々に計画を洗練させてゆきたいと考えています。

配線・配管は立体パズルです

新築住宅

大田区久が原の三世帯住宅の現場で、電気の配線、給排水・ガスの配管についての打合せを行いました。各室内空間の天井高を確保しながら、建物全体の高さを抑えているので、天井裏や床下のスペースがどうしてもギリギリになってしまい、電気や設備の業者さんたちに苦労を掛けることになってしまっています。

施工している様子は、写真の通り、まるで立体パズルのようです。どうしてもうまく管や線を廻せない箇所を、一つずつ回って、工夫しながら問題を解決してゆきます。特に構造と絡む箇所は重要で、安易に構造を削ったり、ハツることは避け、必要な箇所は壁をフカし、スペース(いわゆるPS(パイプスペース))を確保した上で配管を廻すよう、お願いして参りました。

今回は、ボードを張る前に、お施主様に立ち会って頂きながら、スイッチとコンセントの位置も全て確認しています。ここまで注意深く設計・監理を行うことで、後での工事やり直しを少なくすることができると信じています。

変形アイランドキッチンへの配管 広尾マンションリフォーム-03

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームも工事が着々と進んできました。今回は変形のアイランドキッチンを設計していますので、こちらがご紹介いたします。何が変形かと言うと、アイランドの一部が、壁際のユニットと繋がっているのです。完全に独立しているから「アイランド=島」と呼ばれているのですから、正式には、今回のケースはアイランドとは呼べないのかも知れません。ただ、繋がっているのが、下部の給排水管部分だけなのです。

どうしても、壁際にあるパイプスペース(マンションの上下階の給排水管を繋げる配管スペース)の排水管(写真の右隅にある薄い灰色の管)へと繋げる必要があるので、このような床付近だけが繋がった、変形アイランドを考案した次第です。写真中、灰色と臙脂色の太い管が排水管です。シンクと食洗機のから汚れた水を緩やかに取られた勾配に沿って流れてゆきます。食洗機にはトラップ(臭気を防ぐ仕組み)がありませんので、立ち上がりが高くなっています。黒い管が給水管で、白い管で、コーナー部が銅色のものが給湯管です。

一部、配管が終わっておりませんが、この上にアイランドのキャビネットがかぶせられることになります。