Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新たに生まれる空間 広尾マンションリフォーム-02

広尾H邸

今月から工事が始まった広尾の高級マンションリフォームの内容を紹介いたします。 
170平米のとても広いマンションですが、なぜか広さを実感できないマンションのナゾは、マンションの中央にあったようです。

 図面を詳しく見ていただくと、よく判るのですが、キッチンや玄関といったパブリックの空間と、寝室やトイレ、洗面といったプライベートな空間を繋ぐ中央部分に、無駄に長くうねった廊下があるのです その廊下に囲まれた部分が、主寝室用のWIC(ウォークイン・クローゼット)だった訳です。 初めて平面を見たときに、この変な点に気が付いたので、WICと分電盤を移動し、壁を解体することで新しく生まれる中央のホールを、ライブラリーコーナー 或いは子供たちの勉強コーナー などに利用してはどうかとご提案しています。

 まだ、お子様が小さいので、当初は子供たちがおもちゃを散らかして遊べる、プレイコーナーとすることになっていますが、また時間が経って、どのように展開されてゆくのか、今から楽しみです。解体前と解体後を同じアングルで比べた写真を見ると、新たに生まれた空間の違いが、よく理解できると思うのですが、いかがでしょうか?

軽井沢の別荘ライフ 軽井沢中古別荘リフォーム-21

軽井沢Y邸

二年前の冬に、リフォーム工事を完成しお引き渡しをしたた、軽井沢Y別荘に週末泊りがけで訪問して参りました。といっても、今回はお施主様のY夫妻に、鍵を借りて、妻と二人でだけで二泊させて貰いました。夜に出発して、深夜についてまず判ったことは、まず扉周りの暗さです。都会では、特別に照明を設けなくても、街灯でそれなりに明るいものですが、軽井沢の夜は本当に真っ暗でした。
車を止める位置を工夫して、その照明で鍵をなんとか空けましたが、照明つきのキーホルダーが必要なことがまず判りました。

そして次は、眠りに入る際に判ったことです。冷蔵庫のコンデンサーの音についてです。東京の騒音の中で暮らしていると、ほとんど気にしたことのない冷蔵庫の音ですが、本当に静かな軽井沢の夜では、時折冷蔵庫のコンデンサーがうなる音が、まるで野獣のうなりのように聞こえるのです。(Y家では「冷蔵庫が鳴いている」と表現しているそうです)
静かさを楽しむ別荘ライフでは、特に音のする家電にも気をつけなければいけないことを体感致しました。

翌朝に驚いたことは、朝の8時頃に、玄関の扉がノックされたことです。まさか誰かが来るとは想像だにしない中で、惰眠を貪っていましたが、突然のノック音に、すっかり目が覚めてしまいました。「どなたですか?」と尋ねても返事がなく、仕方なく薄く扉を開けたところ、待っていたのは小さな子供の訪問者でした。お向かいの別荘のお坊ちゃんで、Y夫妻のお嬢ちゃんのワカちゃんが来ていると思って、遊びに誘いに来てくれたのでした。知らない男の人が出て、男の子のほうがもっとびっくりしていたようです。

事情を簡単に説明して納得して貰いましたが、このような別荘の住人同士のコミュニティーが生まれることについても、勉強になりました。短い期間でしたが、色々な別荘ライフの特徴を体験させて貰うことができました。Y夫妻、今回の特別な計らい、どうもありがとうございました。
塗りあがった壁はとてもシャープで、張り増しした屋根のおかげで安心感もグッと増しましたね。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

解体工事の始まり 広尾マンションリフォーム-01

広尾H邸

今年の3月にお電話で相談をいただき、計画が始まった広尾の高級マンションリフォームH邸の工事が始まりました。
170平米のとても広いマンションですが、なぜか初めて訪問したときから、その広さを実感できないマンションでした。小さなお嬢さん3人と一緒に住んでいらっしゃるお施主様も、それがどうにも不思議だと感じていらしたそうです。当初は大手のリフォーム会社数社に提案と見積りをお願いしていたそうですが、どのように比較して、どのように検討すればよいのか、情報を集めれば集めるほど混乱して判らなくなってしまったそうです。

 リフォーム前のキッチン

その時点でお電話を頂いたのがきっかけで、大手リフォーム会社とはまったく違った発想のリフォーム計画のお手伝いをすることになりました。それから5ヶ月経って、いよいよ工事が開始されました。これまではプランの検討、三社の施工会社の見積り、そして管理組合との折衝や、近隣住民への説明などを丁寧に行い、ようやく工事にたどり着くことができました。工事は、まず養生から始め、解体工事へと進んでおります。

解体後のキッチン

こちらは解体後のキッチンの様子です。解体する前から、壁やキッチンの後ろに隠れた配管やダクト、電気経路を予想しながら計画していましたが、ほぼ予想通りの中で、上階からの排水経路がキッチン上部にあることだけが想定外でした。早速、デザイン的に問題を解消する案を作り、スケッチと共にお施主様に説明し、何とかクリアすることができました。解体後に、改めて躯体寸法を実測し、浴室やトイレなどの寸法を詳細に検討してゆく段階が、設計の次のプロセスになります。