Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

肌触り良い静かな寝室 高輪M邸-6

高輪M邸

高輪のタワーマンションのスケルトンリフォーム事例の寝室部分を紹介致します。何よりも仕上げの質感にこだわりを持ち、海外の高級ホテルに泊る事も多いお施主様ですので、寝室の仕上げ素材には苦心致しました。他の部屋でも使ったウォールナットを使いながらも、他の空間とは違ったシックで、落ち着いたインテリアにするために、ファブリックを使っています。

シックで落ち着いた寝室リフォーム

写真のベッドのヘッドボード裏の素材がそれですが、いわゆる緞子(どんす)張りの仕上げとなっています。袋張りになった中に綿を詰め(通常の2倍量詰めて貰っています)、ふっくらと柔らかい仕上がりになるようにしています。緞子張りの枠にもウォールナットを使い、腰見切りとも高さを合わせています。

緞子張りのベッドルームリフォーム

その他の壁は腰見切りで上下を分け、2種類のクロス(ビニールではなく、本物の布製クロスです)で貼り分けています。全体にファブリックが使われている事で、柔らかい雰囲気、肌触りの良さに加え、実際にも音の反響が少ない、静かなベッドルームになりました。因みにベッドも今回のリフォームに合わせ買い替えとなりましたが、シーリー社の最高級ベッド、クラウンジュエルシリーズのものです。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。

萬来舎のシンポジウムのお手伝い

ニュース

4月14日まで開催されている「谷口吉郎とイサム・ノグチの萬来舎」の写真展の最終日にシンポジウムが開催されますので、ご案内します。私も世話人の一人として、司会でお手伝いすることになりました。この「萬來舎」とは1951年に建築家谷口吉郎と彫刻家イサム・ノグチとの共同設計によって、三田の慶応義塾大学三田キャンパス内に建てられた建物の名前です。しかしこのオリジナルの建物は諸般の事情で2003年に解体されてしまいました。残念ながらオリジナルが壊され、今は不自然な形で新校舎の上に再築されている萬来舎ですが、在りし日の写真と貴重な資料を基に構成されているのが、今回の写真展なのです。

谷口吉郎とイサムノグチ

14日のシンポジュームは、ニューヨーク・ノグチ財団の理事であり、建物保存・再生に詳しい建築家ヒュー・ハーディー氏を招いた基調講演、そして谷口吉郎、イサム・ノグチ両氏の関係者が集まってのパネルディスカッションが予定されています。

萬来舎

題名の「オーセンティシティー」とは本物性という意味ですが、建物・芸術の保存、再生、改築、再築を考える上での大きなキーワードになるはずだと思っています。14日午後1時半から三田の建築会館ギャラリーで、このシンポジウムが開催されますので、どうぞ興味のある方はいらしてください。また、15日には二人に縁のある建物、場所を見学して回るバスツアーも開催される予定です。

シックモダンなバスルーム 高輪M邸-5

高輪M邸

ハイグレードマンションリフォームの浴室部分の紹介です。マンション全体はクラッシックなデザインを望まれたお施主様ですが、水廻りである浴室、洗面、シャワー、トイレはシンプルモダンかつシックなデザインを希望なされました。従来はいわゆるユニットバスでしたが、そのペコペコ感がどうにも安っぽかったので、今回のリフォームでは、コンクリートの躯体に
二重の防水を施した上に、本物の厚みのある石を貼った在来工法の浴室としました。

シックモダンなバスルームリフォーム

基本内装材を・黒い大理石・ガラス・ステンレスと決め、幾つものサンプルの中から素材の相性を考慮して、慎重に素材を決定しました。そして、その水廻り空間の中に、ジャクソン社の浴槽、セラ社のシンク、グローエのシャワータワーや水栓
を配置してゆきました。

クールモダンな浴室周りリフォーム

  • 排水の勾配と施工精度の問題や、
  • 防水の取付とステンレス枠の納まり、
  • 強化ガラスの扉やパーティションのデザイン

などが複雑に絡む空間なので、部屋としては広いマンションの一室でしかないのですが、結果としては一番沢山の図面を描き起こし、監理も最も難しい部分となりました。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。