Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

設計検査&竣工引渡し

白金台S邸

今年6月からリフォーム工事を始めた白金台のマンションリノベーション工事ですが、いよいよ工事が完了し、お施主様はお引渡しとなりました。

お引渡しの前、二回に渡り設計検査を行いました。工事の最終日に合わせた初回の検査では、
機器の動作不良や、塗装壁のヒビ、建具の不具合などをチェックいたしました。

二日間ほど掛けて指摘事項を直して貰ったあと、主に美的な観点から二回目の検査を行いました。この際はキッチン扉のズレや、コーナー部分の塗装塗り残し、造作家具の傷などをダブルでチェックしました。

引渡し前夜には、照明計画で協力してもらった照明デザイナーの三橋倫子さんに来て貰い、照明のシューティングも行ってもらいました。照明シューティングとは照明の向きや位置を調整し、想定している家具レイアウトや、”絵画アートの位置”に合わせて、照明を調整することです。

この写真は、検査後まで残ってくれた、工務店青、家具工事の現代製作所、そしてカガミ建築計画のスタッフに、照明の三橋さんも交えての記念写真です。

検査の翌日はお施主様引渡しでした。お施主様の目でもチェックしてもらいながら、各種機器の取り扱いを説明をして貰いました。

当日揃ったのは工務店の樋口さん、ガス屋さん、電気屋さんにキッチン屋さんで、約2時間掛けて丁寧に説明して貰いました。

リフォーム工事 施主検査

こちらの写真は、寝室周りの説明を受けているお施主様の様子です(操作ボタンの多さと難しさに、お施主様は閉口していらっしゃいました)。取り扱い説明(通称:取り説)の後は、保証書のお引渡しと鍵の返却、そして請求書をお渡ししたところで、無事引渡し完了となりました。

長期間の難しいリノベーション工事が無事終わったことで、お施主様もとてもホッとしてくださったようで、引渡し後、僕ら設計スタッフまで夕食に招待していただきました。

カガミ建築計画の担当スタッフの渡辺さん、事務所スタッフの岸本さん、笠原君、の片岡さん、樋口さん、現代製作所の上林さん、藤田さん、キッチン担当SSKの臼田親子、その他関わってくださった沢山の職人さん、どうもありがとうございました!

3/4年点検 広尾マンションリフォーム-14

広尾H邸

昨年秋に完成・お引渡しをした広尾のマンションリフォームに定期点検の一環で伺って参りました。
このマンションリフォームをご依頼されたHさまご一家は、ちょうど工事を始めるタイミングで一年間外国に赴任が決まっていました。 従って、工事期間中は仮住まいに引越す必要もなく、住みながらのリフォームでもありませんでした。 完成したのは昨年末で、そのタイミングに合わせて、ご夫妻だけにはご帰国していただきましたが、ご家族が住み始めたのは、この夏からでした。

本来は、住み始めの時期に発生しやすい、空調機器の初期作動ミスや、水栓などの動作不良は、住み始めて直ぐに気が付いて、半月ほどの間で補修するのですが、この広尾H邸の場合は、それをすることが出来なかったのです。 変則的ですが、9ヶ月経った本日、つまり3/4年経って初めての点検になった訳です。幾つかのご指摘事項を工務店と確認し、それらの補修方法と工事の日程をご相談して参りました。

久しぶりの訪問でしたが、華やかで美しいマンションでした 奥様には、一時ご帰国時にお目に掛かっていましたが、三人のお子様たちとは、ほぼ一年ぶりでした。 たった一年でしたが、子どもの成長は早く、皆逞しく、元気にスクスクと育っていました。 リフォーム前には存在しながった中央ホールで、元気に遊んでいる様子を拝見して、とても嬉しかったです。 また、ご主人様と奥様からは、 「とても気持ちよく、住み心地も大満足」 とのお言葉を頂きました。 中央ホールには造作の本棚を設計することも決まり、落ち着かれた頃に、家具入りの写真を撮影させて頂くお願いもさせてもらいました。

特注建具の吊り込み

白金台S邸

白金台のマンションリフォームに、いよいよ建具が吊り込まれ始めました。まずは、玄関を入って直ぐの玄関ホールから、リビングへと導く箇所の建具です。何といっても、一番最初に目に入る建具なので、この扉に求められた条件は、

  • マンションインテリアに合わせて、シンプルモダンであること
  • 同時にある程度の重厚感があること
  • 閉じた時も開けた時も、サマになっていること
  • 暗めの玄関への明り取りも兼ねていること

等でした。

建具のリフォーム

開いている時でも、閉まった時でもサマになるように、ヒンジはフロアーヒンジを使っています。フロアヒンジは、床下に大きな仕組みを埋め込み、天井にピボットの芯となる金具を仕込みますが、どちらも上手くカバーすれば、複雑な機構を全て隠すことができるからです。

シンプルモダンでありながら、重厚感を持たせるデザインを実現させることが、一番の苦労でした。面材には他の造作家具にも使ったオニグルミを採用していますが、家具では薄い突き板のところを、厚み6ミリほどの無垢板を貼りこんでいます。通常は、板材の厚みを表現するために、板と板の接合部をV字目地にしたいところですが、すっきりと見せるために、あえて他と揃えるように突き付けとしています。

高級感と重厚感を明かり演出するために、明かり取りと引き手を兼ねた特注の金物を作りました。上部は強化ガラスをはめ込んで明かり取りとなり、下部は、写真のように引き手となった金物です。

スチールのフラットバーを組み合わせた金物に、濃い茶色の焼き付け塗装を施して、建具と組み合わせて貰いました。普通のドアハンドルやレバーのように、出っ張る部分が無いので、閉じた時でも開けた時でもフラットでシンプルに納めることができました。

他の建具も続々と取り付けが始まっています。