Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

久が原N邸の一年点検

新築住宅

一年ちょっと前に竣工、お引渡しをした三世帯住宅の大田区N邸の一年点検に伺ってまいりました。

 一年点検

住宅が完成して引渡した日から計算して、ちょうど一年経った時点での工務店の検査を一年点検と言います。 建築基準法上で保証された点検ではありませんが、住宅建設の請負契約の際に事前に決めてありましたので、今回設計者として工務店の一年点検に立ち会ってまいりました。

引渡しの際にお渡ししているメンテナンス条項をご説明し、どのような事柄を今回点検し、無料で補修できるのかを、まずご説明した上で点検を開始しました。各階を上下しながら、お施主様にお話を伺い、不具合な点や、以前と変わって箇所をチェックし、同時に、スタッフの笠原君と工務店の松本君たちと設計者・施工者の目で不具合を確認して回りました。幾つかの不具合な点は 竣工してからも、先日の雑誌の取材・撮影や、年末のご挨拶などにも伺っていましたので、事前のヒアリングでも幾つかの不具合は判っていました。

住宅の裏のガス給湯器近辺の床に水シミが出来ることは、設備やにも同席して貰ったので、本日のうちに原因を究明し、問題を解決することが出来ました。 その他の点としては、以下の項目が挙げられました。

  • 引き戸の建て付け不良
  • キッチンパネルのコーキングのヒビ
  • クロスのコーナーコーキングのワレ
  • 人感センサー式照明の不具合
  • 火災報知器の電池切れ

などの項目でした。 その他、こちらからのご提案として、外部の木部(スノコ、木製ルーバー、勝手口の階段)を洗浄して防腐塗料(キシラデコール)の再塗装(有料のご提案)を見積ることとしました。 また、Nさまよりも防犯カメラの設置と、カーポートの屋根の設置のお見積をご依頼されました。

点検の後は、お茶をご馳走になりながら、 N様たちご家族の様子や住宅建設時の懐かしい話しに花をさかさせました。

一年点検チェックシート

なお、点検の結果は写真のようなシートにまとめ、施工者から工事の日程を決めて伺い補修し、お施主様にチェックしていただいて、一年点検の完了となります。 この次は二年目点検になります。

板橋区成増のリフォーム相談 現地調査

新規プロジェクト

板橋区のお客様からのお電話で、成増のマンション半地下部分のリフォームのご相談を受けました。お電話を頂いた二日後にお約束をして、成増の現場に伺って参りました。

お客様は会社を経営していらっしゃるご夫婦で、この半地下部分をオフィスとして使いたいとのことで、そのリフォーム提案をして欲しいとのご依頼でした。

  • 全体に暗いので明り取りの工夫を考えて欲しい
  • 半地下は湿気が多いのでその1策を
  • 防犯を考えながら、”二方向避難”も考えて欲しい
  • ロスナイを使った換気システムを構築したい
  • 半地下であることを忘れるような気持ちよい空間にして欲しい

といったご依頼の内容でした。

ちょうど現場の直ぐ近くに、10年来の設計の友人、スタジオコンボ建築デザインの茂呂君が事務所を構えているので、今回は変則的ですが、二人で共同してデザイン提案をしてみようと考えています。

現場調査の際も二人で伺って、お施主様に紹介し、ひとしきりご要望を伺った後は、二人で現場に居残って簡易調査を行いました。

平面方向、断面方向の寸法を実測し、設備関係や点検口の位置を確認し、壁裏の構造も二人で話しながら推察し、既存建物の色々な特徴が見えて参りました。

  • 湿気を防ぐための二重壁になっていること
  • GL(地盤レベル)まではコンクリート躯体で、その上部は”鉄骨造”であること
  • 一部鉄骨梁の下にはコンクリートの柱があること
  • 窓を開けることは可能だが、隣地との離隔距離がすくないので、あまり有効でないこと
  • 欄間や間接照明をデザイン的に使って、上手く光を取り入れることができそうなこと

等など、色々な面が見えてきたので、これらをヒントにリフォーム提案をまとめてみることになりそうです。

白金台S邸リノベーションの夜景

白金台S邸

昨年9月に引越しを終えた白金台のマンションリノベーションS邸に、遅くなりましたが新年のご挨拶に伺って参りました。お引越しなさってから既に四ヶ月が過ぎたS邸は、すっかり落ち着いた雰囲気でした。

マンションリノベーションの夜景

ベージュ基調のアルフレックスのL字型ソファーを中心に、以前から使っていたコーヒーテーブルやコンソールテーブル、代々S家に伝わってきたという由緒ある桐箪笥などが、違和感無くレイアウトされていました。長いカウンターには、昨年のクリスマスカードと今年の年賀状が、楽しげに、数多く並んでいました。

夕方から伺って、段々と日が暮れて、夜景になってゆく様子を初めて拝見いたしましたが、とてもシックで気持ちの落ち着く空間でした。

パッと見、一通り落ち着いたように見えるS邸ですが、お施主様とお話していると、これからの課題が見えてきました。

  • 絵画も壁に立て掛けてありますが、きちんと位置を決めてフックでつるす必要がありそうです。
  • 暫定的に以前の家で使っていたラグを敷いていますが、やはりもっと大型サイズのラグを探す必要があります。
  • ソファ以外には小さなアンティークの椅子を置いていますが、スペース的にはもう少し大きな一人掛け用の椅子が必要になりそうです。
  • オーディオシステムを組むために、専門家のアドバイスを貰って、機器の新規購入したいとのことです。
  • 納戸の中を整理するために、スチールラックが欲しいとのお話でした。

まだまだ少しずつ手を入れてゆく必要がありそうです。