Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

クライアントのご自宅訪問 二題

六本木T邸

本日は現在マンションリフォームをご依頼されているクライアントお二方のご自宅に打合せで伺って参りました。全くの無関係のお二人ですが、奇しくもお二人から依頼されたマンションが同じ六本木のマンションでした。

午前中にお目に掛かったのは、先週ご連絡を頂いたばかりのFさまです。まずは、現在以前の持ち主が居住中のリフォーム予定の現地を拝見させていただきました。ほぼ全てを解体して、スケルトン状態に戻してからのリフォームなので、主に設備のレイアウトと柱と貼りの関係、窓の大きさなどを簡単に調査致しました。

現調の後は、現在クライアントのFさまが住んでいらっしゃる南平台のハイグレードマンションに伺って、打合せをして参りました。リビングは黒い石の床に、カッシーナやアルフレックスの高級家具並べられた、すっきりモダンな空間でした。

書斎やベッドルームは、ホワイトオークの無垢材のフローリングにあわせ、特注で作った作り付けの本棚や木張りの壁が印象的なお部屋でした。まだ築二年の比較的新しいマンションで、とてもきれいに暮らしていらっしゃいましたが、地理的な問題で、六本木に引っ越すことを決められたそうです。

午後に伺ったのは同じマンションの上層階を購入して、リフォーム予定のTさまです。窓から東京タワーが麓まで見渡せる、素晴らしい景観の虎ノ門の大型マンションにお住まいのTさまのお宅では、リフォーム計画での間取りの変更点の説明や、家具インテリアの提案シートを作成したので、その打合せをして参りました。

こちらがその家具提案シートです。特注のスチール製食卓や、納期に三ヶ月以上も掛かるイタリア製の高級家具、それらの色味や素材感も合わせて、4つの提案を作って、ご説明してきました。どちらのマンションも普段は入ることが出来ないセキュリティーの高い超高級マンションで、ロビーの作りやインテリアの考え方などだけを拝見してきただけでも、色々と勉強になりました。

青山のマンションの現場調査

青山A邸

リフォームのお問い合わせを頂いた、青山のマンションの現調に伺って参りました。

地下鉄の駅から徒歩2分の利便性の良い場所にあるタワーマンションの最上階のペントハウスです。三面開口で全ての面にルーフテラスがついた、ワンフロア270平米の超大型マンションなのですが、間取りが入り組んでいて使いづらく、全面的にリフォームしたいとのご相談でした。横長の窓からは、青山から六本木までが一望に見渡せます。

玄関は広いのですが、段々状のミラーガラスの間仕切り奥には、寝室のウォークインクローゼットが見える、不思議な構成でした。広さの割には収納が充実しておらず、靴やコート掛けなどの収納をどのように解決するかも重要なポイントになりそうです。

ファミリールームから見たキッチンです。L字カウンターに、アイランドカウンターが付いた大型キッチンですが、パントリーがなく、不リビングからファミリールームへの動線上にあるので、通路も兼ねたあまり落ち着きのないキッチンでした。ファミリールームだけでも30畳ほどの広さがあるのに、空間のプロポーションのせいか、曲がりくねった動線のせいか、正直あまり広く感じられませんでした。

お施主様とお話をした後、管理事務所によって主要な既存図面のコピーを頂いてきました。今月半ばまでにリフォームの提案をまとめて、お施主様にプレゼンテーションすることになりました。

大学の同期とのミニ同窓会

ニュース

学生時代、一緒に建築を勉強した大学の同期四人でミニ同窓会を開きました。

網野禎昭

一人は大学卒業後に東京大学の大学院に進み、その後スイス、オーストリアで十数年に渡り建築構法について教鞭を取っていた網野禎昭君です。今年初頭に日本に戻り、法政大学の教授に就任しています。

飯塚豊

もう一人は飯塚豊君で、大学卒業後組織設計事務所でバリバリの実務を積んでから、ちょうど6年前に独立して、今では人気の住宅建築家になっています。

尾沢俊一

最後の一人、尾沢俊一君は大学院まで同時に進み、ゼネコンの設計部に就職し、途中給費留学生としてイタリアで二年間暮らした後、三年前に独立して設計事務所を主宰しています。

それぞれが緩い繋がりで、学生時代から一緒にツルンでいた訳ではありませんが、網野君が帰国したことを祝って、四人で久しぶりに集まりました。それぞれが独自の経歴を積みながら、現在も建築に強い興味を持って、仕事に取り組んでいるところが面白く、最近のアクロバティックで長年維持できるか判らないような住宅建築を批判しながら、お互いがどのように建築に取り組んで行くか、じっくり話すことが出来ました。

木構造のプロフェッショナルとして、研究と教育と実践の三本柱のバランスを取りながら建築と付き合ってゆく網野君、住宅の性能とデザインとコストを満たしながら、インターネットをフルに活用した設計活動を進めてゆく飯塚君、コンクリートから鉄骨・木造、インテリアとあらゆる建築のフィールドにチャレンジしてゆく尾沢君、そしてリフォーム・リノベーションに特化した建築家として、マンションや戸建、別荘の真っ当な増改築に取り組みたいと思っている僕、各務。それぞれが話をすることで、一層自分たちの取り組みへの意識を強くすることが出来ました。

これからもお互いの力を上手く活用しながら、定期的に集まることを約束し、楽しいミニ同窓会から戻ってきました。