Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

青山のマンションの現場調査

青山A邸

リフォームのお問い合わせを頂いた、青山のマンションの現調に伺って参りました。

地下鉄の駅から徒歩2分の利便性の良い場所にあるタワーマンションの最上階のペントハウスです。三面開口で全ての面にルーフテラスがついた、ワンフロア270平米の超大型マンションなのですが、間取りが入り組んでいて使いづらく、全面的にリフォームしたいとのご相談でした。横長の窓からは、青山から六本木までが一望に見渡せます。

玄関は広いのですが、段々状のミラーガラスの間仕切り奥には、寝室のウォークインクローゼットが見える、不思議な構成でした。広さの割には収納が充実しておらず、靴やコート掛けなどの収納をどのように解決するかも重要なポイントになりそうです。

ファミリールームから見たキッチンです。L字カウンターに、アイランドカウンターが付いた大型キッチンですが、パントリーがなく、不リビングからファミリールームへの動線上にあるので、通路も兼ねたあまり落ち着きのないキッチンでした。ファミリールームだけでも30畳ほどの広さがあるのに、空間のプロポーションのせいか、曲がりくねった動線のせいか、正直あまり広く感じられませんでした。

お施主様とお話をした後、管理事務所によって主要な既存図面のコピーを頂いてきました。今月半ばまでにリフォームの提案をまとめて、お施主様にプレゼンテーションすることになりました。

大学の同期とのミニ同窓会

ニュース

学生時代、一緒に建築を勉強した大学の同期四人でミニ同窓会を開きました。

網野禎昭

一人は大学卒業後に東京大学の大学院に進み、その後スイス、オーストリアで十数年に渡り建築構法について教鞭を取っていた網野禎昭君です。今年初頭に日本に戻り、法政大学の教授に就任しています。

飯塚豊

もう一人は飯塚豊君で、大学卒業後組織設計事務所でバリバリの実務を積んでから、ちょうど6年前に独立して、今では人気の住宅建築家になっています。

尾沢俊一

最後の一人、尾沢俊一君は大学院まで同時に進み、ゼネコンの設計部に就職し、途中給費留学生としてイタリアで二年間暮らした後、三年前に独立して設計事務所を主宰しています。

それぞれが緩い繋がりで、学生時代から一緒にツルンでいた訳ではありませんが、網野君が帰国したことを祝って、四人で久しぶりに集まりました。それぞれが独自の経歴を積みながら、現在も建築に強い興味を持って、仕事に取り組んでいるところが面白く、最近のアクロバティックで長年維持できるか判らないような住宅建築を批判しながら、お互いがどのように建築に取り組んで行くか、じっくり話すことが出来ました。

木構造のプロフェッショナルとして、研究と教育と実践の三本柱のバランスを取りながら建築と付き合ってゆく網野君、住宅の性能とデザインとコストを満たしながら、インターネットをフルに活用した設計活動を進めてゆく飯塚君、コンクリートから鉄骨・木造、インテリアとあらゆる建築のフィールドにチャレンジしてゆく尾沢君、そしてリフォーム・リノベーションに特化した建築家として、マンションや戸建、別荘の真っ当な増改築に取り組みたいと思っている僕、各務。それぞれが話をすることで、一層自分たちの取り組みへの意識を強くすることが出来ました。

これからもお互いの力を上手く活用しながら、定期的に集まることを約束し、楽しいミニ同窓会から戻ってきました。

保養所の試泊

見学記

建設コンサルタントとしてお手伝いした新しい保養所に、先日の竣工式に引き続き、今回は試泊で伺って参りました。

梅雨の合間ではありますが、晴天に恵まれてチェックインの3時からゆっくり建物を堪能することが出来ました。外観は国立公園の特別地域に建つ建物なので、周りと馴染む比較的落ち着いたデザインとなっています。

試泊させて頂いた部屋は一番広く、一番眺めの良い部屋でした。目の前には美しい湖が広がり、昼寝しながら素晴らしい景観が楽しめる部屋に泊めて頂きました。因みに写真左には9畳の和室が、写真右にはビューバスがあります。

食堂はシックな空間の中では比較的明るく、ナチュラルな雰囲気の空間です。ゆったりと面積が取られた中で、フルサービスの洋食を楽しませて頂きました。

食後には一緒にプロジェクトを進めてきた会社の方々、施工側の設計者と現場の工事長、マネジメント会社の方、それぞれのご家族がロビーに集まって、お酒等を飲みながら建設の苦労や思い出のエピソードを語り合って夜中まで大いに盛り上がりました。大きな吹き抜けの中に、小さな気の利いたコーナーが沢山しつらえてあり、その中を皆が移動しながら、話が続いてゆきました。

こちらは翌朝すっかり仲良くなった、赤ちゃんと子どもが窓際のベンチで遊んでいる様子です。試泊して、サービスや食事で気がついたこと、宿泊しての感想など細かい事柄についても、翌朝コメントさせてもらいました。
クライアント側に立ってコンサルタントとしてお手伝いした経験は、設計者と施主がどのような点で相違が生まれ、どのようにそれが助長して行く可能性があるのかを冷静に分析、研究する機会を与えてくれました。完成時がベストな状態ではなく、そこからの体験が加わることでより良くなる空間に付いて、大いに考えさせられました。