Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

割れ目補修はエクセルジョインで@渋谷区Q邸

渋谷区Q邸

渋谷区Q邸の工事では、きれいにカーブを描いて折り上がっている天井部分は、既存を再利用する方針で進めています。ただ、折り上げ内のボード塗装部分には、ヒビが沢山入っているので、その補修が必要となっていました。

まずは折り上げ天井の周囲のボードを二重張りにする作業をボード屋さんが先行して進めてくれています。カーブ部分は、このようにボードを天井に当てて、鉛筆で形をトレースしながらカットしてゆきます。

バナナ状に曲がった吹き出し口の部分も切り取る必要があるので、結構面倒な作業です。

二重のボード張り作業はもうすぐ終わりです。

本当はボードの継ぎ目もなるべく少なくして、まっすぐに通したいのですが、4重にカーブが重なった形なので、継ぎ目のラインもガタガタになってしまっています…。

一部カーブした折り上げ天井の全容です。

ここで出てきたのは、このエクセルジョイントです。正式名称はファインモル・エクセルジョイントというそうですが、各種下地素材のジョイント部分の亀裂処理、予防処理にために開発された素材で、無機質材料に繊維質と特殊語彙性樹脂を混ぜたセメント系の下地材で、曲げ強度と付着性が強く、剥離やクラックの発生が少ないのが特徴だそうです。簡単に言うと、地震などの揺れがあっても追従性があるので、簡単にひび割れがしない下地材とのことです。

袋の中の、練る前の素材を見ると、確かに細かい繊維質が混ざっており、粘着性が良さそうな素材に見えます。

元々ヒビが入っていたカ所は、ヒビ割れを大きくするために、カッターを差し込んで亀裂をお置きしたところに…、

まずはこのように重点的に水で練ったエクセルジョイントで処理します。

その後は、平滑でヒビが入っていない部分も含めて、全面をエクセルジョイントで塗ってゆきます。

塗装とは違って、左官のコテで押えるので、ちょっと不思議な塗模様のように見えますね。

ボードとの取り合い部分です。カーブした部分にも対応したフクビの塗装用コーナー見切りを入れて貰っています。

今回の工事では、エクセルジョイントを他のカ所でも使って貰っています。こちらは浴室の天井です。

浴室の工事は少し遡っていますが、防水下地が終わったところで、防水下地を守る抑えモルタルの接着性を良くするために、ラス網を張っている様子です。

壁にくっついている丸い金物はアルミ製のトンボと呼ばれる金物で、これのつの部分をメタルラスに引っ掛けて固定してゆきます。

タイルを張る下地となるモルタルを塗った後の様子です。ライニング(浴室内の壁の出っ張り部分)内に隠れる箇所に水とお湯の配管が通されています(青が冷水で、オレンジが温水です)。

そこに浴槽が設置されました。浴槽周りには、断熱の発泡ウレタンがたっぷりと吹き付けられていますね。天井もエクセルジョインとの上から白いエクセルホワイトが塗られています。

詳しく見ると、浴槽は現場で組まれたコンクリートブロックで動かないように固定され、浴槽からの排水管が、床のバス兼トラップに接続されています。

「バス兼トラップ」とはバス(浴槽)からの排水と、床排水を一つで兼ねたトラップの略語です。黒いお皿のした部分に防水層が絡まって、水漏れがしないように作られた便利な製品です。

今回は追い炊き管が設置できない給湯方式なので、バス水栓を浴槽のデッキ部分に設置するために、このような水栓のベースが浴槽の頭側に取り付けられています。

浴槽周りのエプロンがコンクリートブロックで組まれた後は、このようになります。バス兼トラップも頂部の排水目皿だけを残して、モルタルの中に埋め込まれています。

エクセルホワイトの下地が完成した浴室の天井です。この上から仕上げの「水性ケンエース」という、水回りや外壁に使える塗料塗って仕上げる予定です。従来はツヤツヤしたVP(ビニールペイント)を使っていましたが、塗装最中の塗料の臭いがキツイので、施工会社の青の推薦で、こちらを使ってみることになりました。

もう一カ所エクセルジョイントが使われたのが、こちら主寝室横に設けたシャワーブースの天井です。

こちらもエクセルホワイトまで塗られた状態です。この状態を見て、お客さまから浴室やシャワーの天井が普通の塗装仕上げで塗られているようだが、将来的なカビや汚れの割れの可能性がないかとの質問が来ましたが、エクセルジョイントの工法をご説明したところ、「さすがカガミ建築計画だ!」と喜んでくださいました。

シャワーブースの排水部分は、バス兼トラップではなく、単純なトラップですが、排水目皿はタイル割に合わせて角型を採用しております。

スパンドレル装飾と木製三方枠の取付け@渋谷M邸

渋谷M邸

新築高層マンションリフォームの渋谷M邸の工事が順調に進んでいます。

正面右側の壁に、折り上げ天井の懐から続く金属製のスパンドレルを張る作業中です。

下の壁に張る素材との見切りを事前に入れたところに、大工の本宮さんが寸法に合わせて現場カットしたアルミのスパンドレル材を張ってゆきます。

高さサイズは2通りしかないので、基本的には工場でカットした材料を張ってゆくのですが、数カ所現場に合わせてカットしなくてはならない部分があり、それを本宮さんが器用にカットしてくれました。

アップで見ると、このようになっています。以前は、ステンレス材を特注で似た形状にして、特殊塗装までしたものを張っていましたが、あまりに値が張ったので、最近は既製品の素材をうまく転用して使っています。
この下のベニヤ板部分には、大理石とカラーガラスと鏡を、真鍮見切りを使いながらランダムに張ってゆく予定です。

現場には、サイズに合わせてきれいにカットされた真鍮見切りが届いていました。僕ら設計にとっても、どのようになってゆくか、とても楽しみな部分です。

以前のブログで書いていた廊下からリビングへ入る個所の鉄製の違い棚には、周囲にフレームが入ります。その塗装された木製フレームを取り付けている様子です。フレーム材に極細のスリットが入っているのが見えるでしょうか?このスリットに鉄製違い棚を差し込む形で取り付けて、壁背面側のトイレの壁からフレームを固定する作業となりました。

大工の本宮さんと、造作家具取付けの根津さんの抜群のチームワークで、このようにピタリと納まりました!

こちらは数日後の様子ですが、大理石柄のタイルも貼られてほぼ完成形に近づいたフレームと違い棚です。違い棚の位置もタイルの目地に合わせているので、間近で見ても本当にきれいに収まっています。

塗装仕上げの木製フレームは、リビングダイニングへの入り口を囲むように、三方ぐるりと回っています。既存のスプリンクラーヘッドを避けながらの取付けで、本宮さんからは本当に大変な作業だったと聞いていますが、それでも一旦取付けられてしまうと、とても自然に見えるのが不思議です…。

玄関ホールの壁とSIC(シューズイン・クローゼット)への扉の加工も進んでいます。こちらの壁と扉は、フラットに仕上げて、扉の丁番を変えたうえで、カラーガラス張りとする予定です。

トイレの壁のタイル張りも終わりました。採用したのは、マーベルプロ(ダイナワン)のスタトゥアリオ柄です。

渋谷M邸の担当スタッフの岸本さんが、施工をお願いしているリフォームキューの現場監督の滝川さんと今後のスケジュールの打ち合わせをしてくれました。

断熱材吹き付け後の現場作業

千代田区M邸

千代田区M邸は、断熱材の吹き付け作業が終わっていました。

段階状にセットバックしながら各階にテラスがある独特な形状のマンションなので、外壁廻りの壁だけでなく、上階がテラスになっている天井や梁にも断熱材をしっかり吹いて貰っています(写真のピンクのモコモコしたものが吹き付け発泡ウレタンの断熱材です)。

LGS(軽量鉄骨)の下地を組んでからの断熱材の吹き付けなので、LGSから飛び出た部分は石膏ボードを張る際に邪魔になるので、すでに撤去されています。この日は、オーダーユニットバスの設置があるので、リビング床に浴槽が仮置きされていました。

柱型のコーナーの部分までしっかりと断熱材が吹かれていることを目視で確認させて貰いました。

断熱材を吹いた後の作業のエアコンや冷媒管の設置も終わっていました。LGSの下地は、現場で断熱材を吹く際には目安になりますが、エアコン等の設備器具類は養生するのも大変ですし、その背部に断熱材を回り込ませるのが大変なために、設置作業の前後が重要になってくるのです。、

上階に部屋がある部分の断熱材は、外壁と梁型、そして、外壁から600ミリの折り返し部分までは断熱材を吹いて貰っていますが、それ以外の部分には断熱材がないので、天井付けの空調設備設置(これは熱交換型換気設備、通称ロスナイです)は簡単です。

こちらは洗面所の壁裏です。エレベーターホール側に自然光を取り込むためのライトウェルがあるので、こちらの壁裏にも断熱材を吹いて貰っています。この壁には、後日洗濯機収納等の造作家具が取り付けられる予定なので、LGS下地の間にベニヤ板下地を仕込んで貰っています。


主寝室の外壁側は、今は造作家具も据え置きの家具も置かない予定ですが、後日住まわれてから何を置くのか分からないので、念のために壁いっぱいにベニヤ板の下地を材を入れて貰っています。

リビングダイニングの天井には、隠蔽型のエアコンを2台設置する予定で、そのための箱を用意して貰いました。

窓際に2台のエアコン設置用の箱が取り付けられました。通常はこのような箱無しで、天井からアンカーでエアコン機器を吊るのですが、今回採用した隠蔽型空調機器が、ダクトレスで吹き出し口と吸い込み口が隣接したタイプなので、施工会社の石坂さんと樋口さんが色々と考えてくれた上で、この箱の中に設置することになりました。

奥の水回りではオーダーユニットバスの設置が始まっていました。手前で作業しているのは設備会社の坂井さんで、排水管の高さ調節をしてくれています。

今回のオーダーユニットバスは、弊社ではいつもお馴染みの東京バススタイルですが、元々Mさまは東京バススタイルにご紹介頂いたお客様なので、浴室のデザインについてはMさまと東京バスで直接で決めて貰っており、浴槽や水栓器具の選定などはほぼノータッチとなっております(タイル選定や浴室の設置寸法等はこちらでチェックしていますが)。

この大きく空いた穴の部分に…、

先ほどリビングに置かれていたジャクソン社のこの大型浴槽が設置されるのです。

オーダーユニットバスも後日手すり等をつけられるように、タイル壁の裏にこのようにベニヤ板の下地を仕込んで貰っています。前田君が床下にカメラを差し込んで覗き込んでいますが…、

オーダーユニット浴室の床下はこのようになっています。右側を走っている灰色の管が排水用のVP管ですね。

浴室内は、ほとんどお客さまと東京バスにお任せでしたが、洗面所から浴室への出入り口廻りについては、僕らカガミ建築計画と施工の青で詰めています。枠の浴室側はステンレスで、洗面側は同じステンレスにするか、木製枠にすることが多いのですが、今回は床段差もあり、水掛りの部分が腐らないように、大判セラミックのデクトンで枠を作る予定で進めています。

実は、外壁に面した窓枠についても、結露水などが原因で、木製枠だとカビたり、腐ってしまうこともあるので、当初は枠材としてデクトンを使うことにしておりましたが、目に見えて触る部分は経年変化で劣化しても良い(というか経年劣化するのを見てゆくのがお好き)とのことで、木目を残した塗装枠で仕上げることになりました。こちらが現場に入ってきた塗装の木枠です。

また、この日は壁下地が立ち上がって、設備配管もセットされたので、オーダーキッチンでお願いしているリネアタラーラの牧野さんが、現地確認に来てくれました。

メジャー(巻き尺)を手に、細かい寸法を測ってくれているのが牧野さんです。

因みにこちらは、キッチンから伸びている配管類の行く先です。排水管の勾配がきちんととれていることも確認させて貰いました。

実測が終わった牧野さんも交えて、青の現場担当の樋口さんと石坂さん、片岡社長に、うちからはダブル担当の前田副所長と岸本さんで、広いテラスでのちょっと肌寒い打ち合わせを致しました。