建築家が考える上級リフォーム・リノベーション

洋館内にお茶室をつくることになった事の次第 お茶室リフォーム-1 

港区高輪で洋館(大使館に見まごう程立派な洋館です!)のゲストルームをお茶室にリフォームした顛末記を、これからシリーズで順にご紹介いたします。

お施主様であるアメリカ人男性のSさまとお茶の先生でもあるS先生、そもそもお茶を通して知合ったそうです。文化に憧れて日本にいらしたご主人は、紹介されたお茶の先生に一目惚れだったそうです。

それから熱心に先生のお茶レッスンに通い、色々と教えてもらう中でSさまが購入した洋館に、お茶室を作ることになったそうです。自宅でお茶のレッスンが出来れば、日本の文化にへの造詣が深くなり、先生のプライベートレッスンも受けられるからでしょうか。

私も学生の頃からお茶室には興味があったので、

  • 山崎の待庵、
  • 京都・裏千家の今日庵、
  • 愛知・犬山の如庵

等を見学してきましたが、いざ実際に自分に設計が任せられると、あまりに判らないことばかりで、勉強のし直しでした。

色々な本を読んで、インターネットで調べて、幾つかの素案を作ってみました。ゲストルーム内の全ての造作を撤去して、本格的な六畳の茶室を作る案、既存の家具を残して、小さな畳の六畳を作る案、四畳半で入口に小屋根を掛ける案など、5つほどの素案を作って、先生とお話しました。スケッチは完成したものとほぼ同じスタイルのもので、提案した当初のものです。

完成写真・図面等の情報はお茶室リフォーム_高輪S邸をご覧下さい。

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2006年02月02日 | 洋館内にお茶室をつくることになった事の次第 お茶室リフォーム-1  はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: お茶室リフォーム

ニューヨークの最高級リフォーム・リノベーション事情

留学と就職でアメリカに滞在していた時の体験を基に、ニューヨークでの高級リフォーム事情(英語ではRenovation=リノベーションです)を書いておきます。僕が働いていた設計事務所、Cicognani Kalla Architects(略してCKA)は、マンハッタンの中心部で古いマンションやタウンハウスの最高級リフォームを、郊外ではそれらのお客様の新築別荘の設計をメインの仕事としていました。ボスがイタリア人でしたので、お客様は欧州系のお金持ちの方が多かったです。

お施主様は風格があり、歴史やエピソードがある建物を好みましが、一般的にも、アメリカでは予想以上に古いものが尊重されていました。アンティークの置物 やキルト、そしてマンションもプレ・ワー(第一次大戦以前に建てられた)のマンション に住む事が住民のステイタスとなっています。古いマンションの外観は古いままに、内部のインテリアや設備を刷新するリフォームは、新築以上にノウハウと丁寧さが必要な仕事とされていました。歴史的建造物の指定を受けた建物の場合、申請許可を得るだけでも半年以上掛かって、それからようやく工事で、それも装飾や金具は全て再利用することも多く(実はそれらだけでも一財産なのです)丁寧な解体から始まり、約1年かけて工事をするような調子でした。

全てを刷新するリフォームと違って、歴史を紐解いて、改装後にも歴史が引き継がれるようなリフォームの事例を紹介します。画家で作家でもある女性と二人の子供の為のタウンハウスのフルリフォームです。お施主様が描かれた絵のテイストに合せて、全体の調子を整え、照明やタイル等まで、ほぼ全てをお施主様と一緒にアンティークショップで選ぶ、というコダワリで完成したリフォームでした。

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2006年01月28日 | ニューヨークの最高級リフォーム・リノベーション事情 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: その他

白金台のマンションリフォーム

一風変わったリフォームの紹介です。初めて現場を拝見した時に、あまりにきれいで、正直どこをリフォームしたいのか判らなかった事例です。改装前の写真をご覧下さい。キッチンも真新しいし、豊富に作り付けの収納もあり、パッと見問題がないように思えました。しかし、この中古でこのマンションを購入したお施主様としばらく話しているうちに、何か変な気持ちになってきました。

空間に圧迫感があるのです。良く観察してみると、構造の梁が部屋の真中を何本も通り抜けているのです。しっかりした構造に守られていて安心感があっても良いのでしょうが、ここではどうも上から押し付けられているようで、気持ちが滅入ってしまいます。平面図で見る限り使いやすそうな間取りでも、こんな事で雰囲気が随分変わることが判るでしょうか?

白金台マンションリフォーム

このリフォームでは、梁を地形的に捉えることにしました。取り外せない壁がある時に、間取りの考え方で、壁の存在感をなくしてしまうのと同じように、間仕切り壁と造作家具のレイアウトを上手く梁の位置に合せることで、梁の圧迫感を消すようなリフォームを心掛けました。

結果は如何でしょうか?リフォーム後の写真を見ると、空間が伸び伸びとしているように見えないでしょうか?家具のレイアウトも、照明の感じもとても良くなって、気持ちも晴れやかになったと、お施主様には大変喜んでいただきました。詳しくは白金台T邸をご覧下さい。

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2006年01月22日 | 白金台のマンションリフォーム はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリフォーム

アートコレクターのためのリフォーム

東京にある現代美術コレクターのためのマンションリフォームの事例を紹介いたします。使われなくなった子ども部屋をリビングと合わせて大きな空間を作るというリフォームでした。
デザイン上、一番難しい問題は現代美術・アート作品の飾り方でした。昔の絵画と違って、新しい美術作品は、彫刻と絵画の中間のようなものあり、意味不明なものあり(失礼!?)、ただ白い壁を用意すれば良い訳ではありません。

そこで参考にしたのが日本古来の住宅にあった床の間です。床の間には掛け軸も飾れば、床板にはお茶碗や季節のものを置きます。こんな便利な装飾用のスペースのアイデアですから、早速今回のリフォームに取り入れました。普通の床の間では、狭く、日本風インテリアになってしまいますから、ここでは思いっきり幅を広くし、奥の壁も周りと同じと総仕上げとしました。ただ、床の間を意識させるように、
床板と天井に少しを段差を付けて、枠取り(フレーミング)したような形になりました。

ちょうど便利な事に、このマンションは普通のコンクリートラーメン造(柱と梁で構成される構造)だったので、柱を枠と見立てて見ると、それまでは大きく存在していた柱型が、上手くインテリアの中に消えてゆきました。お施主様はこの現代版床の間がいたく気に入ってくださったようで、「普通の住宅では飾れないようなアートが、いろいろなスタイルで飾れる」と喜んでくださっています。

訪ねる度に飾っているアートが変わっているので、遊びに伺うのがいつも楽しみです。改装前を知っているお客さんが来た時に、「壁を凹ませたの?」と聞かれたこともあったそうです!詳しくは…白金台K邸をご覧下さい。

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2006年01月20日 | アートコレクターのためのリフォーム はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 白金台K邸

ペントハウス(屋上住宅)のリフォーム

ペントハウスとは建物の一番上の階にある住宅の事です。文京区のマンションの最上階に住んでいらっしゃるお施主様のペントハウス住宅のリフォーム事例を紹介します。ペントハウスの特徴は以下の通りです。

  1. 高い階にあるので、眺望をコントロールしやすこと
  2. 二面以上が外に面していること
  3. 普通下の階より小さく作るので、屋上テラスがタップリと取れること

があります。

ペントハウス

このリフォームデザインは、その特徴を最大限に生かすことを心掛けました。南にある大きなル−フバルコニから、北にある中庭へと風が吹き抜けるように、風の流れをブロックしていた和室を取り去って、代わりにリビングの横に小さな書斎を作りました。

ルーフバルコニーリフォーム

ルーフバルコニーは、全面ウッドデッキ貼りとして、上には西日を遮るパーゴラ(藤棚)を作りました。直ぐ目の前にあるビルから覗かれない程度に、テラスに植栽(屋上緑化)を植えたことで、まるリビングの延長として使えるようになりました。お施主様は、テラスで食べる休日のブランチが、何より贅沢だと喜んでくださっています。詳しくは小石川S邸をご覧下さい。

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2006年01月16日 | ペントハウス(屋上住宅)のリフォーム はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: マンションリフォーム

和風バリアフリーリフォーム

バリアフリーのリフォームと言うと、安全にだけ配慮していて、一般に何かつまらない空間をイメージしてしまいがちですね。一般にバリアフリーというと、

  • 至る箇所に手摺が付いて、
  • 全ての角が丸くなって、
  • 診療所くさい感じがして
  • 等々…。

ここで紹介したリフォームでは、もっとさり気なく和風のデザインにあうバリアフリー・リフォームを考えてみました。大工の棟梁の娘さんだったお施主様なので、中途半端なデザインや材料は使えませんでした。材料の良し悪しだけでなく大工の腕前の判断も出来るのですから、こちらも相当な覚悟が必要でした。

和風バリアフリーリフォーム

水廻りの集約や、引き戸の採用というオーソドックスなバリアフリーの設計に、姿勢を変える場所に要注意をという方針を加えました。「姿勢を変える場所」と言うのは、例えば靴を脱ぐ場所やトイレに座る時を考えれば判りやすいと思います。

リフォーム前の住宅を、お施主様と一緒になって生活の動線を歩いてみると、壁や家具の一部が汚れていることに気付きました。それらがちょうど姿勢を変える場所だったのです。手を頻繁につく事で、汚れが生じているワケです。そんな場所全てにリフォームの手を加えました。手摺の位置も汚れの高さに合せ、竪棒を使ったり、箱を壁に取り付けたり、その材質にまで細心の注意をしたので、全体の和室調の雰囲気から浮き出ない事に成功したのではないでしょうか。

リフォームは新築ではありませんから、限度は勿論あります。でも今までの住み慣れた家だからこそ、危険な場所も判り、その手当てもしやすいのです。設計者の注意深い観察が、バリアフリーの鍵となる場所を教えてくれるのです。より詳しくは…
市川Y邸をご覧下さい。

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2006年01月15日 | 和風バリアフリーリフォーム はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: その他